この記事を読みに来てくれたなら、こんな悩みを抱えていませんか?
感音性難聴という病気になったけど、補聴器を付けても会話を聞き取れないことを周囲の人に理解されません
感音性難聴の症状について周囲に話しても、ぜんぜん聞いてくれない!
この記事を書いている町草も、重度の感音性難聴で聴力は左右どちらも100dBです。
中途失聴者で小学生の頃に失聴し、現在30代ですが思考錯誤して生きて来ました。
今回の記事は感音性難聴の症状が理解されない事について、その理由と管理人が実際に行ってきた具体的な対処法を解説します。
もし同じ困難を抱えているなら、この記事に書いてあることを実践することで生きやすくなるのでぜひ実践してみてください!
感音性難聴の症状を理解されないのはあなただけではない
周囲の人に感音性難聴の症状を理解されないのは、なにもあなただけではありません。
私もそうですし、このブログには聴覚障害者の方から相談や感想が届きますが理解されず困っている事がよく書かれています。
感音性難聴は、耳のかなり奥にある内耳が損傷していて正常に働かない病気。
内耳には蝸牛(かぎゅう)という空気の振動(音)を電気信号に変換して脳に流してくれる器官があります。
この蝸牛が駄目になっているため、補聴器で音を増幅させても正しく脳に伝わらず聞き取れない症状がどうしても出てしまいます。
こういった理由で補聴器でも聞き取れなくなっているのですが、周囲の人にはまったく理解されません。
理解されないとどうなるのか、管理人が実際に感音性難聴になった直後に経験したエピソードや一般的によくあるケースについて紹介します。
管理人が感音性難聴になった直後は理解されず怒られ続けた
管理人は小学生の高学年から徐々に聴力が落ち始め、中学2~3年になる頃には100dBの重度の感音性難聴になりました。
中学校は普通のところだったのですが、大人も含めて症状をまったく理解されずとにかく怒られ続けたのを覚えています。
教師の声が聞き取れないので、授業は付いていけず教科書を読むしかありませんでした。しかし、読んでいると「先生の方を見なさい!」と怒られる。
聞き取れないことを伝えても、「補聴器あるでしょう?」と怒られる……。
同級生の一人に聞こえないことを伝えると、異常に怒る子がいていじめられさんざん暴力を一方的に受けました。
「補聴器あるだろ!」「(補聴器に対して)意味ないじゃん!」は、よく言われました。
補聴器を取られて耳に当てて、「ちゃんと音してるだろ!」と怒られて殴られたこともあります。
両親も感音性難聴を理解できず、補聴器を付けても聞き取れないのは「こいつ馬鹿だ」「頭がおかしいせいだ」と言われてかなりギスギスしていました。
当時はこんな状況でして、本当にさんざん怒られたため人がいると常にびくびくしている子どもでした。
老人性難聴も感音性なので理解されず家族とギスギスすることも
続いては、本当によくあるケースです。
高齢になるとどなたでも耳が遠くなりますが、老人性難聴といって病気と診断されるくらい悪化する場合があります。
この老人性難聴も、実は感音性難聴に分類されます。
高齢の親との関係で、よく補聴器や集音器を付けているのに何回も聞き返してくるのでイライラするというトラブルがありますよね。
これも、ふざけている訳ではなく、感音性難聴が原因で内耳に損傷があるため脳に伝わっていないから起きます。
耳が遠くなることで、家族なのにコミュニケーションが減ったりギスギスしてしまったり……。
理解して対応すれば問題ないはずなのですが、感音性難聴の症状が理解されにくいからこそ起きてしまう悲劇ですね。
別記事「【聴覚障害者が教える】耳が遠い祖父や祖母へのイライラを解決する方法!」を開く
理解されない理由は2つある
なぜ、感音性難聴の症状はここまで理解されにくいのでしょうか?
