祖母や祖父の耳が遠くなってきたので、何度大声で話しても聞き返されてイライラします……。
もしこういう状況でお困りでしたら、この記事を読めば解決方法が分かりますよ!
管理人は感音性難聴という病気で、両耳ともほぼ聞こえていません。聞こえなくなった小学生の頃から思考錯誤してきたため、こういった問題は詳しいです。
この記事では確実に解決できる方法を書くだけでなく、以下の疑問にも答えました。
- そもそも大声で話しても何で聞こえないの?
- 補聴器を付けているのに、なぜか聞こえてないようだ
- 補聴器より安い集音器ってどうなの?
耳が遠くなった人とコミュニケーションを取るなら、音声に頼らない方が確実に伝わるのでタブレットmimiという機器を使うとイライラが解消されますよ!
大声で何度も話しているのに何で聞こえないの!?
最初に、「大声で何度も話してもなぜか聞こえていない」という問題についてなぜなのか解説します。
この問題の原因は、以下の2つです。
①難聴の症状が高度から重度と重いので、大声でも聞き取ることができない
②感音性難聴の症状で、補聴器があっても聞き取りが困難になってる
下の見出しで、それぞれ詳しく説明しますね。
難聴の症状が進んでいて聞き取ることが困難
難聴は、軽度・中度・高度・重度と右に行くにつれて症状が重くなっていきます。
このうち、高度あたりから大声を出しても聞き取りが難しくなり、重度では耳元で大声を出してもまったく聞こえません。
ですので、もしご家族の方が高度から重度の聴覚障害と診断されているなら、適切な補聴器や集音器を付けていないと大声でも聞こえないのは当たり前です。
ちなみに、どのくらいの大きさまで聞こえるのかの目安となる聴力レベルは、デシベル(dBとも表記)で表記され下の表の通りになっています。
症状の重さの分類 | 対応デシベル |
軽度難聴 | 25~40デシベル |
中度難聴 | 40~70デシベル |
高度難聴 | 70~90デシベル |
重度難聴 | 90デシベル以上 |
普通の会話が60デシベル辺りですので、高度と重度難聴はまず聞き取りが無理ですね。
ちなみに、管理人は重度難聴で両耳とも100デシベルですが、ここまで症状が重いと本当に何も聞こえません。正直、道を歩いていて、すぐ後ろで自動車事故が起きていたとしても聞こえないので気づかないでしょう。
耳元で大声を出されても、大声は80デシベルくらいですからまったく聞こえていません。
もし耳が遠くなったご家族の方が、補聴器など付けていない状態で大声でも気づかないなら難聴がかなり進行していますので、すぐ病院に行ってください。
老人性難聴は感音性難聴なので補聴器ありでも聞き取りが難しくなる
もし補聴器を付けているのに、何度言っても聞き返してくるといった状況でしたらそれは感音性難聴による症状です。
耳が遠くなった家族は、恐らく祖母や祖父といった高齢者の方がほとんどだと思います。
その場合、耳が遠くなった原因はほぼ老人性難聴でしょう。
難聴は大きく分けると、伝音性難聴・感音性難聴・混合性難聴の3種類に分けられます。
加齢によって起こる老人性難聴は、3種類のうち感音性難聴に分類されます。
感音性難聴とは、鼓膜よりも奥にある内耳という部分が損傷してしまうことで起こる難聴です。
ところで音って、空気の振動ですよね。
空気の振動(音)が耳の奥に入ると、内耳にある蝸牛(かぎゅう)という器官が電気信号に変換して聴神経に流してくれます。
その結果、聴神経から脳に音が伝わり、これは車の音だとか「こんにちは」と言っているんだなと理解できるようになります。
ところが、感音性難聴になると、蝸牛が損傷しているので脳に伝わりにくく……。
だから、補聴器とかで音を大きくしてあげても、脳に伝わりにくいので聞こえない(=脳が理解できない)ということが起きてしまうんです。
補聴器を付けても聞き返すことが多いなら、感音性難聴の症状の可能性が高いので「これ感音性難聴だ」と理解してあげてください。
そして、感音性難聴の場合は音声を大きくしてもダメなので、補聴器や集音器といったアプローチではなく筆談といった目で見える形のコミュニケーションが適切です。
感音性難聴の聞こえ方と理解されなさ
ちなみに、感音性難聴ってどんな感じに聞こえるの?といった疑問ですが、管理人が感音性難聴ですのでお答えしますね。
補聴器を付けると周囲の音は聞き取れるようになるのですが、音声については意識を集中しても聞き取れません。
声らしき音は確かに聞こえているものの、何度集中しても意味が浮かんでこないのです。
ただし、「はい」とか「うん」といった短い言葉なら、口の動きからの情報も合わせて何とか聞き取れることはあります。
こういう状態ですので、管理人は補聴器よりも筆談をメインにコミュニケーションしています。
なお、この感音性難聴の補聴器を付けても聞き取れないという症状は、一般的には全くと言っていいほど知られていません。
管理人は小学生の頃に感音性難聴になったのですが、当時は補聴器付けても聞き取れないことを周囲の子供や大人に全く理解されませんでした。
あの時は、「こいつ馬鹿だ」とか「頭おかしいんじゃないか」などいろいろ言われて、知能に問題ある子として扱われて非常に苦しかったですね……。
感音性難聴の場合は音声はどうしても聞き取りが難しくなるので、先ほども言ったように筆談といった視覚に頼る方法を使うと良いでしょう。
ただ、筆談はいちいち書かないといけないので大変です。
そこで、置いたら後はただ喋るだけで勝手にどんどん文字として表示してくれる、かなり便利な道具を次でご紹介します!
