肉体労働者ではなくデスクワークなのに、夕方になるとぐったりする。休日は1日中ソファで横になっているけど、疲れが全然取れない。
そんな方にぜひ読んで欲しいのが、「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方という本です。
著者の川野泰周さんは、精神科医で禅僧でもあるという変わったご職業。普段はお寺で座禅を組み、週に2~3日は病院で診察しているそうです。
この本を短い言葉で説明するなら「疲れが取れないのは、肉体の疲れではなく脳疲労が原因。そして脳疲労は、マインドフルネスでリフレッシュできるよ!」となります。
この記事を書いている町草は、ライターとして朝からパソコンに向かってずっと記事を書いています。
合間にストレッチや散歩するぐらいしか動かないのに、なぜか夕方になると異様に疲れてぐったり…。
ところが、本書を読んで書かれていることを実践していったところ、夕方になっても疲れを感じなくなりました。
「「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方」はこんな方におすすめ!
- デスクワークであまり動かないのに、夕方にはぐったりと疲れて何もする気が起きない
- 集中力が続かない・やる気も起きない
- 眠りが浅く日中も眠気が強い
- マインドフルネスをやってみたけど、よく分からなかった
「「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方」を簡潔に説明すると
前半:なぜマルチタスクで脳疲労が起きるのか?マインドフルネスがなぜ効果あるのか?を医学的に解説する理論編
後半:日常的にできるマインドフルネスの方法と睡眠の質を高める方法を紹介する実践編
タイトルにあるように、精神科医で禅僧でもある川野泰周先生が心と身体を休める正しい方法を教えてくれる本です。
ただし、ここで言う心とは、悩みをどう解決したら良いか?などではなく、脳疲労のことを指します。
脳疲労とは文字通り脳が疲れることで、具体的には脳で炎症が起きて自律神経が正常に働かなくなり様々な不調を引き起こします。
川野先生は、脳疲労はネガティブな感情とマルチタスクが原因になると言います。
このうちマルチタスクは、例えば悩みや考え事が頭から離れず考えながら作業しているといったことも含みます。
つまり、1日中ソファに横になって休憩しているつもりでも、ずっと何か考えていると脳が休まずに疲労してしまい疲れが取れません。
どうすれば良いのか?
川野先生は、脳疲労を回復させる一番よい方法として「マインドフルネス」を提案します。
マインドフルネスは、マルチタスクを強制的にシングルタスクにすることができるからです。さらに、繰り返し練習することで、シングルタスクが習慣になる嬉しい効果もあります。
「「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方」を読んだ感想
主に前半の理論編に対する感想を、こちらにまとめました。後半の実践編は、「「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方」を読み実際に体験してみてください。
マルチタスクが脳疲労に繋がる理由に納得!
著者の川野さんは、疲れには「体の疲れ」と「脳の疲れ」の2種類があると言います。
そして、脳の疲れは、「ネガティブな感情」と「マルチタスクを行うこと」から起きると続きます。
そこまで読んで思ったのは、「ネガティブな感情は何となく分かるけど、マルチタスクもそうなの?」でした。
しかし、心理学的な説明を読んで納得。
マルチタスクが脳疲労の原因となるのは、以下の2つのことからです
①注意資源を余計に使用してしまう
②デフォルト・モード・ネットワークを活性化してしまう
注意資源とは、注意力(何かに集中する)といった行為は限界があるという心理学の考えです。
経験からも理解できる考えで、何かにずっと集中していると段々と疲れて(注意資源を使い切って)集中できなくなりますよね。
マルチタスクは一度に色々なものに注意資源を使ってしまうために、より早く使い果たしてしまいます。
デフォルト・モード・ネットワークとは脳のアイドリングと言われ、何かあったら即座に反応できるように活動している脳のネットワークです。
もし活動していないと反応できなくなるので、必要な機能ではあります。しかし、必要以上に活性化してしまうと、脳のエネルギーの6割から8割も使用してしまう困った点が…。
マルチタスクを行うとデフォルト・モード・ネットワークを活性化してしまうので、脳の疲労を余計に増やしてしまいます。
管理人はうつ病だった時期がありますが、デフォルト・モード・ネットワークの解説を読んでハッとしました。
うつ病の時は、ネガティブな思考や過去の辛い出来事の記憶がずっとリピートしていました。そうすると、1日中ほとんど動かないのに異様に疲れて何もする気がしません。
「原因はネガティブな思考や辛い記憶をずっとリピートして、デフォルト・モード・ネットワークを活性化したことだったんだ!」と目から鱗が落ちる思いでした。
マインドフルネスは強制的にシングルタスクにする練習!?