個人的な分析ですが、理解されにくいのは次の2つの理由が原因だと思います。
- 一般の人は難聴をかなりシンプルに考えている
- 感音性難聴の人は知能に問題があると誤解されやすい
まず医療従事者ではない一般の方は、難聴と言えばシンプルに「耳が聞こえなくなること」と捉えています。
だから、「補聴器とかで音を大きくすれば聞こえはず!」と考えます。しかし、感音性難聴になると、補聴器で音を大きくしても聞こえません。
ほとんどの人はそこで思考停止しまい、困惑するか怒るかどちらかの反応になります。
実際に怒り出す人はいましたが、何で怒るのかというと人は理解できない分からないことは不快に感じるので不快感に反応して怒ったんですね。
思考停止した相手がどうするのかというと、分からないのは不快なので何とか答えを出そうとします。
そして大半の場合は、感音性なんて知らないので「この人は耳ではなく知能に問題があるのでは?」と考える。だから、感音性難聴は知能に問題があると誤解されやすいんです。
「お前おかしいぞ!」「こいつ馬鹿だ」「こいつは頭がおかしいから仕方がない」この暴言の数々は、全て私が言われたことがある言葉です。
でも、ここまで読んできたあなたに判断して頂きたいのですが、そこまで知能に問題がある人がこういった文章を書けるでしょうか?
知能に問題があると判断した相手の言葉は、信用できないので基本的に受け取りません。
感音性難聴の症状を自分で説明しても、聞いてすらもらえないことが多いのはこういう理由です。
結構つらくなってきた方もいるかもしれませんが、ちゃんと対処する方法はありますので安心してくださいね。
感音性難聴が理解されないことへの対処法は3つ
最後に感音性難聴が理解されないを、具体的に対処する方法を3つお伝えします。
この3つを実行するだけで、かなり生きやすくなるはずですので必ずやってみてください。
①一番大切なことは「自分から症状を周囲に伝えていくこと」
周りに察してもらおうとせずに、必ず自分から症状を周囲に伝えていってください。
言わないと、理解されることは100%ありません。
ただ理解されないことが多すぎて、「どうせ無理だ……」と諦めてしまっている方もいるでしょう。
しかし、それは伝え方を間違えてしまっているだけです。
症状の伝え方で一番良いのは、「医者といった専門家が感音性難聴について解説してある文章や図解を見せる」というシンプルなもの。
印刷してもいいですし、スマホで見せてもOKです。
なお、見せる文章は一般の人でも分かりやすく書いてあるものにしましょう。
管理人も何とか周囲の人に分かってもらおうと試行錯誤してきたのですが、これが一番効果ありました。
人間は話の内容よりも、「誰が言っているか」を重視します。
病気の話を医療従事者でもない人が語っても聞いてくれませんが、医者が語っているならほとんど人は聞いてくれます。
だから、感音性難聴についても医者という専門家に代理で説明してもらえばいい。
もちろん、医者をずっと連れて行動する訳にはいかないので文章でOKです。
説明する際は、おどおどせず笑顔で明るく伝えるも忘れずに。そういった態度も、信用されるかどうかの判断基準になります。
もし笑顔や態度に自信が無いなら、鏡の前で練習を積むと良いでしょう。
馬鹿らしいと思う方もいるかもしれませんが、コミュニケーションでかなり役立つので覚えて損はありませんよ。
なお、それでも理解してくれない人もいますが、経験上そういう人はあなただけに限らず人の話を聞かない人です。
あなたに問題がある訳ではなく、相手がそういう性格なだけなので気にしないようにしてください。
あとは、どんどん自分から伝えていくことで、伝えた人が別の人に伝えてくれたりもあるので理解してくれる人が増えるはずです。
②ポケトークmimiを使って耳に頼らないコミュニケーションを!
感音性難聴になると、補聴器は残念ながらほとんど役に立ちません。
もちろん難聴は個人差がありますので、人によっては程度が軽く補聴器でかなり聞こえているケースもあるでしょう。
ただ、感音性で補聴器でも聞き取れないなら、別のコミュニケーション方法を探さないとダメです。
管理人が色々試してきて、今一番良いと考えているのが「AIボイス筆談機「ポケトークmimi」」という機械を使った方法。
これはソースネクストという会社が、翻訳機の技術を使って作った周囲の人の声を文字として表示してくれる機械になります。
すぐに文字が表示されて精度もかなり高いので、ポケトークmimiを持っておくだけでコミュニケーションは大体なんとかなりますよ!
