【騙されない!】スマートウォッチで血圧測定はデタラメ?仕組みを分かりやすく解説!

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町草
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実は血圧も測定できると表記しているスマートウォッチの大半はデタラメです。

もしあるスマートウォッチを購入しようとして、それが「血圧も測定できること」が決め手だったらちょっと待ってください!

実はスマートウォッチ単体で血圧測定は技術的に難しく、デタラメの可能性があります。

管理人はライターとして調理器具から家電、ガジェットまで様々な記事を書いてきた関係で、スマートウォッチにもかなり詳しくなりました。

この記事を読めば、血圧計の仕組みとなぜスマートウォッチで血圧測定ができないのかはっきり分かります。そして、騙されることなく、自身に合ったスマートウォッチや血圧計を選べるようになります。

スマートウォッチの購入をお考えなら、騙されないためにもこの記事を読んでください。

令和でもスマートウォッチ単体で血圧の測定は不可

現在(2023年7月上旬)でも、スマートウォッチ単体で血圧を測定することはできません。高機能なスマートウォッチとして有名な、Apple Watchの最上位モデルでも血圧測定の機能はなし。

これは、下記で述べるように、スマートウォッチだけで血圧を測定することは難しいからです。

血圧計の仕組みを知ればなぜ不可かすぐ分かる

なぜスマートウォッチ単体で血圧を測定することが難しいのかは、血圧計の仕組みを知ればすぐに分かります。現在の血圧計では、オシロメトリック法という手法で血圧を測定しています。

血圧計の仕組み(オシロメトリック法)

オシロメトリック法を活用した血圧の測定の仕組みは、以下のようになっています。

  1. 空気で膨らむカフを上腕か手首に装着する
  2. カフを膨らませ血管を圧迫し、血液の流れを一時的に止める
  3. カフの空気を徐々に抜き圧迫を緩める
  4. 血液が再び流れ出すと、脈波(血管壁に生じた振動)が発生するので測定する
  5. 脈波は、ある時点で最高になるとそこから徐々に小さくなっていき変化しなくなる

つまり、血圧計はカフで圧迫し血液の流れを止めた後で緩め、血液が流れ出した後に出る「脈波」を測定しています。

  • 脈波が最高のところ=最高血圧
  • 脈波が変化しなくなるところ=最低血圧

血圧は最高血圧と最低血圧がありますが、これは上記のようにある地点で測定された脈波です。

家庭用の血圧計は、全てオシロメトリック法を活用しています。オシロメトリック法で血圧を測定するには、まず上腕か手首を圧迫して血流を一時的に止めないといけません。

圧迫はカフで行いますが、スマートウォッチにカフの搭載は難しいためオシロメトリック法による血圧の測定は困難です。

カフは幅が必要になる上に、膨らませる・縮ませるための仕組みも必要になります。すべて搭載すると、非常に大きくゴツゴツしたスマートウォッチが出来上がるでしょう。

スマートウォッチは単なる時計ではなく、歩数計・脈拍計・睡眠計などの機能があり、ずっと付けて計測していくものです。大きくゴツゴツしたら付け続けるのが困難になりますので、それだけで大きなデメリットですね。

2023年の現在でもカフなしで測定できる技術はないため、スマートウォッチ単体で血圧を測定することはできません。

血圧を測定するには、オシロメトリック法以外にもコロトコフ法(聴診法)があります。こちらもカフで圧迫して血流を止めるまでは同じです。

違うのは血流が再開した時に発生する脈波を、聴診器やマイクロフォンなどで聞き取り血圧を判定する点になります。コロトコフ法も残念ながらカフが必要になりますので、スマートウォッチに搭載するのは困難です。

血圧の測定も可能という激安スマートウォッチの真実

Amazonや楽天などでスマートウォッチを探してみると、2000~3000円前後の激安スマートウォッチで血圧も測定可能というものが複数見つかります。

これらの激安スマートウォッチは、カフは搭載されておらず実際には血圧を測定することはできません。なので、数千円と安いスマートウォッチで血圧測定が可能と書かれていたら買わないでください。

