手軽にきのこを育てられる、きのこ栽培セットは意外と種類も多いのでどれにするか迷いますよね。
今回の記事を見ると、次の疑問が解決できますよ!
- きのこ栽培キットってどんな種類のきのこが育てられるの?
- きのこ栽培キットって本当に手軽にきのこが栽培できるの?
- 最初に栽培するきのこの種類はどれがいい?
- きのこ栽培キットの菌床栽培と原木栽培って何?
- おすすめのきのこ栽培キットはどれ?
管理人もきのこ栽培キットを購入し、しいたけを栽培した経験があります。
今回の記事を書くにあたって徹底的に調べたので、この記事を読めばきのこ栽培キットの疑問が解消しぴったり合う種類のきのこが分かりますよ!
きのこ栽培キットで作れるきのこは9種類!
人工的に栽培できるきのこは、40種類以上もあります。
ただし、きのこ栽培キットとして販売されているのは、そのうち次の9種類ほどです。(町草調べ)
- しいたけ 通年
- なめこ 10~3月
- えのきたけ 10~3月
- ぶなしめじ 10~3月
- ひらたけ 10~3月
- えりんぎ 10~3月
- きくらげ 6~9月
- マッシュルーム(和名:ツクリタケ)
- マイタケ
※一部は販売されている期間が限られている点に注意。
栽培キットがないきのこがたくさんあるのは、栽培の難易度が高すぎてキットとして向かない・まだ一部でしか栽培されていないなどが原因です。
ちなみに、きのこ栽培キットとして販売されていない種類のきのこでも、種駒(きのこの菌を木片に植え付けたもの)が販売されているなら自分で原木に打ち込んで栽培することができます。
ただ、自分で原木から作って栽培するのは難易度が高いので、まずはきのこ栽培キットから始めると良いでしょう。
きのこ栽培キットでも、種類によっては難易度が少し高く育たないケースがあります。そのため、初めて挑戦するなら、いつでも購入できて難易度も低い「しいたけ」がすすめです!
菌床栽培と原木栽培の違い
きのこ栽培キットは、菌床(読み:きんしょう)栽培と原木栽培の2つがあります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に適している方を選んでください。
菌床のメリットは短い期間で栽培できる手軽さ
木を切った時に出るおがくずを、一定の形に固めて養分も入れブロックを作ります。このブロックに、きのこの菌を植え付けて育てていくのが「菌床栽培」です。
菌床栽培のメリット
・収穫がとにかく早い!
・届いてから栽培開始後、2週間ほどで収穫できる
・原木よりも小型なのでスペースも必要ない
・1500円ほどで楽しめる
菌床栽培のデメリット
・寿命が短く3サイクル(発生→収穫)ほどで終了
初めてきのこを栽培したいなら、手軽にできて失敗も少ない菌床栽培でOKです。そこからきのこ栽培にはまったら、次はより大きなきのこが育つ原木栽培に挑戦してみましょう。
原木は時間かかるがより大きく美味しいきのこが取れる
原木とは写真にあるように、切った木のことです。この木に穴を開けて種駒を打ち込んであるものが、きのこ栽培キットとして販売されています。
この原木を水に浸けるなどしてから、外に置いて遮光ネットで覆ってあげる。後は乾燥し過ぎないように、一定間隔で水やりをしていけばきのこが生えてきます。
原木栽培のメリット
・菌床栽培よりも大きく風味や香りも優れたきのこができる
・菌床栽培よりも大きなきのこがたくさん取れる
・1年に春と秋の2回収穫(きのこの種類によっては年1回)できて、5年くらいは持つ
原木栽培のデメリット
・原木が大きく、家の中ではなく外で育てる(室内でも育てられる小さい原木を使用した物もあるが収穫量は落ちる)
・収穫までに時間が掛かる
きのこは種駒があるところ以外にも、様々なところから生えてきます。原木は菌床よりも大きいので、よりたくさんのきのこを収穫することが可能ですよ!
