聴覚障害者は性格が悪い人が多い?原因を知れば落ち着いて対応できる

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聴覚障害者

聴覚障害者の方は性格が悪い人が多いので困ってます

これ、ネットで見掛けたのですが、聴覚障害者はどうも「性格が悪い人が多い」そうです。

聴覚障害があることで、本当に性格が悪くなるのでしょうか?

実際に重度の感音性難聴がある管理人が、自身の経験や見聞きしたことからなぜ性格が悪いと言われるのか?なぜ性格が悪くなるのか?を解説します。

それから、ただ解説するだけでなく対処法も載せていますので、もし身近な聴覚障害者が性格悪くて困っているならぜひ実行してください。

暴言を吐いたり暴力を振るったり問題行動をする場合は必ず原因となっていることがありますので、そこをなんとかできれば落ち着いてくるでしょう。

聴覚障害者で性格が悪い人が多いのは6つの原因がある

管理人も聴覚障害者なので、性格が悪いと言われると微妙な気分になります。とはいえ、そう思われるのは何かしら原因があるはずなので考えていくと、6つのことが思い浮かびました。

中には聴覚障害者だけではなく、他の障害者にも当てはまる原因もあります。それでは、何が原因なのか、見ていきましょう。

①聴覚障害者に限らないが将来を悲観・傷ついて「自暴自棄になっている」

初めに性格の悪さとして考えられるのは、将来を悲観したり傷ついたりして「自暴自棄になっている」パターン。

自暴自棄になると他人なんてどうでもよくなり、相手を傷つけるような行動を取りがちです。そうやって色々な人を傷つけてしまい、あの人は性格が悪いと言われるようになる…。

ちなみに、何も聴覚障害者だけではなく、他の障害者や寝たきりになった方にも自暴自棄になって周りの人を傷つけることはよくあります。介護が必要な寝たきりの方が、職員の方にセクハラや暴力を振るってしまう事件がニュースで報道されていますね。

こういった障害者が暴力を振るうケースでは、やり場のない怒りが爆発してしまうのが原因です。

障害があるから将来を悲観する、心無い人から暴言や暴力を受ける。そういったことが積み重なってどんどん怒りが蓄積し、ちょっとしたことでもキレて暴力を振るう…。

もちろん、病気になったのは、誰のせいでもありません。でも苦しさを受け止められず、どんどんネガティブに考えて負のスパイラルに陥ってしまうのが人間です。

②強い不満や寂しさがあり「相手の気を引こうと問題行動を繰り返す」

聴覚障害者が暴言や物を壊す、暴力などといった問題行動を繰り返してしまい、言ってもやめないケース。

こういった問題行動を繰り返す背景には、強い怒りだったり孤独感を抱えていたり何かしら不満があることがほとんどです。

逆に言えば聴覚障害者に限らず、「何か強い不満があれば健常者でも問題行動を繰り返すこと」があります。

なぜ問題行動を繰り返すのか?

それは、周りの人の気を引きたいためです。つまり、「苦しいから助けて欲しい」と言っているだけになります。

ただし、問題行動を繰り返すほどに気を引くどころか、人は離れていきますから余計に辛くなる。だからほとんどの場合は、より問題行動を頻繁に行うようになってしまいます。

解決手段としては、優しく何があったのか聞いてその不満を解消してあげればOKです。

例えば寂しさが原因だったら、もっとコミュニケーション手段を増やす。過去に誰かからひどく傷つけられていたなら、カウンセラーに診てもらう。

不満が解消されれば問題行動を行う理由はなくなりますから、段々と落ち着いてくるでしょう。

なお、何があったのか尋ねる際に、怒りながら「何なんだ!」とか怒鳴りつけるのはNGです。

必ず、優しく落ち着いて尋ねるようにしてください。

③聴覚障害が理解されず「周りの人に誤解される」

続いての性格が悪いと言われる原因は、聴覚障害が理解されず周りの人に誤解されるパターンです。

管理人の今までの経験から言うと、一定の人は聴覚障害になったら補聴器を付ければ健聴者とほとんど変わらないか、少し悪いくらいの聞こえになるだけだから大した病気ではないと思っています。