マルチタスクが脳疲労に繋がる理由に納得したところで、じゃあシングルタスクにする方法は?と疑問が浮かびます。
川野先生は、マルチタスクをシングルタスクにする方法はマインドフルネスだと言います。
マインドフルネスとは、色々な本の説明を見ると「今ここで起きていることを判断せずにあるがまま受け入れること」とされています。
しかし、川野先生はシンプルに「マインドフルネスはマルチタスクを強制的にシングルタスクにして習慣にする方法」とします。
どういう事か?
例えば、マインドフルネスを身に付けるために呼吸瞑想を行いますよね。
呼吸瞑想は、呼吸をコントロールしようとせずにただ観察していく瞑想法です。観察しているうちに関係ない事を考え出すので、雑念と頭の中で3回唱えてまた呼吸の観察に戻ります。
つまり、呼吸を観察するというシングルタスクを行っていて、関係ないことを考え出したら(=マルチタスク)気づいてシングルタスクに戻すということをやっています。
何度も繰り返して習熟すると、マルチタスク(関係ないことを考える)になった途端にすぐ気づき、シングルタスクにあっさり戻せるようになります。
また、この呼吸瞑想のテクニックは、日常生活でも応用が可能です。
呼吸を今やっていること(仕事や勉強など)に置き換え、マルチタスクになりそうになったら気づいてすぐシングルタスクに戻す!
後は繰り返し練習していけば、習慣となります。
ところで、管理人はマインドフルネスをやっていますが、誰かにおすすめする時に説明しにくいという問題がありました。
だってマインドフルネスでよくある説明の「今起きていることを判断せずにただ受け止める」といっても、聞いた相手からすれば「え、どういうことなの?」となります。
だから、どんな効果があるのか伝えてとにかくやってみてよ!としか言えません。でも、これだと興味を持ってくれることはほぼ無いです。
しかし、今回の本を読んで、マルチタスクが脳疲労に繋がることを伝えて、「マインドフルネスはマルチタスクを強制的にシングルタスクにするんだよ」と言えば、ほとんどの人が興味を持ってくれます。
マインドフルネスをどう説明したら良いのか分かっただけでも、「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方を読んでよかったと思います。
マインドフルネスに興味を持ったら
もしマインドフルネスに興味を持ち実際に行ってみたいなら、下記の記事をご覧ください。いつでも気軽にできて、簡単なマインドフルネスをご紹介しています。
まとめ
うつ病になったのをきっかけにマインドフルネスは何年もやってきましたが、医学的になぜうつ病などに効果があるのかよく分かりませんでした。
その疑問を解消してくれたのが、「「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方」です。
管理人もうつ病だったのでよく分かりますが、うつ病の時はネガティブな思考や過去にあった辛い出来事などが頭の中で延々と回っています。
この行為がデフォルト・モード・ネットワークを活性化したために、ほとんど何もしていないのにあそこまでぐったりと疲れたんですね…。
うつ病まで行かなくても、同じように色々な思考や記憶が作業中も頭から離れず夕方にはぐったりと疲れる方もいらっしゃると思います。
もしそうなら、本書を読んで書かれているマインドフルネスを1か月ほど実践してみてください。ちなみに、書かれている方法はどれも簡単にできることですよ!