経験者が教えるヴィパッサナー瞑想のコツ|初心者からの脱却しよう

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マインドフルネス

管理人はヴィパッサナー瞑想と出会ってから、かれこれ10年以上も実践してます。

以前に書いたヴィパッサナー瞑想の記事の読者から、メールで挑戦してみたと連絡を貰いとても嬉しく思いました。しかし、集中系のサマタ瞑想とは違うこともあり、皆さん戸惑うらしく色々と質問が来ています。

そこで、今回は初心者から中級者に脱却するためのコツを、自身の経験から書いてみます。ヴィパッサナー瞑想をやったけどよく分からなかったという方は、とても役立つ内容になっているのでぜひ読んでみてくださいね!

ヴィパッサナー瞑想を正しく行うための10個のコツ

ヴィパッサナー瞑想を正しく行うために、自身の経験から導き出した10個のコツをご紹介します。どれも知っておかないと、ヴィパッサナー瞑想にならないかおかしなところに行ってしまう重要なことです。

コツ①:実況中継は必ず行動の後にやろう

 

日本でヴィパッサナー瞑想と言えば、ゆっくりと歩き声に出さず心の中で実況中継していくマハーシ式(ミャンマーのマハーシ・サヤドーさんが提唱したやり方)が人気ですね。

マハーシ式は日本だと例えば、アルボムッレ・スマナサーラ長老や地橋秀雄さんが教えています。この瞑想法の正しいやり方は、歩く瞑想なら足の動きを感じてからそれに応じた言葉を頭の中で呟きます。

例:右足を上げる→(右足上げる)→右足を前に動かす→(運びます)→右足を着地させる→(降ろします) ※カッコ内は実況中継で声に出さず心の中での呟き

あなたがアナウンサーとして野球の実況をやることになって、投手が投げようと構えた瞬間に「投げました!」と言ったらどうでしょうか?「まだ投げてないよ!」と、周囲から突っ込まれるでしょう。

正しくは投手がボールを投げてから、「投げました!」と言ってその後に起きたことを言えばOKです。ヴィパッサナー瞑想も同様で、起きたことを確認(歩く・呼吸・考えたなどを)してから実況中継します。

コツ②:実況中継をなぜやるのか理解しておこう

マハーシ式では、実況中継をなぜやるのでしょうか。それは、以下の効果があるからです。

  • 対象(呼吸や動きなど)に集中しやすくなる
  • ひたすら実況中継することで余計なことを考えなくなる
  • 気づく力が強制的に付いてくる

ヴィパッサナー瞑想は観察する瞑想ですが、一つのものをずっと観察し続けるのは困難です。しかし、実況中継をすることで強制的に意識が観察対象に向くので、瞑想を行いやすくなります。

そうやって観察し続けることで、だんだんと気づく力が付いてきます。これは、何か考えたり思い出したりしてもすぐ気づき、今ここに戻る力ですね。思考が過去や未来に飛んでいるのを、気づくことで今に戻すことができます。

ちなみに、ヴィパッサナー瞑想において一番大切なことは、今起きていることを観察することです。歩く瞑想なら、足が動く感覚や床に足が触れる感覚などですね。だから、そういった感覚をしっかりと感じでください。

たまに、感覚を感じることよりも、実況中継の方が重要だと勘違いする方がいます。それは言葉を心の中で呟いているだけで、ヴィパッサナー瞑想ではありません。

コツ③:実況中継の時はできるだけ妄想や雑念という言葉を使わない

実況中継の時は、妄想や雑念と言う言葉をできるだけ使わないようにしましょう。これは、実際にヴィパッサナー瞑想を実践していて、強く思ったことです。なぜそうなのかは、以下の理由になります。

  • なんでも妄想や雑念で済ませてしまい起きていることをよく観察できない
  • 呼吸と同じ生理現象である思考や心を悪いものと思ってしまう

実況中継のときは、起きたことを観察してそれに合った言葉を呟きます。ところが、便利さからなんでも妄想や雑念で済ませがちになってしまうので、よく観察できなくなります。何か思い出したら「思い出した」「記憶」。何か考えたら「考えた」「思考」など、それが何なのかよく観察して対応した言葉を呟きましょう。

管理人はある時にヴィパッサナー瞑想を行うと、不快感や嫌悪感を感じることに気づきました。最初はなぜ感じるか分からなかったのですが、しばらくやっているとその不快感や嫌悪感は思考や心に向かっていることが分かりました。