ところが、「感音性難聴」という聴覚障害は、補聴器を付けても相手が何と言っているのか聞こえなくなります。

でも補聴器を付ければ、例えば色々な人が話しているガヤガヤという音、物が落ちて床にぶつかる音などの生活音は聞こえます。

そう言うと、「はあ!?なにそれおかしいだろ!」という人がいます。というか、実際に言われて詳しく説明したものの、嘘ついていると言われいきなり殴られた経験があります。

感音性難聴は、耳の奥にある音という空気の振動を電気信号に変換する部分が壊れてしまう病気です。

電気信号に変換するのは、空気の振動のままでは聴神経を通ることができないので脳が理解できないからです。

補聴器は空気の振動(音のこと)を増幅する機械ですが、増幅してあげても感音性難聴だと電気信号に上手に変換できないので脳が上手く認識できません。

具体的には、声らしきものは聞こえても相手が何言っているのか分からなくなります。つまり、感音性難聴になると、アナウンサーとか滑舌が良い人でも異様に滑舌が悪く聞こえるフィルターが常に掛かっている状態になります。

感音性難聴にはこういう事情があるのですが、人によってはいくら説明しても「補聴器を付けているのに聞こえない?嘘つくな!」や「ふざけているだけだろ!」と反応します。そういう説明しても分からない人から見れば、聴覚障害者は嘘ばかりつく性格が悪い人と映るでしょう。

④コミュニケーションが取れず黙ってしまい「相手が都合よく解釈する」

続いて原因として挙げるのは、「相手が都合よく解釈する」となります。人間は現実を見ないで、物事を自分の都合よく解釈します。

聴覚障害になるとコミュニケーションが取れなくなり、特に複数人で話すようなケースだと聞こえないので黙ってしまうことが多くなります。そうすると、相手によっては「何か不満があるのでは?」「何か気に入らないのか?」と考えて、不愉快になることも。

管理人も学校に通っていたとき、うっかり補聴器の電池が切れて予備の電池も無くまったく聞こえない状態で過ごしていた時がありました。その時に、ある人が私に話しかけたそうなのですが、まったく聞こえてなかったので気付きませんでした。

後になって、別の人から「あの子があなたに話しかけたのに無視されたって怒っているよ」と言われ、慌てて釈明したことがあります。その時は何とか誤解も解けましたが、場合によっては釈明しても聞いてもらえず関係が悪化してしまうこともあるでしょう。

⑤聴覚障害者は「耳から情報が入らない分だけ精神的な成長が遅い」

4つ目は聴覚障害者は耳から情報が入らない分だけ精神的な成長が遅く、子供みたいなことをやってしまう点を挙げます。

未熟な子供時代は、精神的に成長するために周りの人(特に大人)をまねるという方法を取ります。小さい子がおままごとで遊んでいるのを、見たことがあるでしょう。おままごとは遊びではあるものの、まねることでこんな時どうしたら良いのかを学ぶ学習でもあり精神的な成長に役立つのです。

大きくなって中学生くらいから自我が発達していきますが、それでも周りから大きく影響を受けます。

例えば普段両親と話すことや尊敬する先輩の言動、テレビで見る芸能人の振る舞いなどです。

そうやって学習を積み重ねていくことで、こんな時どういう話をしてどう行動するのが良いのか身に付き大人に成長していきます。もちろん、自我もどんどん強くなるため、自分ならこうした方が良いと選択するので、完全に同じではなくその人なりの個性も出て来ます。

こうやって段々と子供から大人になるのですが、聴覚障害者は聞こえないので周りの人が何と言っているのか分からず情報が入ってきません。

そうするとまねる事が出来ず、こういう時どうすれば良いかが分からなくなります。つまり、必要な情報が入って来ないので、精神的な成長が遅くなる。

この精神的な成長が遅い点はほとんどの場合は理解されず、残念ながら本人の努力不足で片付けられます。

人によっては両親が精神的な成長の遅さの原因を理解していて、情報不足にならないように手話や筆談などを使いできるだけコミュニケーションを密にして乗り越えられた幸運な方もいます。