なお、原木はかなり大きく、基本的に外で育てることになるので購入前にスペースを確保しておいてくださいね。
きのこ栽培キットと一緒に用意しておくもの
きのこ栽培キットと一緒に、用意しておくものは以下の通りです。
①菌床栽培で使う物
菌床栽培の水やりでは、霧吹きを使います。
乾燥を防ぐために菌床のブロックをポリ袋に入れておくのですが、口が空いたままだと乾燥してしまうため洗濯ばさみで閉じましょう。
上に一応リンクを出しましたが、霧吹きなどは100円ショップでも売ってますのでお近くにあるならそちらで揃えましょう。
後無くても全然OKですが、きのこ栽培容器が別売りされています。
②原木栽培で使う物
大きな原木の場合は、外で育てることになります。基本的には日陰でOKですが、場所的にどうしても日光が当たってしまうなら遮光ネットが必要になります。
小さい原木をプランターや畑に埋めるきのこ栽培キットなら、プランターや赤玉土も必要になります。この赤玉土は中粒のものを20Lほど必要です。
菌床栽培でおすすめのきのこ栽培キット
初めはスペースもあまり必要なく、手軽にできるこちらの菌床栽培がおすすめです。複数のメーカーから販売されていますが、中でも森産業株式会社が販売している「もりのきのこ農園」シリーズがおすすめ。
管理人もシリーズの内「もりのしいたけ農園」を購入して育てていますが、失敗もなく気軽にきのこ栽培を楽しめたので気に入っています。
森産業株式会社 もりのしいたけ農園 (通年販売)
きのこ栽培キットの中でも、一番人気あるのが森産業株式会社が販売ている「もりのしいたけ農園」です。
Amazonではレビュー数2600件を超えており、ベストセラー1位も獲得。
人気になっているのは、①他のきのこと違い通年で販売されている②きのこ栽培キットの中でも一番育てやすく成長スピードもはやいという2つの理由からでしょう。
管理人も購入して育てていますが、届いてから3日ほどで小さなしいたけの目が出てきて2週間ほどでたくさん収穫できました。
説明書では発芽までは5日前後と書かれていましたが、それより短い期間で出てきました。
通年販売ですが、しいたけの栽培に適した温度は18~25度とのこと。気温が低い冬場は、少し成長が遅くなるかもしれませんね。
育て方は菌床のブロックを袋から出したら水で洗い、後は付属のポリ袋に入れて霧吹きで水やりしていくだけです。
なお、別売りの容器があると確かに育てやすいのですが、実際に育ててみたところ、付属しているポリ袋でも洗濯ばさみで上を止めれば問題ありませんでした。
森産業株式会社 もりのなめこ農園 (10~3月のみ販売)
10~3月の期間だけですが、なめこを栽培できるキットも販売されています。
しいたけとは栽培方法が違い、まず菌床の上の白い部分を少し削り取ります。次に水を入れて30分ほど浸けてから、水を捨てる。最後に付属の赤玉土を水で濡らしてから、削ったところを覆うように掛けていきます。
発芽は2~4週間で、しいたけよりも時間が掛かります。
ちなみに、販売期間が10~3月と決まっているのは、なめこの適切な温度は10~15度となっているためです。
森産業株式会社 もりのえのきたけ農園 (10~3月のみ販売)
こちらも10~3月のみ販売されている、えのきたけを育てられるきのこ栽培キットです。
育てからはなめこと同じで、菌床の上の白い部分を削ってから水に浸けて水を捨ててから赤玉土をかぶせます。
発芽までは、だいたい2週間ほど。
スーパーでよく見かけるえのきたけは、真っ白で細いものだと思います。こちらで育つえのきたけは、傘が茶色く太目と違うのでびっくりすると思いますよ。
販売期間が10~3月となっていますが、えのきたけの適正温度は10~18度となっています。
森産業株式会社 もりのぶなしめじ農園 (10~3月のみ販売)
ぶなしめじも10~3月のみの販売ですが、きのこ栽培キットにありますよ。
期間限定になっているのは、ぶなしめじの栽培に適した温度が10~18度となっているためです。
栽培方法は、菌床の上の白い部分を削り取る作業が必要。削った後に上にかぶせる、赤玉土も付属しています。
発芽は2~3週間となっていますので、水やりしながら気長に待ちましょう。
スーパーでよく見るぶなしめじよりも傘が大きいので、収穫できるサイズまで大きくなると感動しますよ。
森産業株式会社 もりのひらたけ農園 (10~3月のみ販売)
10~3月の期間限定で、ひらたけのきのこ栽培キットも販売されています。期間限定になっているように、ひらたけの適した温度は10~18度です。
育て方はなめこやぶなしめじなどと同じで、菌床の上の白い部分を削り水を入れてから赤玉土を上にかぶせます。もちろん、赤玉土は付属しているので用意する必要はありません。
発芽では2週間程度となっていますが、5日で発芽して1週間で収穫できたというレビューがありました。
収穫期はひらたけの傘のふちの巻き込みがなくなって、開ききる前となっています。
森産業株式会社 もりのえりんぎ農園 (10~3月のみ販売)
特に大きなきのこであるえりんぎも、きのこ栽培キットがありますよ!