この激安スマートウォッチを調べてたところ、さいちょうさんというYouTuberの方が詳しくレビューしている動画を発見しました。

上記の動画は、HIDISCというメーカーが出している激安スマートウォッチのレビュー動画。メインの話はXiaomiの「Smart Band 5」のパクリではないかという話です。

Smart Band 5にはありませんが、HIDISCの方では血圧の測定が可能となっています。動画中で検証したところ、ゴム製のブロックに巻いたら心拍数・血圧・血中酸素濃度が測定できてしまったとのこと。

しっかり数値が出ていましたが、ゴム製のブロックは生き物ではありませんので、どう考えてもデタラメですね……。詳しくは動画中の10:32から始まる検証パートをご覧ください。

そもそも、このスマートウォッチは血圧を測るために必要なカフが搭載されていません。このメーカーだけでなく、他にも実際には無理なのに血圧測定ができると書いている激安スマートウォッチはたくさんありますので、気を付けましょう。

センサーだけで血圧を測定する技術はない

血圧も測定可能と主張しているスマートウォッチの中には、センサーで血圧を読み取っていると書いてあるものがあります。

血圧を測定する方法は、先ほど書いた「オシロメトリック法」か「コロトコフ法」のどちらかしかありません。そのため、カフで圧迫して血流を一旦止める必要があり、センサーのみで血圧を測定は現時点で不可能です。

スマートウォッチの裏側からは、緑色の光が照射されていますよね。メーカーによっては、この光が血圧を測定するセンサーだと書いているところもあります。

この緑色の光は血圧ではなく、心拍数の測定に使われるもの。この緑色の光を使った心拍数の測定方法を、「光電式容積脈波記録法」と言います。

簡単に説明すると、手首の血管に緑色の光を照射し、反射してきた光の量をセンサーで読み取ることで心拍数を測定する方法です。

血圧も測定できると誤解させるウェブサイトに注意

「スマートウォッチ 血圧」といったキーワードでGoogle検索してみると、このスマートウォッチなら血圧も測れますよと紹介しているサイトがたくさん出てきます。

そこで紹介されているのは、例えばApple WatchやFitbit、Garminといった有名なスマートウォッチ。しかし、管理人がチェックしてみたところ、どのメーカーも血圧計は搭載されていません。そもそも、カフが無いので当然ですね。

じゃあ、なぜ血圧が測れないのに出来ると紹介しているの?

恐らくですが、スマートウォッチにあまり詳しくない方が書いたのだと思います。「スマートウォッチ 血圧」で検索すると間違いなものの沢山スマートウォッチが出てくるので、鵜呑みにしてそのまま書いてしまったのではないでしょうか。

結構多いのでサイトで血圧も測定できると書かれていても、本当に機能が付いているか買う前にチェックしてください。

血圧を手軽に測定できるおすすめのガジェット

もし出先で血圧を手軽に測りたいなら、どのようなガジェットを使えば良いでしょうか。個人的には、以下の2つをおすすめします。

  1. スマートウォッチ+手首式の血圧計
  2. ウェアラブル血圧計

それぞれ解説していきます。

「スマートウォッチ+手首式の血圧計」1万円で揃うコスパの良さが魅力

スマートウォッチで心拍数や歩数、睡眠の状態、ストレスなどを測定しながら、血圧は手首式の血圧計を使用する方法です。この組み合わせが最もおすすめで、その理由は「精度がそこそこ良く1万円で両方とも揃うコスパの良さ」になります。

スマートウォッチ、手首式の血圧計はたくさんありますが、次の2つを買えば間違いありません。

2023年7月6日のAmazonでの価格ですが、以下のようになっています。

  • Xiaomi Smart Band 7 = 4609円
  • シチズン 手首式血圧計 = 4480円
  • 合計 = 9089円

低価格スマートウォッチで最も人気があるのは、Xiaomi(シャオミ)のSmart Band 7です。管理人も愛用していますが、歩数計・心拍数・血中酸素レベル・睡眠計などの精度がかなり高め。それに、1回充電すれば14日も持つので、いちいち充電のために外す必要がなく快適です。