管理人は自分の声も聞こえないので滑舌は悪いですが、それでも80%ほどの精度で読み取ってくれます。
健聴者ならもっと滑舌が良いはずなので、精度はもっと上がるでしょう。
ただし、注意点として方言には対応していないので、あまりにもなまりが強い方だと読み取れないと思います。
持ち運びやすいスマホサイズの「ポケトークmimi コンパクト」と、据え置き型の「ポケトークmimi タブレット」の2種類アリ。
どちらも本体19800円で、月額利用料が1430円掛かります。
正直に言えば、結構高いです。
無料で使えるスマホ音声認識アプリよりも精度が高く、電源入れたら後は置いておくだけでどんどん文字にと使い勝手が段違いです。
個人的には、コミュニケーションが本当に良くなって家族とも雑談が増えたので導入して本当に良かったと思います。
ポケトークmimi コンパクトの方なら出先でもポケットから出してすぐ使えるので、急に話しかけられても落ち着いて対処できるため出歩く機会も増えるでしょう。
高いですが、数十万円は掛かる補聴器と比べれば費用は圧倒的に少なくなるはず。それだけの価値はあるので、コミュニケーションに困っているならぜひ試してみてください。
③ストレス対策の手段を複数持っておく!
どうしても理解されない時はありますし、嫌な思いをすることも当然あるでしょう。
ですから、ストレス対策手段は複数もっておくことをおすすめします。
個人的にはストレス対策として、以下の事をしています。
- マインドフルネス
- 書く瞑想
- 坐禅
- 運動
- 料理
- 読書
特にマインドフルネスについては、つらい記憶に対処しどんどん気にならなくなる効果があるのでおすすめ。
やり方も簡単にできて、何か揃えるとかもありません。
書く瞑想もノートに思い浮かんだことを書いていくだけですが、頭の中がごちゃごちゃしている時にやってみると落ち着きますよ。
坐禅については精神科医の方が本で勧めていたのを見て始め、もう10年くらいになります。
20~30分くらい座っていると、終わった後数時間はかなり冷静に落ち着いて行動できるように。
参考にした本は以下なので、ストレス対策手段がなければ以下の3冊どれかを読んで実行してみてください。
もちろん、既にやっているストレス対策があるならそちらでOKです。
まとめ
感音性難聴の症状が理解されない点について、その理由や対処法について解説しました。
管理人も小さい頃に感音性難聴になり、理解されず本当に苦労しました。
理解されない点として、①一般の人は難聴をシンプルに考えすぎている②感音性難聴の人は知能に問題があると誤解されやすいの2つが挙げられます。
耳が遠くなったら、シンプルに補聴器とかで音量を上げればいいと一般的には考えてしまう。
だから、音量を上げてもダメな感音性は理解されにくいんですね。
知能に問題がある人だと認識されると、残念ながら話を聞いてくれなくなる点も理解されにくさを上げてしまいます。
対処法としては、とにかく自分から周囲の人に感音性難聴の症状を伝えていくしかありません。
その際は、医者といった権威がある人が書いた文章をスマホか印刷でもして見せると効果的。
人は内容よりも誰が話すのかを重視するので、医者が書いた文章なら受け止めてもらいやすくなります。
ただし、専門的すぎる文章は伝わらずダメですので、見せるのは必ず一般向けに書かれた文章にしてください。
感音性難聴になったらコミュニケーション方法は、「AIボイス筆談機「ポケトークmimi」」を使うと良いでしょう。
そばに置いておくだけで、音声を自動的に文字としてどんどん表示してくれます。
素早く表示されるし精度も高く、なによりポケットから出してボタンを入れるだけでOKと使い勝手が良いのでおすすめ。
令和になりましたが、平成や昭和と比べると本当に感音性難聴を抱えていても生きやすくなっています。
なぜなら、確かに理解されない点は苦しいですが、ポケトークmimiといったコミュニケーションをサポートしてくれる実用的な道具が充実しているからです。
せっかくあるのですから、どんどん利用して感音性難聴に負けずお互い頑張って生きましょう!