この記事を書いている人は、両耳とも感音性難聴で聴力は100dBの聴覚障害者です。
耳が聞こえないと、日常生活を送る上で思いもしない困難がありますね。そのひとつが、体温計です。
今は新型コロナウイルスが流行しているのもあり、どこでも体温を測ることが求められています。ところが、聴覚障害者だとブザー音が聞こえないため、計測が終了したのか分かりません。
しかし、現在では聴覚障害者でも使用できる体温計が登場しているので安心してくださいね!
体温計の計測終了が分からないので数値が不正確になる
聞こえなくなると体温計のブザー音が聞こえないので、終了が分からないという地味に不便な問題があります。
ここで言う体温計は、脇下に挟むタイプです。脇下に挟むタイプは数値の正確さが最大のメリットですが、終了が分からないので何度も取り出して確認することで数値が不正確になってしまいます。
非接触型でおでこに1秒ほどかざすだけの、赤外線体温計を使えばいいという方もいます。ですが、赤外線体温計は脇下に挟むタイプと比べると、数値がまだまだ不正確。正確に測るなら、脇下に挟むタイプがベストです。
音に反応して光る機器を補助で使う手もありますが、さすがに体温を測るたびにいちいち設置するのは大変でしょう。
このように意外と手段がなく困っていたのですが、シチズンより聴覚障害者に対応した体温計が販売されました。
シチズンの振動体温計なら耳が聞こえなくても使用できる
2019年9月20日にシチズンより、シチズン振動体温計が販売されました。この体温計は、計測が終了すると音だけでなく振動でも伝えてくれます。
一般的な体温計よりも、太めになっていますね。これは、おそらく振動させるための機構が入っているからでしょう。太くなっている分だけディスプレイも大きくなり、数値が見やすいといったメリットもあります。
販売されているのは、CTEB718VとCTEB720VAの2バージョン。ただし、機能はどちらも同じで、720VAの方はアタッチメントが付属するだけです。
このアタッチメントは、体温計に取り付けることで滑りにくくしっかりと保持できる役割があります。病気で筋力が低下し挟んでいることが難しくなった方でも、アタッチメントを取り付ければ保持しやすくなりますよ。
価格はストアによって違いがありますが、大体4000円前後となっています。
聴覚障害者によくある困りごとを解決するには?
今回の体温計のブザー音が聞こえない以外にも、聴覚障害者だといろいろな困りごとがあると思います。
そういった困りごとを解決したいなら、ぜひ以下の記事をご覧ください。よくある困りごとを列挙し、それを解決できる物を紹介しています。
まとめ
聴覚障害者でも安心して使用できる、振動体温計をご紹介しました。
近年では障害者にも配慮した商品が、低価格でいろいろ販売されるようになっています。その中でも体温計は見かけなかったのですが、2019年になってやっと販売されました。
耳が聞こえない状態で日常生活を送ると、本当に意外なことで困ることがよくあります。今後も障害者に配慮したバージョンがいろいろ出てくると、快適になるので助かりますね。
せっかく企業が作成してくれたので、聞こえなくて困っているならぜひ利用してみませんか?