この記事を書いている管理人は、両耳に感音性難聴がある聴覚障害者です。
耳が聞こえない状態で日常生活を送ると、どうしても不便さから悩む場面があります。そこで、今回は困りごとの種類ごとに、解決してくれるサポート機器はどんなものがあるのかまとめました。
管理人もほとんど聞こえず感音性のため、補聴器を付けても相手の声が聞き取れません。しかし、ご紹介したサポート機器を使うことで、家族からの呼び声に答えたりインターホンの音に気づけるようになりました。
同じように不便さを感じているなら、ぜひ状況に応じたサポート道具を使ってみてくださいね。
聞き取れないからコミュニケーションが難しい…
一番の困難は、聞き取れないことから発生するコミュニケーションの難しさでしょう。手話を覚えても、そもそも手話を使える人が少ないので大半のケースでは筆談が主になります。
でも、書くのは時間や労力がかかるので、場合によっては応じてもらえない時も…。しかし、ソースネクストから販売されている、「AIボイス筆談機「ポケトークmimi」」を使えば気軽にコミュニケーションが取れますよ!
ポケトークmimiに向かって話しかけるだけで、音声をAIが分析して自動的に画面に文字として表示してくれます。これなら、書く手間もなく相手に労力が発生しないので、ちょっとした雑談も応じてもらいやすくなりますね。
それに、中途失聴者で喋れる人なら、画面を見ながら聞こえていた頃と近い感じで話せるようになるかもしれません。
ポケトークmimiがどのようなものなのかは、下のリンクからいける記事に詳しく書いてあるのでぜひ読んでみてくださいね!
目覚まし時計が使えないので朝起きるのが大変!
聴覚障害者なら悩みの一つに、音でお知らせしてくれる普通の目覚まし時計が使えないので朝起きるのが苦手というのがあります。
一応スマホで時間になったらバイブ機能を使い起きる手もありますが、振動が弱いので微妙です。それに、管理人は寝相が悪く寝ている時にスマホを近くに置くと壊しそうになるので、数回やってやめました…。
幸い聴覚障害者向けの強力な振動で起こしてくれる、振動型目覚まし時計があるのでそちらを使えば解決できますよ!
手ごろな価格で導入しやすい携帯型の振動目覚まし時計「ソニックシェーカー」
振動で起こしてくれる目覚まし時計の中で、価格も安く使いやすいと評判なのがソニックシェーカーです。
使い方は起きたい時間をセットするだけで、後は時間になったらぶるぶる震えるので枕の下かすぐ横に置いておきましょう。
寝返り時にうっかりベッド外に落とさないように、枕固定用のクリップ付き。画像では時刻が表示している部分が立っていますが、仕舞うことができるので問題ありません。
携帯型とあるように直径9cmほどしかないので、専用ポーチに入れてどこでも持ち運ぶことができます。
勉強や仕事でポモドーロテクニックを使いたい!
仕事や勉強では、だらだらやるより25分集中して5分集中休むポモドーロテクニックを使うとはかどります。
しかし、聴覚障害者は普通のキッチンタイマーだとブザー音が聞こえないので、ポモドーロテクニックを使うことが出来ないという不便な点があります。
一応スマホアプリに、ブザー音だけでなく振動でも伝えられるキッチンタイマーアプリはあります。ただスマホを見える位置に出しておくと、ついついメールなどチェックしたくなり集中力が落ちてしまう問題が…。
そのため、スマホよりもできるだけシンプルなキッチンタイマーの方がポモドーロテクニックには適切です。
何か無いか探したところ、以下のキッチンタイマーとスマートウォッチが使えることが分かりました。
ブザー音と振動で伝えてくれる「タニタ タイマー TD-370N」
管理人が使用しているのは、こちらの「タニタ タイマー TD-370N」です。カウントが終了した時の合図として、ブザー音か振動のどちらかを選択が可能。
使い方は右上のSETボタンを押したら、左側にある▲ボタンと▼ボタンでタイマーをセットし、下中央のSTART/STOPボタンを押すだけです。
携帯に便利な小型サイズで、落下防止のコードとクリップが付いています。うっかり動作中に余計なボタンを押さないように、透明なプラカバーがあるので誤操作を防止できます。
振動はなかなか強力なので、まず見逃すことはありません。キッチンタイマーを購入するなら、値段の手ごろさと機能から「タニタ タイマー TD-370N」がおすすめです。
ブザー音か光で伝えてくれる「ユミマイル キッチンタイマー」
振動ではなく光で知らせて欲しいなら、ユミマイルが販売しているキッチンタイマーがおすすめです。
机の上で置いて使うタイプのキッチンタイマーで、時間になると左下のボタンが光って知らせてくれます。なお、ブザー音は設定で音あり・音なしに変更できます。
マグネットがついているため、冷蔵庫など金属製品に取り付けが可能。先ほどのタニタのキッチンタイマーと比べると、こちらは卓上で使うことを想定しているためサイズが大きく見やすいメリットがあります。
多機能で意外と安いスマートウォッチ「Miスマートバンド4」
睡眠計の代わりとして購入したのですが、キッチンタイマーとしても使えることが分かりました。
他のスマートウォッチはどうなのか知りませんが、Miスマートバンド4は振動でお知らせしてくれるので聴覚障害者でも使用できます。
スマートウォッチは簡単に言うと多機能な腕時計ですが、かなり軽く小さいので邪魔になりません。キッチンタイマー以外にも、睡眠計や歩数計、心拍数を計ることができ、スマホアプリと合わせて記録していくことが可能です。
機能自体は値段に対して非常に満足できるものでしたが、1つだけデメリットを挙げると夏場ずっと付けていると皮膚がかぶれる問題がありました。
ただ、このかぶれるのはMiスマートバンド4だけでなく、他のスマートウォッチでも普通に起きている問題です。
聞こえないので防犯が心配…!赤ちゃんの声が聞こえないから付きっきりに…!