シチズンの手首式血圧計も普段から活用していますが、以下のようにメリットがありとても便利で助かっています。

  • 画面がかなり大きく数字も大きいので見やすい
  • 脈が不規則な場合はマークでお知らせしてくれる
  • 測定中に手を動かすと血圧が不正確になるが、それもマークでお知らせしてくれる
  • ボタンが少ないので、祖母に渡したらすぐ覚えてくれた
  • 60回分の測定値を記憶できる

スマートウォッチは腕に装着するとして、手首式血圧計は小さいのでカバンに入れて持ち運びできます。もし血圧が心配ならこの組み合わせで、心拍数や血中酸素レベル、睡眠の質なども含めて調べてみませんか?

より精度よく血圧を測定したいなら上腕式がおすすめ

出先で使用するなら手首式が装着も簡単+持ち運びやすいのでおすすめですが、自宅で使うなら上腕式の血圧計がおすすめです。

手首と上腕どちらが精度良く血圧が測れるかというと、上腕の方になります。これは、手首は圧迫が難しく、動かしてしまいやすいのでどうしても測定値がばらつくため。

とはいえ、出先だといちいち上腕に付けるのが大変ですし人の目もありますので、上腕式・手首式のメリットを踏まえて使い分けましょう。

おすすめしないがウェアラブル血圧計というものがある

実はスマートウォッチにカフを付けた、ウェアラブル血圧計というものがあります。このウェアラブル血圧計は、現在ではHUAWEI(ファーウェイ)とオムロンから出ています。

ただ、正直に言えば以下の理由からおすすめはせず、上で紹介したSmart Band 7+手首式か上腕式の血圧計の方が満足度が高くなります。

ウェアラブル血圧計をおすすめしない理由

  1. 最低でも5万円台からと価格がかなり高い
  2. 販売しているメーカーが少なく現在(2023年7月)では2つしかない
  3. 測定するためにカフを使うので手間がある
  4. スマートウォッチの機能は普通
  5. カフ搭載のためバンドの幅が広く着け心地が微妙(特に夏場)
  6. 電池の持ちが悪く、1回の充電で最長でも1週間しか持たない

現在販売しているウェアラブル血圧計は、以下の2つです。

どちらも手首に装着し、内蔵されたカフ(エアバッグ)が膨らみ圧迫して血圧を測定できます。もし買うならどちらが良いかは、個人的にはHUAWEIをおすすめします。その理由は、以下のことからです。

  • HUAWEIはフル充電で7日持つが、オムロンは2日しか持たない
  • オムロンは10万円近いが、HUAWEIは5万円台で買える
  • スマートウォッチの機能やアプリはHUAWEIの方が上

オムロンは医療機具メーカーですので血圧計の機能はしっかりしています。ただ、スマートウォッチとしてはかなり評判が悪く、特に充電が2日しか持たないことがネックになっています。

それに対してHUAWEIは、多数のスマートウォッチを出しておりどれも高評価。そのため、スマートウォッチとしての機能はしっかりしており、電池も1回充電で1週間持つと使いやすさが考えられています。

もしウェアラブル血圧計を買うなら、価格も安いのでHUAWEIがおすすめです。

まとめ

本文で何度も書いたように、スマートウォッチ単体で血圧を測定することはできません。これは血圧の測定はオシロメトリック法というものを使い、カフで上腕や手首を圧迫し血流を一時的に止める必要があるからです。

バンドの締め付けでは圧迫が足りないため、カフを別に搭載する必要があります。ところが、血圧も測定できると説明している激安スマートウォッチは、このカフがないのでどう考えてもデタラメですね……。

もしセンサーで血流を読み取り血圧を推定するとしても技術的に難しく、精度が大幅に悪いので使いものになりません。そのため、激安スマートウォッチの中でも信頼できるXiaomi Smart Band 7と、手首式か上腕式の血圧計を組み合わせるのがベスト。

これなら精度良く血圧・歩数・心拍数・血中酸素レベルなど一通り測定でき、健康維持に役立てることができますよ!

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