ただし、全ての人が幸運な訳ではなく、家でも学校でも一人ぼっちで明らかに必要な情報が足りず成長が遅れてしまう子が大半です。

管理人もそうで両親とも私が聞こえないことは知っているはずなのに、口語で喋るため幼いころから何言っているのか分かりませんでした。そのためか、こんな時どうすれば良いのか分からず、同世代の子と比べて精神的に幼さがあったと記憶しています。

⑥聴覚障害者は「精神的な病気になりやすく治療が困難」

最後に性格の悪さの原因として、聴覚障害者はうつ病や統合失調症などの精神的な病気になりやすいがあります。

精神的な病になるのは、ストレスやトラウマが原因です。特にストレスは対人関係から受けやすく、コミュニケーションに問題を抱えている聴覚障害者はどうしてもストレスを受けやすい環境にあります。また、孤立しやすいことからいじめに遭いやすく、暴力を受けてトラウマを抱えるケースも。

病気の種類によりますが、中には非常にイライラして誰かに当たってしまう症状が出る時があります。そうなると、周囲との関係が壊れ、あの人は性格が悪いと避けられるようになるでしょう。

それなら、病院に行って治療すれば良いのですが、残念ながら聴覚障害者は治療を受けることが困難になるという事情があります。

と言うのも、医者の声が聞こえないので、筆談や手話など何とかコミュニケーション手段を確保する必要があるからです。

管理人も一時期に、明らかにうつ病の症状が出ていたので病院に行こうとしました。ところが、電話予約を両親に頼んだところ、「うつ病じゃなくて馬鹿なだけだ」「あんなところ(精神科)に行くなんておかしい!」と怒られ協力を得られず、結局行けませんでした。

どうも、両親は精神科への強い偏見があったようです。

仕方ないので自分でうつ病関係の本を読み、認知行動療法も覚えて実践し何とか症状も治まっていきその後は再発もしていません。

対処するなら理解することが大切

聴覚障害者の性格がなぜ悪いのかを、5つの原因から見てきました。では、どう対処すれば良いのでしょうか?それは、「理解すること」が重要です。

原因が分かったら、後は理解した上で適切な対処法を選ぶしかありません。

自暴自棄になって誰かを傷つけることばかりしているなら、その聴覚障害者の苦しさを理解してあげましょう。ただし、一方的に言っても健聴者のあなたには理解できないと拒絶されるだけなので、私は聴覚障害者ではないけどあなたを理解したいから話しを聞きたいという姿勢で対応してください。

理解されることで承認欲求が満たされれば、溜まった怒りは消え去ります。また色々あって自暴自棄になるかもしれませんが、怒りが消え去れば一旦は自暴自棄が治まるでしょう。もし再度起きれば、その時にまた話を聞いてあげれば良いだけです。

精神的な病気の場合は、一刻も早く病院に行ってください。

管理人は病院に行かなくても治ったんじゃないか」と言う人もいるかもしれません。でも、治すのに色々調べて試行錯誤を繰り返し、10年近く掛かりました。病院でちゃんと治療を受けられれば、もっと早く治ったでしょう。

残りの3つの原因については、誤解や理解不足が原因になります。正しく知ったうえで、今までは「嫌な奴」だと思っていた聴覚障害者と話してみると、実は「問題を抱えているだけのいい奴」に変わるかもしれませんよ。

まとめ

聴覚障害者は性格が悪いといった記事が散見されるので、自身の体験も元に原因を考えてみました。

思えば私自身も中学生の時に、健聴者の同級生から暴言・暴力を日々受け続け、さらに感音性難聴の厄介な点を理解されず周囲から頭のおかしい人として扱われたことがあります。それがストレスで自暴自棄になり、ちょっとしたことで怒って周囲との関係が険悪になりました…。

自分の事を擁護する訳ではありませんが、聴覚障害者は性格が悪いという問題はストレスからの自暴自棄や理解されないことからの誤解など複数の原因が関わっていると思います。

もし家族が聴覚障害者で性格が悪く困っているなら、何が原因なのか記事を参考に考えた上で対処してみてください。

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