つまり、ヴィパッサナー瞑想をする上で、思考や心が邪魔しているように思ってしまったから不快感や嫌悪感を感じるようになったんですね。

原因は、妄想や雑念という言葉にありました。この2つは悪いものだというニュアンスがありますから、妄想や雑念と呟いていくうちにいつの間にか思考や心を敵視してしまっていました。

でも、生きている人間なら、呼吸と同じように思考や心は必ずある生理現象です。思考や心がないなら、既に死んでますね。そう思うことで、思考や心に対する不快感や嫌悪感を克服することができました。

コツ④:初心者はまず歩く・立つ瞑想から始めよう

ヴィパッサナー瞑想を初めてやる人はいきなり座る瞑想に挑戦せずに、まず歩く・立つ瞑想だけを行ってください。

じっと座るのはなかなか大変で、正直に言って歩く・立つ瞑想よりも難しいです。また、集中力が必要になりますが、初心者のうちはまだまだなので歩く・立つ瞑想で鍛えてから挑戦しましょう。

どのくらいから座る瞑想に挑戦すればいいのかは、歩く瞑想を1時間ほどできるようになったらです。そのくらいできるようになれば、座る瞑想も問題なくできるでしょう。

ちなみに、私はここ2年ほど朝起きてから、歩く瞑想を1時間ほど毎日行っています。歩く瞑想を行うと眠気も吹き飛び落ち着いて活力がみなぎるので、日々何となく集中できないと思っている方はぜひやってみてください。

コツ⑤:集中できない時は観察対象を減らそう

時にはヴィパッサナー瞑想を行っても、集中できない時もあるでしょう。今日は無理だとやめてしまわずに、集中力がない時は観察対象を減らして瞑想してみてください。

例えば歩く瞑想だと観察対象は、①足を上げる②足を運ぶ③足を下すの3つですね。これを、①右足②左足のように対象を2つに減らしてヴィパッサナー瞑想を行います。観察対象を減らした状態で行い、段々と集中力が出てきたら3つに増やす。

さらにかなり集中できるようなら、着地をかかと・足の前側に分けて4つなどにしてもOKです。このように、その時その時の集中力の有無に合わせて観察対象を増減しながらやっていきましょう。

コツ⑥:慣れてきたら普通の速度で歩く瞑想をしてみる

 

歩く瞑想に慣れてきたら、普通の速度でも行ってみましょう。こう言うと、困惑する方もいらっしゃると思います。マハーシ式のヴィパッサナー瞑想では、とにかくゆっくり動くように指示されるからです。

しかし、ヴィパッサナー瞑想も色々なやり方があり、普通の速度で動く瞑想もあるんですよ。例えばタイのスカトー寺では、手動瞑想という手を動かすヴィパッサナー瞑想が行われています。

この手動瞑想は、手をゆっくりではなく通常の速度で動かします。また、歩く瞑想も行うのですが、こちらもゆっくりではなく通常の速度です。

なぜ通常の速度で行うのかは、日常生活でも行いやすくするため。日常生活で、もしゆっくりと動いていたら怒られるでしょう?ですからヴィパッサナー瞑想でも、日常生活に取り入れられるように通常の動きでも行うべきです。

コツ⑦:何度も考えてしまう・浮かんでしまうならそれを観察対象に

第三者視点

ヴィパッサナー瞑想によくあるのが、何かを考えてしまったり記憶が浮かんできてしまったりすること。そういう時は「考えている」「思考」など実況中継して、観察対象に戻ります。

ところが、観察対象に戻った後も、何度も考えたり浮かんできたりするケースがありますね。そういう時は、その何度も出てくることを観察対象にしましょう。

例えば、この間に失敗して上司に怒られた記憶が何度も浮かんでくるとします。そういう時は、「思い出している・思い出している・思い出している…」と実況中継をずっと続けていきます。なお、歩く瞑想の最中は、一旦止まって行います。

もし、不快感や怒りを感じたら、それも「不快感」「怒り」と実況中継してください。

そうやって思い出したことをずっと観察していると、自然に消えて行きます。そうなったら、歩く瞑想なら足の動き、座る瞑想なら呼吸と観察対象へ戻ってください。

もし、また思い出すなら、何度でもいいので自然に消えるまで観察していきましょう。ヴィパッサナー瞑想は起きていることを観察していく瞑想なので、ちゃんとした修行になります。

