難聴でも働ける仕事って、何があるの?
難聴で働くためのコツが知りたい!
これらの疑問に重度の感音性難聴を持つ管理人が、自身の体験や調査結果を元に回答します。
この記事に辿り着いた方は、自身が聴覚障害で仕事のことで困っている・悩んでいる方ではないでしょうか。
そこでただ難聴でも働ける仕事をご紹介するだけでなく、仕事を続けるためのコツや不安で就職活動ができない、就職しても続かないといった問題への対処法なども盛り込みました。
残念ながら、ただ悩み続けても解決しません。
どうすればいいのか詳しく書きましたので、お金を稼ぎたいなら読んだら行動してみてください。
難聴でも働きやすい仕事・困難になる仕事・おすすめの仕事
①働ける仕事②働けない仕事③町草のおすすめの仕事の3つに分けて、それぞれご紹介します。
①コミュニケーションがあまり発生せず一人でコツコツできる仕事がおすすめ
耳が聞こえなくても、働きやすい仕事は以下の通りとなっています。
- データ入力といった事務仕事(電話対応さえ何とかなれば、快適に仕事できる)
- 簡単な調理作業
- 皿洗いといった単純作業
- バックヤードでの品物整理(スーパーの品出しはお客さんと話す可能性あるため難しい)
- 在宅ワーク(記事作成・データ入力・イラスト作成・Webサイト作成・ソフトウェア作成など)
続いて困難はあるものの、ツールを使うなど何とかすることで働ける仕事は以下の通りです。
- プログラマー(チームを組むことも多いが、チャットでコミュニケーションが取れる)
- 手話講師(習いに来る人とのコミュニケーションをどうするかという課題はあり)
- Webデザイナー(クライアントや同僚とのコミュニケーションはある)
基本的には、「お客さんや同僚とのコミュニケーションがあまり発生せず、一人でコツコツできる仕事」なら耳が聞こえないハンデを気にせずに仕事できます。
聴覚障害者で就いている人が多いのは、事務仕事でのデータ入力ですね。これは手書き文書やデーター、アンケート回答などをPCに入力していき、デジタル化したりまとめたりする仕事となります。
ただし、事務職だとどうしても電話対応があるため、難聴の程度によっては免除してもらうと良いでしょう。
プログラマーは昔なら一人でコツコツとプログラムを組んでいましたが、現在ではチームを組んで作るのが一般的なため聴覚障害者だとハードルが上がっています。
ただ、絶対に無理なわけではなく、コミュニケーションはチャットやLINEを使って対処していけば問題ありません。
手話を第一言語にしている場合は、講師を仕事とすることもできますね。ただし、習いに来る人は手話ができないので、コミュニケーションをどうすればいいのかという課題はあります。
最後の在宅ワークですが収入が不安定になるものの仕事はたくさんあり、コミュニケーションもチャットツールを使うため難聴でも働きやすい仕事です。
②コミュニケーションがメインの仕事や危険性がある仕事は困難
難聴だと働けない仕事も当然ながらあり、これは差別ではなく耳が聞こえないとどうやっても無理・命に関わってしまうからです。こういった働くことが難しい仕事は、以下の通りになります。
- 接客業
- コールセンター
- 大工・土木関係
- 大型の機械を使う仕事
- オペレーター
聴覚障害はコミュニケーションで大きな問題が出てしまうため、就こうとする人は少ないと思いますが接客業やコールセンターなどは基本的に困難です。
そして、大工や土木といった工事関係の仕事も、難聴だと危険なので断られるでしょう。
これは、何かあった時に「危ない!」という声が聞き取れないため、咄嗟に回避行動が取れないからです。
実際に管理人は工学が得意だったため、そちら方面の仕事に就こうとしたのですが「危険な時に声が聞き取れないと危ないからダメ」という理由でどこも断られました。
工事現場では音が聞こえないために重機の接近に気づかず、巻き込まれてしまう可能性もありますね。
大型の機械の操作も事故が起きないように、二人以上での作業と声での確認が求められます。
オペレーターは聞き逃しがあれば、相手が事故で亡くなってしまうこともありますので向いていません。
こういった自身や周りの人に危険がある仕事は、大惨事に繋がる可能性がありますので基本的に避けてください。
③町草がおすすめする難聴の人に向いた仕事は「在宅ワーク」
私が同じく難聴の方におすすめする仕事は、「在宅ワーク」です。
管理人も現在ではこの仕事をメインにしていますが、クライアントとのコミュニケーションはチャットを使うので耳が聞こえなくても問題ありません。
在宅ワークは、基本的にクライアントから頼まれたものを作成する仕事です。
例えば、Webサイトに載せる文章、図解、イラスト、ソフトウェア、Webサイト自体などですね。
その中でもWebサイトの文章を代筆する「Webライター」という仕事は始めやすく、聴覚障害があまり不利にならないのでおすすめ。