ただし、栽培に適した温度は10~18度ですので10~3月の間しか販売されていません。
栽培方法は、菌床の上の白い部分を削り取るタイプで後でかぶせる赤玉土も付属しています。
発芽は2週間ほどで、比較的に成長が早い部類ですね。
大きなえりんぎが上からにょきにょきと生えてくるのは、なかなかインパクトあって楽しいですよ。
収穫期は、えりんぎが大きくなり傘のふちにある巻き込みが少なくなって水平になったらとなります。
森産業株式会社 もりのきくらげ農園 (6~9月のみ販売)
※6~9月のみ販売なので、現在は販売休止中です。
きくらげもきのこですので、きのこ栽培キットとして販売されています。ただ、きくらげの栽培に適した温度が15度以上ですので、6~9月の暖かい時期しか販売されません。
他のきのことは、育て方が少々違います。
菌床のブロックを袋から取り出したら、カッターナイフで側面に4~5箇所ほど縦に切り込みを入れる。
あとは乾燥しないように、霧吹きで水をあげていけば切り込みの部分からきくらげが生えてきます。
スーパーなどで販売されているきくらげは、乾燥したものがほとんどです。
生のきくらげはあまり見る機会がありませんので、子供の自由研究にも良いかもしれませんね。
聖新陶芸 おうちでキノコ栽培セット マッシュルーム(ホワイト・ブラウン)
マッシュルームのきのこ栽培キットは、聖新陶芸というメーカーから販売されています。
ブラウンマッシュルームとホワイトマッシュルームの2種類があるので、好みの方を育てましょう。
育て方は菌床のブロックが入っている袋を開けて、土と水をかけてビニール袋をかぶせるだけ。赤玉土も付属しているので、土は用意する必要はありません。
マッシュルームは、温度管理が難しいのできのこ栽培にある程度慣れた人向けとなります。
菌糸発生までは、20~25度で5~7日ほど置く。赤玉土の上に白いカビのようなものが伸びてきたら、菌糸が発生したので今度は12~18度で置きます。
発芽は14~20日ほどで、栽培開始からだいたい3~4週間ほどで収穫できますよ。
温度管理が他のきのこと比べて大変なので、レビューでは失敗して生えて来なかったという書き込みも見られます。
しかし、だからこそマッシュルームを収穫できた時の喜びも大きいので、ある程度慣れてきたら挑戦してみませんか?
原木栽培でおすすめのきのこ栽培キット
この原木栽培は、次の3つのタイプがきのこ栽培キットとして販売されています。
①室内でも栽培できるように短い原木を使ったもの
②短い原木をプランターで土に埋めて育てるもの
③普通の原木に種駒を打ち込んだもの
本来の原木は長さがだいたい90cmくらいあるので、水やりも考えると室内で栽培はできません。
これを30cmくらいまで短くして、水受皿も付けて室内でも育てられるようにしたきのこ栽培キットがあります。
次に、短い原木をプランターに入れて土で埋めてしまう。あとは水やりをしつつ、直射日光を避けていれば土からきのこが出てくるタイプも販売されています。
最後に普通の原木(90cmほどの)に、種駒を打ち込んであるタイプですね。こちらは大型で原木の様々なところからきのこが発生するので、スペースは必要ですがたくさん収穫することが可能です。
カネコ種苗 原木しいたけ栽培セット なるきのこDX
原木栽培を室内で楽しみたいなら、カネコ種苗が販売している「なるきのこDX」もおすすめです。
約30cmの小さい原木に水受皿も付いているので、室内でも原木栽培ができますよ!