耳が聞こえないと、周囲で何が起きているのか本当に分からなくなり大変不便です。だからこそ、特に悩むのが防犯でしょう。
耳が聞こえず言葉も話せない女性が主人公の、サイレンスというホラー映画がありましたね。あの映画では、殺人鬼が自宅に侵入するも聞こえないので分からないというストーリー。
さすがにそれは無いでしょうけど、不審者や泥棒などが実際に入ってくる可能性は確かにあるのである意味リアルに怖かった映画でした。
現在では数千円くらいのサポート機器を設置するだけで、何か大きな音がすれば光で視覚的に把握することができるようになっています。
防犯だけでなく、赤ちゃんの泣き声が聞こえないから付きっきりになるという悩みも解決できますよ!
音センサーで音を視覚的に分かるようになる「リーベックス ワイヤレスチャイム X860」
リーベックスが販売しているワイヤレスチャイムのXシリーズは、音や振動をセンサーで感知して光で教えてくれる防犯に適した道具です。
使い方は、送信機を窓や扉、赤ちゃんの近くなどに設置しておくだけ。もし振動や音を感知すれば、もう一方の受信機が光ってお知らせしてくれます。
Xシリーズには音センサーや赤外線、人感センサー、ドア・窓用など複数あるので、目的に合ったものを選んでくださいね。
インターホンが聞こえないから来客が分からない
聴覚障害者でよくある悩みは、やはりインターホンが聞こえないので来客が分からないことではないでしょうか?
管理人も家族がいない時に、近所の方や宅配の方が来たようですが仕事中でまったく気づかなかったことが何度もあります。(玄関や郵便受けにメモ書きや不在票があった)
困っていたところ、ワイヤレスチャイムというサポート機器を使えば低コスト(2000~3000円ほど)で解決できることが分かりました。
なお、ワイヤレスチャイムについては、以下の記事に詳しくまとめておきましたのでぜひご覧ください。
聴覚障害者でインターホンが聞こえなくてもワイヤレスチャイムで解決できる
電池不要で音と光でお知らせしてくれる「Mitu ワイヤレスチャイム」
我が家で使用しているのが、上記のワイヤレスチャイムです。
ワイヤレスチャイムは色々なメーカーから販売されていますが、決め手は光る範囲が広く気づいやすいことでした。
そして、玄関先に取り付ける送信機側の電池が必要ない点が気に入りました。電池不要なのは、押した時の力で発電するためです。
使い方は送信機側を玄関先に取り付けておき、横に「ご用の方はボタンを押してください」と書いておきましょう。
ボタンを押すと、もう一方の受信機側が光る+音楽でお知らせしてくれます。
家族の呼び声が聞こえない…!