タブレットmimiを導入するだけで解決できる!
老人性難聴のために何度も大声で話しても聞き取れないなら、状況を一番改善させてくれる道具は「AIボイス筆談機「タブレットmimi」」です。
これは、ソースネクストという会社が作成したAIボイス筆談機。
自分で書く必要はなく、これをそばに置いておくだけで喋ったそばからタブレットmimiが自動でどんどん文字として表示してくれます。
これが本当に精度が良くスピーディーにどんどん表示してくれるので、今までイライラしっぱなしだったコミュニケーションが快適になりますよ!
ちなみに、ポケトークmimiという小型のAIボイス筆談機もありますが、タブレットmimiの方が大きく文字も見やすいので高齢者向きです。
文字の大きさは選択可能で、下が一番大きくした状態。
老眼の両親に見てもらったところ、この大きさなら問題なく見えているそうです。
気になる価格は本体が19800円で、月額利用料として月1430円も掛かります。
安くはないのですが、個人的に導入することで雑談が増えて家族との仲が良くなったのでそれだけ出す価値はあると考えています。
それに、補聴器なら重度用で安くても1台30万はしますので両耳で60万円とかなり高額になるため、タブレットmimiなら費用も大幅に抑えられますよ。
なお、表示された文字を読んでも反応がおかしい場合は認知症の可能性があるため、病院で診断を受けてください。
お金がなくタブレットmimiの導入が無理な時は一応アプリで代用できる
お金がないので、タブレットmimiやポケトークmimiといった機器は導入できません。
そういった時は精度が落ちたり手間があったりしますが、スマホアプリで似たようなことができますのでそちらを利用してください。
聴覚障害者向けのスマホアプリは色々ありますが、代表的なのは「UDトーク」「こえとら」の2つ。
ちなみに、スマホだと画面が小さいので、老眼が進んでいる方だと文字が小さく見えにくいかもしれません。
この点については、画面が大きいタブレットを使えばある程度は解消できます。
「UDトーク」無料版だと精度は悪いがスムーズなコミュニケーションが可能
UDトークは、教育機関や病院などで利用実績がある聴覚障害者向けの音声認識アプリです。
一番の特徴は、タブレットmimiやポケトークmimiと同じことができる点。
スタートボタンを押してそばに置いておくだけで、周囲の音声を読み取ってどんどん表示してくれます。
ただし、無料版だと精度が低く、全く違う内容で表示されることがそこそこある点に注意してください。
管理人が実験してみたところ、滑舌が悪いせいか意味不明な文字列が多かったですね。
同時にタブレットmimiとポケトークmimiにも話してみると、そちらは正確に読み取ってくれるので無料版の精度が低いだけのようです。
月額でお金を払って使う有料版なら、精度は上がるのでより使いやすくなるでしょう。
ただ個人的には有料版を買うなら、タブレットmimiやポケトークmimiを買った方が良いと感じました。
無料で使えるので、とりあえず音声認識を試してみたい時はスマホにインストールしてみてください。
「こえとら」無料でも精度がかなり高いがいちいちボタンを押す必要あり
こえとらは、聴覚障害者のサポートを目的としたアプリです。
音声を文字として表示してくれるだけでなく、読み上げや筆談器などいろいろな機能が付いているのが特徴。
そして、無料で使えて精度はUDトークよりも上という点がポイントです。
無料で使えるアプリの中では、滑舌が悪い管理人の声も結構な精度で読み取ってくれます。
ただ、一文ごとにボタンを押す必要があるので、ボタンを押す→話す→ボタンを押す→話すといった感じに……。
これが、正直に言えばテンポが悪くなるので、ちょっとしたことを伝えたい時向けですね。
アプリはそれぞれデメリットがあるため、快適にコミュニケーションしたいならやはりタブレットmimiがおすすめになります。
もし補聴器や集音器を検討しているなら
最後に、補聴器や集音器について解説します。
よく知らずに購入して、結局効果なかったというケースが多いのでここで一度確認してみてください。
補聴器は難聴の種類によってはあまり効果がない
耳が遠くなったら、補聴器は定番ですね。
この補聴器は医療機器でして、その辺のお店に入ってすぐ購入できるものではありません。
病院で診断を受けて、そこで紹介されたお店から購入する形になります。
耳に入れるイヤモールドは、本人の耳を型取りした特注品。なので購入前に耳を型取りしたり、購入後も病院でいろいろな調整があると結構大変です。
ちなみに、Amazonなどで数千円から1~2万円くらいの補聴器が売られていますが、あれは補聴器ではなく集音器となります。
老人性難聴は感音性難聴ですので、補聴器を使っても聞き取りが難しいケースがあることは知っておくべきでしょう。
では、補聴器以外に、聞き取れるようになる機器はあるのでしょうか?