育て方は外箱の中に付属のポリ袋を広げ、その中に原木と水をたっぷりと入れます。ポリ袋の口を縛って、そのまま12~24時間ほど放置して吸水。あとは水を捨てて、乾燥しないように霧吹きで水を与えるだけです。
だいたい3~10日で発芽し、約2週間ほどで収穫できるとのこと。収穫スピードは、菌床栽培とあまり変わりませんね。
森産業株式会社 原木椎茸栽培キット
本格的にしいたけを原木栽培したいなら、「新シイタケの成る木」を使いましょう。
大きな原木に、しいたけの種駒を打ち込んであるタイプ。届いたら、水に12~24時間ほど浸けて吸水させてください。
あとは、暗い所か遮光ネットを被せて置いておけば発芽します。あとは朝に1日1回水をかけて乾燥を防ぎ、発芽したら原木を立てておきましょう。そうすれば、原木の様々なところから大きなしいたけが出てきます。
なお、森のきのこ倶楽部となっていますが、これはブランド名でメーカーは森産業株式会社です。
森産業株式会社 白まいたけの成る木
プランターや畑で、白まいたけを栽培できるキットです。用意するものはプランター・赤玉土(中粒で20Lほど)・スコップ・じょうろ。
白まいたけの菌を植え付けた小さい原木が入っているので、これをプランターや畑に植えることで白まいたけが生えてきます。
植え方は、まずプランターに赤玉土を2cmほど敷き詰めたら、その上に原木を並べておく。あとは原木の上が1~2cm隠れるまで赤玉土で埋めてから、じょうろで水をたっぷりとあげます。
あとは日陰で育てるか、遮光ネットを掛けておきましょう。
白まいたけの発生は秋だけ(9月下旬~11月末)なので、年1回その時期になると白まいたけが発生します。
なお、1個だけでなく複数埋めると原木同士が菌糸で繋がって発生する確率を上げることができますよ。
森産業株式会社 なめこの成る木
プランターや畑で育てるきのこ栽培キットには、なめこもあります。
先ほどの白まいたけと同じく、プランターと赤玉土を用意。栽培方法も同様で、プランターや畑に埋めて水をかけるだけですね。
プランターは雨の当たる場所に置くか、屋内で育てるなら土が乾いたら水をあげてください。
9月末~11月頃になると、なめこが発生し収穫することが可能です。
なお、畑に植える際に直射日光が当たる場所だとなめこが成長しにくいので、日陰になる場所に植えてくださいね。
森産業株式会社 ひらたけの成る木
同じくプランターや畑で、栽培できるひらたけ。育て方は、白まいたけ・なめこと同様になります。プランターや赤玉土は付属していないので、購入時に別途用意しておきましょう。
使用されているひらたけは、ヒラタケ39号という品種です。これは、7~18度で発生するタイプで、菌が強いため作りやすいという特徴があります。
収穫は9月から10月頃に気温が20度以下になると発芽し、その年内一杯は収穫できますよ!
きのこ栽培キットの注意点
最後に、きのこ栽培キットの注意点をまとめました。この注意点を守らなかったばかりに、育たなかったり犯罪になってしまったりするケースがあるので必ず守ってくださいね。
フリマアプリなどで買わない。必ず正規の業者から買おう!
きのこ栽培キットはフリマアプリなどでも販売されていますが、必ず正規のショップから購入しましょう。
なぜかというと、フリマアプリなどで販売されているきのこ栽培キットは品質に問題がある可能性が高いからです。
きのこも生き物ですので、出荷された時点ですでに成長が始まっています。だから、届いたらすぐに霧吹きで湿らせるなどお世話をしなければいけません。
フリマアプリなどで販売されているものは、そういったお世話をせずにしばらく放置されている可能性が高いです。
ですから、届いた時点で乾燥が進んでいてダメになっているケースも。
Amazonや楽天などで購入する場合も、販売ショップが商品を販売している企業と同じか確認してから購入しましょう。
きのこ栽培キットを海外に送ると犯罪になってしまうので気をつけよう
海外に住んでいる家族や友人に、面白いのできのこ栽培キットをプレゼントしたい!という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、きのこ栽培キットは海外への持ち出しが法律によって禁止されているので、絶対に海外に送らないようにしてください。
この法律は、種苗法改正によって令和3年4月1日に施行されました。
違反してしまうと、個人なら10年以下の懲役・1000万円以下の罰金。法人は3億円以下の罰金と、結構な重い犯罪となってしまいます。
この法律は国内で苦労して開発された植物が、海外に無断で持ち出されてしまうのを防ぐため。
きのこ栽培キットも海外に持ち出し禁止となっているものが多いので、お気を付けください。
まとめ
きのこ栽培キットを、複数の種類ご紹介しました。
一般的には菌床栽培の方だけが、きのこ栽培キットと思われているでしょう。
しかし、近年では原木栽培できるきのこ栽培キットも、販売されるようになっています。
しいたけだけでなく、なめこやぶなしめじ、マッシュルームなど多くのきのこを栽培することができます。
手軽に栽培できるだけでなく、きのこの種類によってはスーパーで販売している物より大きいので面白いだけでなく美味しく食べれますよ!