必要な事は文章を書けるかどうかなので、プログラムを一から覚えるよりは早いです。
ただし、プロとしてお金を貰う以上は適当にやっては駄目なので、真剣にやりましょう。
もしWebライターという仕事を始めたいなら、以下のチャートに沿って実行してください。
①サグーワークスからスタート
- 文章の書き方について色々と載っているので読みながら学ぶ
- 書けそうな案件を引き受けたら、書く前に条件が書かれているのでよく読んでから書く
- ちゃんと書けてないと修正を指示されるので、1回で通るようにしよう
- 書けそうな仕事を引き受けて、どんどん書いて経験値を貯める
- グレードがあるので、レギュラー→ゴールド→プラチナと昇進を目指していく
サグーワークスでもプラチナまで上がり仕事をこなせるなら、10万円以上も稼げることができます。
②クラウドソーシングサイトに登録しクライアントから案件を受ける
- ある程度文章が書けるようになったら、クラウドソーシングサイトに登録してクライアントから案件を受けて仕事をする
- Webライターの仕事もあるので、条件に合ったものを引き受けていく
- 継続して仕事を依頼してくれる人を見つける
クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい人と仕事を受注したい人をマッチングさせるサイトです。
クラウドソーシングサイトはいろいろありますが、管理人が利用しているのは以下の3サイトです。
月30万円以上も稼いでいる方もいますので、スキルを磨いて案件をどんどんこなしていきましょう!
なお、Webライターについてより詳しく知りたいなら、別記事にまとめてあるのでそちらをご覧ください。
当ブログ別記事「【学歴不問で在宅でできる】就職できない聴覚障害者でもすぐに稼げる仕事がある!」を開く
難聴での仕事の探し方
障害者向けの仕事の探し方は、以下で紹介する機関やサイトを利用してください。ちなみに、障害者手帳を持っている必要がありますので、持っていない場合はまず取得を目指しましょう。
障害者手帳の取得は、当ブログ以下の記事に詳しく載っています。
当ブログ別記事「【必見!】感音性難聴で仕事を辞める前に障害者手帳や障害者年金について知ろう」を開く
①ハローワーク
仕事を探すなら、やはり「ハローワーク」ですね。
ハローワークでも障害者の就職活動を支援するために、専門知識を持った職員・相談員がサポートしてくれる取り組みをしています。
障害者向けの求人もありますので、職員・相談員の方と話し合って向いているところを見つけましょう。
②障害者就業・生活支援センター
障害者の自立を図るために、全国に設置されている国の機関です。
ここは就職だけでなく、日常生活へのサポートも行ってくれる点が特徴。
日常生活へのサポートとは、例えば住居に関することや役所での手続きといったことですね。
障害者へのサポートは、職業準備訓練や職場実習の斡旋、就職活動や職場定着の支援を行ってくれます。
③障害者職業センター
こちらも、障害者の自立を促進・支援するためにある国の機関です。
障害者就業・生活支援センターとの大きな違いは、障害者と障害者を雇う事業主の双方へのサービスを行っている点。
障害者側では、障害者職業カウンセラーやジョブコーチ(職場適応援助者)といった専門家が配置されているため、職場リハビリテーションサービスを受けることができます。
事業主側では、障害者の雇用管理に関して相談や援助を受けることが可能です。
④障害者向けの求人サイト
一般企業が行っている、障害者向けの求人サイトを利用する方法です。求人サイトは、以下のリストのように色々な会社があります。
国が行っている上の3つの機関と比べると、サポートは弱めというデメリットがあります。
ただし、求人数は結構あるので、もしかしたらぴったり合う仕事が見つかるかもしれません。
無料ですので、とりあえず全部登録してみて自分に合った仕事が無いかそれぞれチェックしてみてください。
企業によっては就職合同面談会を行っている時もあるので、そういった機会を利用し様々な企業の方と会ってみるのも良いでしょう。
難聴でも仕事を進める3つのコツ
仕事を見つけるにしても、聞こえないことから色々と困難があるので尻込みしてしまうかもしれません。
そこで、難聴でも仕事を進めるためのコツを3つご紹介します。
ちなみに、この3つは仕事だけでなく聴覚障害者として生活するなら大切なことなので、ぜひ実践してみてください。
①コミュニケーション方法として「ポケトークmimi」を使う
耳が聞こえないことで一番困るのは、コミュニケーション時ですよね。
快適に仕事できるように、確実で手間が無いコミュニケーション方法を用意しておきましょう。