コツ⑧:強い感情を受けとめるコツは体の感覚を感じること

怒り

記憶は何が浮かんでくるのか分かりませんが、場合によっては激しい怒りを呼び覚ますような記憶が出てくるケースもあります。

ヴィパッサナー瞑想中に、そういった激しい感情が生まれてしまったら何とか抑えるのではなく観察していきます。でも、激しい感情を冷静に観察していくのは、本当に難しいですよね…。管理人もヴィパッサナー瞑想中に、激しい感情に襲われて観察できず一旦中止にしてしまったことが何度かあります。

このような激しい感情を受けとめるコツは、実況中継するだけでなく体の感覚を感じる事です。例えば怒りを感じたら「怒りが生まれている・怒りが生まれている・怒り生まれている…」と実況中継しつつ、深呼吸し呼吸の感覚を感じてください。

そうやって、後は怒りが自然に消えるまで実況中継していきます。失敗しても自分を責めないで、また起きたときに挑戦しましょう。

激しい感情を受け止められれば、後は何でもない感情は簡単に受け止められるようになるでしょう。ですから、何度でも挑戦する価値のあることです!

コツ⑨:よく言われる瞑想で無になれるは違う

瞑想は無になれると、よく言われているようです。つまり、雑念や妄想がまったく無くなる訳ですね。ですが、実際は違うどころか無を目指して瞑想すると、間違った方向へ行って上手くできません。

ヴィパッサナー瞑想は、無になるのではなく考えたり浮かんできたりしたことを反応せずに観察することを目指します。反応せずにですよ!抑圧するとか無かったことにするではありません。

というのも、先ほど書きましたが、何か考える・思い出すのは呼吸と同じ生理現象なのでそれらを無くすのは無理です。

瞑想=無になるという勘違いから、雑念が出る→失敗だ!と考えて瞑想なんて出来ないと言い出す人もいるようです。そうではなく、考えたり浮かんだりしてもOKで後は反応せずに観察していきましょう。

なお、集中系のサマタ瞑想では、極端な集中状態に入る(禅定と呼ばれる状態)と雑念はほぼ無くなり苦しみも感じなくなります。ただし、一度入ればずっと続く訳ではなく、しばらくすると通常の雑念があり苦しみもある状態に戻ります。

コツ⑩:ヴィパッサナー瞑想を日常生活に活かそう!

ヴィパッサナー瞑想にある程度は慣れてきたら、日常生活にどんどん活かしていきましょうそうすることで、1日中おだやかでストレスを溜め込まない生活を送れるようになりますよ!

日常生活に活かすには、以下の事を心掛けて生活しましょう。

  • 実況中継を日常でも行ってみる。ただし、ゆっくり動かず普通に動きながら行う。
  • 気づく力を育てて、心が過去や未来に飛んでしまったら優しく今ここに戻すを繰り返す。
  • 今やっていることに丁寧に気づきを向ける。例:布団を畳むなら触れた時の感覚や手の動きなどをしっかり感じる。
  • 怒りや不快感、嫌悪感などを感じたら、反応せずに自然に消えるまで味わってみる。例:怒りを感じたら反応して怒鳴ったり物に当たったりせずに、呼吸や手の動きなどを感じながら怒りをじっくりと消えるまで感じていく。

もちろん、作業内容によっては実況中継が適していない時もあるので、無理にはやらないでくださいね。

ヴィパッサナー瞑想を学ぶには

ヴィパッサナー瞑想を学ぶなら、以下の記事をご覧ください。詳細に解説しているので、参考になりますよ!

ヴィパッサナー瞑想のやり方を学んでネガティブな思考や記憶から自由になろう

【自分に合った方法が分かる!】7つのマインドフルネス瞑想のやり方まとめ

マインドフルネスとは何か?初心者にも分かりやすく経験者が解説します

まとめ

ヴィパッサナー瞑想を正しく行うための、コツをまとめてみました。これらのコツは、自身で長年ヴィパッサナー瞑想を行って来て感じたことです。

観察する瞑想ということで、私もそうですが最初は戸惑う方がほとんど。しかし、ヴィパッサナー瞑想は、反応せずにただ観察していくだけなのでやり方さえ覚えればどこでもできる簡単な瞑想です。

10年以上も行ってきましたが、精神的に落ち着き・ごちゃごちゃ考えず頭がすっきりする・集中できるようになったなど効果をとても実感しています。

近年では新型コロナウイルスにより何かとストレスが溜まりやすい環境ですから、ぜひヴィパッサナー瞑想に挑戦してみてくださいね!

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