こちらも、聴覚障害者ならよくある困りごとですね。
ちょっと来てほしくても呼び声が聞こえないので、いちいちメールするか直接部屋に行かないといけないので不便です。
特に高齢者のご両親を介護している時など、SOSがあっても気づかない恐れもあります。しかし、以下のサポート機器を使うことで、家族からの呼び声にすぐ気づけるようになりますよ。
音と振動で知らせてくれる「Daytech 呼び出しベル」
上記の呼び出しベルは、送信機側のボタンを押すともう一つの受信機が音と震えて知らせてくれるサポート機器です。
送信機側を家族に持たせておき、聴覚障害者側は受信機を持っておく。そうすれば呼び声の代わりにボタンを押すだけで、ちょっと来てと伝えることができるようになります。
IP55の防水機能があるため、台所といった水気がある場所でも使用可能。ただし、さすがに水没させると壊れるため、お風呂などに落とさないようにご注意ください。
体温計で熱を計っても測定終了か分からない
近頃では新型コロナウイルスが原因で、体温をチェックする機会が増えましたね。
体温計はタイプごとに脇に挟む・耳に当てるなどして、測定が終了すると電子音が鳴ります。ところが、耳が聞こえないと電子音が聞こえないので、終了しているの変わらず測定が不正確になりがちです。
意外とこういった悩みがあるのですが、実は測定終了を振動で教えてくれる体温計が近年発売されたことを知っていましたか?
振動するタイプを使えば、終了の電子音が聞こえない悩みも解決しますよ!
終了を振動で伝えてくれる「シチズン 振動体温計」
様々な体温計を販売しているシチズンから、終了をブザー音ではなく振動で教えてくれるモデルが2019年の8月下旬に新しく出ました。
検査終了の合図を、振動・ブザー音・振動+ブザー音の3つから選択可能できます。画面が通常の体温計よりも広く、一目で分かるように数値を大きく表示し視力が悪い方でも安心。
取り外して丸洗いできるシリコーン樹脂を使っているので、衛生的ですよ。
筆談に応じてもらいやすくするには何を使えば良い?
耳が聞こえないなら、コミュニケーションは筆談と手話になります。ただ、手話は相手も覚えていないと使えないので、ほとんどは筆談が主でしょう。
ところが、ちょっとした雑談は断られることがあります。なぜかと考えてみると、ノートとボールペンだと記録が残るので心理的な抵抗がある点に気づきました。
なので、書いたらすぐ消せる「筆談器」を使えば、より気軽に応じてもらいやすくなりますよ!
ちなみに、筆談器については下記のブログ記事に、より詳しくまとめています。
サイズが多く使いやすい「パイロット ジッキースーパーライト」
書いたら消して何度でも書けるのが、パイロットが販売しているジッキースーパ-ライトです。
このタイプはマグネット筆談器と呼ばれていて、中には粘度がある液体に砂鉄が入っています。磁石が付いているペンで上をなぞると、砂鉄が浮いて来て黒く見える仕組み。
消すときは反対側から磁石を当てて、浮いている砂鉄を戻します。
おもちゃでも使われるように頑丈なので、頻繁に出し入れする筆談にぴったりです。
電話の音声を大きくしたい・電話の着信を光で知りたい
こちらは聴覚障害者と言っても障害の程度が軽く、音量を上げれば聞き取れる方向けになります。
電話機に取り付けることでテレビの音量調整のように、相手の声を大きくすることができます。安い物では2000円ぐらいで購入できるため、気軽に導入しやすいサポート機器。
もちろん、耳が少し遠くなり聞き取りにくくなった高齢者の方にもぴったりなので、もしお困りでしたらプレゼントすると喜ばれるでしょう。
価格が安く手軽に音量を上げられる「スマイルキッズ 電話の拡声器 III AYD-104」
電話の音量を大きくする機器でも、特に安く使いやすいので人気があるのが電話の拡声器IIIです。
使い方は付属のモジュラーケーブルを使って電話機本体と受話器のコード先を、電話の拡声器 IIIに取り付けるだけ。
後は真ん中にある大きな丸いツマミで、適切な音量になるように調整してください。音量は、最大で約30倍まで大きくできます。
なお、電源に単三アルカリ乾電池を2本使用しますが、別売りのACアダプターを使うことでコンセントに挿して使うことも可能です。
電話の受信を光と音でお知らせしてくれる「パイオニア フラッシュベル TF-TA21-W」
フラッシュベルは、電話の着信を光と音でお知らせしてくれる機器です。受信すると、本体の上部が光ります。
音でもお知らせとなっていますが、電話のベルよりもかなりの大音量です。なおスイッチで設定することで、音は鳴らさずに光だけでお知らせもできるので安心してくださいね。
使い方は電話機やFAXから出ているモジュラーケーブルをフラッシュベル本体に差し込み、付属品のコードでフラッシュベルとモジュラーコンセントを繋ぐだけです。
なお、電源は必要ないため、コンセントは必要ありません。
まとめ
聴覚障害者なら日常でよくある悩みごとを列挙し、解決できるサポート機器にはどんなものがあるかまとめました。
近年では本当に便利な聴覚障害をサポートしてくれる機器が、Amazonなどネット通販で手軽に購入できるので助かっています。
これだけたくさんのサポート機器があるのですから、どんどん使って日常生活で感じる不便さを改善していきましょう!