管理人がおすすめするのは、ソースネクストソース社から販売されているAIボイス筆談機「ポケトークmimi」を使用すること。
※2022年9月5日追記
ポケトークmimiですが、8月31日から販売終了となりました。
既に持っている方は2025年8月31日まで使用できますが、まだ持っていない方は残念ながら入手できません。
そこでコミュニケーション方法の代用として、「UDトークというアプリの有料バージョンの活用」をおすすめします。
これは、スマホにインストールするだけで、音声を文字に変換できる聴覚障害者サポートアプリ。
実際に、教育機関や病院などでの使用実績があります。
アプリ立ち上げの手間はあるものの、起動したら開始ボタンを押せば後は周囲の音声を読み取ってどんどん文字として表示してくれます。
ただし、無料版だと30分までの制限があり精度も悪いので、普段使いするなら有料版を使用してください。
おすすめ理由は無料で使えるスマホアプリよりも精度が高く、スイッチを入れたら後はそばに置くだけと手間なく使えるからです。
精度は滑舌が悪い管理人の声も、ほぼ正確に読み取ってくれるほど。
ただし、方言には対応していないため、訛りが強い人だと読み取れない可能性はあります。
普通に紙に書いて筆談すれば良いという方もいますが、それだとやはり手間も時間も掛かるので周囲の人に嫌がられます。
ポケトークmimiなら、相手は普通に喋るだけと手間がないため喜ばれますよ。
それに、最初はポケトークmimiの話題から入れるので、コミュニケーションに入りやすくなるといったメリットもあります。
※本文中で「ポケトークmimiは無料のスマホアプリより精度が高い」としていますが、これは管理人の実験によるものです。その詳細は、以下のブログ記事に載せてあるのでご覧ください。
当ブログ別記事「【比較レビュー】ポケトークmimiやタブレットmimiと音声入力アプリはどちらがいい?」を開く
当ブログ別記事「ポケトークmimiを聴覚障害者が実際に使ってレビュー!【 雑談が楽しくなりました】」を開く
②自身の聴覚障害について理解し、何ができないか把握しておく
自身の聴覚障害について、しっかりと理解しておきましょう。
なぜなら、自分の聴覚障害がどういうものなのか知らないと周囲に伝えることができません。
その結果、理解されず適切なサポートを得られないために、仕事が続かないといったことになりかねません。
聴覚障害について詳しく知るには、次の質問に答えてみてください。
- 聴覚障害の種類は、伝音性・感音性・混合性のどれ?
- 聴力障害は、片耳と両耳のどちら?
- 聴力は何デジベルで、軽度・中度・高度・重度のどれ?
- 補聴器なしで、会話を聞き取ることができる?
- 補聴器なしで会話を聞き取る際に、どんなことがあると聞き取りにくくなる?
- 補聴器ありで、会話を聞き取ることができる?
- 補聴器ありで会話を聞き取る際に、どんなことがあると聞き取りにくくなる?
- 喋ることはできる?
- コミュニケーションの方法は何が一番合っている?
- 電話で相手の言っていることを聞き取ることはできる?
管理人がやってみると……
①感音性
②両耳
③100dBで重度
④できない
⑤そもそも聞き取れない
⑥感音性のために、補聴器ありでも会話は聞き取りが難しい
⑦感音性のために、補聴器ありでも会話は聞き取りが難しい
⑧滑舌は悪いものの中途失聴なので話すことはできる
⑨ポケトークmimiを使用した筆談
⑩全く聞き取ることができない
こんな感じになりました。
ここから、どうしても音声によるコミュニケーションは困難である事が分かります。
そうなると、意思疎通は筆談といった目で見える方法で行う必要がありますね。
中途失聴者であることから喋れるので、ポケトークmimiといった相手の音声を文字として表示されるデバイスを使えばスムーズに会話ができます。
こんな感じに自身の聴覚障害を知ることで、コミュニケーション方法はどうすれば良いのか?などいろいろ分かってくるので面接時にこれを伝えていきましょう。
③察してもらおうとせずに周囲に自分から伝えていく
これは仕事だけではありませんが、難聴になったら自分から周囲の人に伝えていかないとダメです。
見た目では全く分からない病気なので、伝えないと絶対に理解されません。
伝え方のコツとしては、症状だけを伝えるのではなくどうして欲しいかも一緒に伝えること。
どうして欲しいかは、コミュニケーション方法などですね。
例えば「これ(ポケトークmimi)に向かって話しかければ文字として表示されるので、コミュニケーションはこちらでお願いします」といった感じです。
ちなみに、伝える際は次の2つにご注意ください。
①中途失聴者は喋ることができるが、滑舌がだんだん悪くなってくる
滑舌については自分の声も聞き取れないほど重くなると、何もしなければ確実にどんどん悪くなっていきます。