感音性難聴は耳の奥にある内耳に原因がありますので、実は「人工内耳」という手術で埋め込む機械を使うことで聞き取れるようになる可能性があります。
ただ、埋め込んで電話も普通に聞き取れるようになった人もいれば、全然ダメだった人もいると個人差が結構大きいです。
なので人工内耳を検討するなら、まずは医者の方に相談してよく話し合ってからにしましょう。
集音器は逆に難聴を悪化させる時もある点に注意
集音器は医療機器ではないので病院での診断は必要なく、Amazonや楽天などで注文すればすぐ届きます。
ただし、数千円で購入できる安物は作りが甘く、ピーピーといった音が出るハウリング音だったり雑音が入ってしまったりすることが多い点に注意。
補聴器の場合は耳の状態がそれ以上悪化しないように、適切な音量に調整して使っていきます。
しかし、集音器はそういった調整はないので、大きな音で使って難聴が悪化させることがあるためその点はご注意ください。
集音器を買うなら、数千円のものは避けて2万円台で販売されているソニーの首かけスピーカーがおすすめです。
数千円の集音器は雑音のカットなどが付いていないか甘く、ハウリング音もひどく使い物にならないものがほとんど。
ソニーの首かけスピーカーなら雑音をしっかりカットしてくれて、作りがしっかりしているのでハウリング音も少なく快適です。
それに、テレビからの音声を耳元から流すことで、より聞き取りやすくする機能も付いていますよ。
集音器は確かに安い点が魅力ですが、安物買いの銭失いになりやすいのでできれば2~3万円は出してしっかりした物を購入しましょう。
ちなみに、基本的に集音器は中度難聴までの対応なので、高度難聴や重度難聴の場合は病院に行って補聴器を紹介してもらってください。
まとめ:家族の耳が遠いなら音声以外のコミュニケーション手段を!
家族の耳が遠くなってしまって、コミュニケーションでイライラしてしまう問題についてまとめました。
耳が遠ければ音を大きくすれば伝わると思いますが、老人性難聴も含む感音性難聴は耳の奥の蝸牛が損傷しているために音が脳に伝わりにくくなっています。
だから、大声で話しても補聴器を付けても、残念ながら正しく電気信号に変わらないので脳に伝わりません。
難聴は伝音性難聴・感音性難聴・混合性難聴の3種類に分かれ、加齢による老人性難聴は感音性難聴に分類。
なので、加齢による老人性難聴の解決方法として一番良いのは、AIボイス筆談機「タブレットmimi」という道具を使って筆談することです。
画面が大きいので見やすく、置いておくだけで精度良く会話を文字として表示してくれるのでコミュニケーションが快適になりますよ。
お金がない時は、UDトークやこえとらといったスマホアプリで代用も可能です。ただ、それぞれ精度が悪かったりいちいちボタンを押す必要があったり問題点はあります。
昔は補聴器くらいしかありませんでしたが、現在では聴覚をサポートしてくれる機器が本当にたくさんあります。
その中でもタブレットmimiは、本当に聴覚障害者とのコミュニケーションを良い方向に激変させてくれます。
祖母や祖父の耳が遠くてイライラして困っているなら、導入して快適なコミュニケーションにしましょう!