これは、自分の声を聞いて調整ができなくなるからですね。
そこで毎日やる必要はありませんが、1週間に2~3回は発音練習を取り入れてください。
練習方法としては、ポケトークmimiに向かって話しかけて正常に表示されるまでを繰り返す方法があります。
もし表示された文章がおかしいなら滑舌が悪くなっているので、練習して少しでも聞き取りやすくする努力をしましょう。
②感音性難聴の症状については、伝えても理解されないことが多い
感音性難聴は、耳の奥にある音を電気信号に変えて脳に流す「蝸牛(かぎゅう)」という器官が損傷しています。
そのために補聴器を付けても脳に正しく伝わらないので、相手が何と言っているか聞き取れないことがほとんど。
これが本当に理解されず、管理人も学生時代に同級生に伝えたら「はあ!?」と睨まれたことが何度かあります……。
感音性難聴の症状を伝えるなら、自分の口で説明せずに医者が書いた解説文を見せてください。
医者という専門家が書いているので、理解はされなくても一応は納得してくれます。
仕事がどうしても続かない・働くことが不安な時はここを見て
何とか就職できましたが、難聴を周囲の人にどう伝えたら良いのか分からず誤解されてしまいストレスから続きませんでした……。
難聴が理解されないことからコミュニケーションが怖くて行動できなくなり、求人に応募すらできません。
こういったケースでは無理に就職活動をしても失敗続きになってしまうため、一度立ち止まって原因を解消しなければいけません。
原因はほとんどの場合、「伝えるスキルが低く、難聴を周囲の人にどう理解してもらえばいいのか分からないこと」。
そこで足りない伝えるスキルを鍛えるために、就労移行支援サービスを利用してみることをおすすめします。
就労移行支援サービスとは、障害者が就職するために職業訓練やコミュニケーション能力などを磨くことができるサポート。
聴覚障害者を対象としたコースもありますので、そういったところで伝えるスキルを高めてから仕事を探しましょう。
会社で行う作業はもちろん、実際にチームを組んでコミュニケーション方法を学べるので就職への大きな力になります。
それに就職活動の支援だけでなく就職した後の就労定着支援もあるので、すぐ辞めるを繰り返していた方も続けられるようになる可能性が高まります。
就労移行支援サービスは様々な企業が行っていますが、大手で多くの県にあるウェルビーLPがおすすめ。
東京のみしかないところもありますが、ウェルビーなら90センターもあるため東京以外に住んでいても受けられる可能性があります。
私もそうでしたが難聴になるとどうしても出来ないことが増えて、周囲からもサポートも得られないと行動できなくなってしまうことも多いですよね。
でも行動しないと始まりませんので、まずはウェルビーLPから資料を貰って通えるかどうか検討してみてください。
そういった簡単な行動を一つだけするだけで、あんなに気が重かったのにすっきりして進めるようになりますよ!
まとめ
難聴でも働きやすい仕事は、コミュニケーションがあまり発生せずコツコツと一人でできる仕事。
例えば、データー入力や皿洗い、バックヤードでの倉庫整理などになります。
管理人的には、在宅ワークでWebライターが始めやすいのでおすすめです。真面目にコツコツとやっていけば、月10万円は安定して稼ぐことができますよ。
難聴だと働くことが難しい仕事は、コミュニケーションが必要な職と聞こえないことで危険がある職の2つ。
例えば、重機が走っている工事現場では走行音が聞こえないために、巻き込まれてしまう可能性があります。
こういった、自身や周りの人に危険が出てしまう仕事は絶対に避けてください。
仕事の探し方は、ハローワークを中心に障害者就業・生活支援センターや障害者職業センターを使いましょう。
それぞれ国が行っているためサポートもしっかりしているので、見つかる可能性がアップします。
それから、atGPやウェブ・サーナなど企業も障害者向けの求人をまとめているので確認しましょう。
難聴でも仕事を進めるコツは、①コミュニケーション対策としてポケトークmimiを使う②自分の聴覚障害について理解する③自分から伝えていくの3つ。
どれも重要で仕事以外でも役立つので、もし読んでいる方も難聴なら実践してみてください。
仕事に就くのが不安だったり就職してもすぐ辞めてしまったりするなら、就労移行支援サービスを利用するのが解決への近道です。
特に就職した後も就労定着支援があるため、続かなかった人も続きやすくなりますよ。
就労定着支援サービスは質が悪い所もあるため、大手のウェルビーといった情報が多く安心できる所を使いましょう。
管理人も重度の感音性難聴なので、仕事に関して本当に苦労して来ました。
しかし、国からのサービスや今ではポケトークmimiのようなコミュニケーションをサポートしてくれる機器があるので、活用すれば大丈夫ですよ!