
グリーンパンとグリーンシェフって、名前も似てるけどどんな違いがあるんですか?
名前も似ていて、どちらもセラミックコーティングのフライパンや両手鍋などがある両ブランド。パクリ?と思うかもしれませんが、似ているのはどちらも同じメーカーが開発に関わっているためです。
今回は料理歴10年以上の管理人がグリーンパンとグリーンシェフの違いを徹底的に調査し、どちらがおすすめなのかまとめました。
なお、グリーンシェフは「①販売メーカーがあまり告知していない②公式ショップでほとんど取り扱いがない」の2つが原因で調べるのに時間がかかるため、まとめてあるこの記事を読むと時短になりますのでぜひご覧ください。
先に結論を言ってしまうと、コスパで選ぶなら「グリーンシェフ」がおすすめです。
グリーンシェフはグリーンパンと同じセラミックコーティングを使用していますし、価格が半分以下なので1万円ほどあればフライパンだけでなく両手鍋などもセットで揃えることができます。
ただし、グリーンパンの上位モデルは金属ツール対応やオーブンも可能といったグリーンシェフには無い機能があるので、料理好きならグリーンパンの方が向いています。
名前が似ているグリーンパンとグリーンシェフは同じメーカーが開発!
グリーンパンとグリーンシェフは、どちらも調理器具のブランド名です。セラミックコーティングを使用していて名前も似ているということで、人によってはパクリブランドと勘違いするかもしれませんね。
似ているのは、どちらのブランドも「ザ・クックウェア・カンパニー」という会社が開発に関わっているためです。
ベルギーの会社であるザ・クックウェア・カンパニーは、2007年にグリーンパンを誕生させました。
それに対してグリーンシェフは、ザ・クックウェア・カンパニーとアイリスオーヤマが共同開発し2011年に誕生したブランドです。
特徴としてどちらのブランドにも、Thermolon(サーモロン)というセラミックコーティング技術が使われている点があります。
これは、ザ・クックウェア・カンパニーが特許を持っているコーティング技術。
サーモロンは、多くの調理器具で使われているフッ素樹脂コーティングのように過加熱しても有毒ガスが出ません。
それから、PFASやPTFE、PFOA、PFOS、カドミウムや鉛といった有害な成分を含まない点を売りとしています。
PFAS:4700種類以上もある有機フッ素化合物の総称で、安全と考えられていたが一部が発がん性や免疫力の低下などを引き起こしている可能性が分かり、現在では世界的に規制に向かう流れが出来ている
PTFE:フッ素樹脂のことで、一般的なフライパンの表面にコーティングして食品がこびりつかないようにするために使われている。飲み込んでも吸収されず安全ではあるが、過加熱すると有毒ガスが発生してしまうことが判明。ちなみに、テフロン加工もフッ素樹脂なのでPTFEを使用しています。
PFOA:有機フッ素化合物の一つで、フッ素樹脂コーティングの助剤として使用。発がん性があるため各国で規制される
PFOS:有機フッ素化合物の一つで、昔はフッ素樹脂コーティングの安定化のために使用された。ただし、分解されにくく環境汚染するため現在では規制されて使用されていません。
カドミウム:イタイイタイ病の原因となった有害物質
鉛:過剰に摂取し鉛中毒になると、難聴や頭痛、人格の変化などを引き起こす
解説しますと、現時点(2023年5月)では日本でもPFASの中でも有害なPFOAやPFOS、カドミウム、鉛は規制されているのでフライパンに購入することはありません。
問題はフッ素樹脂であるPTFEで、これはフッ素樹脂コーティング(テフロン加工)のフライパンなら必ず使われています。
もちろん安全な物質ですが、近年ではフッ素樹脂の過加熱で有毒ガスが出てしまう点が問題視されることがあります。ですので、そもそもPTFEを含まないグリーンパンとグリーンシェフは、安全性を求めるなら有力な選択先です。
グリーンパンとグリーンシェフの違いを徹底調査!
今回は次の8項目で、それぞれ比べてみて違いを明らかにします。なお、もし時間がない場合は、結論を先にご覧ください。
- シリーズとそれぞれの特徴
- 販売している調理器具の種類
- サイズと重さ
- コーティングと機能
- IHへの対応
- オーブンや食器洗い機への対応
- 価格
- 販売している所
①シリーズとそれぞれの特徴
- ウッドビーシリーズ:真っ白いカラーリングが美しい
- メイフラワーシリーズ:落ち着いた色合いでシリーズの中でも深さがある
- ヴェニスプロシリーズ:オーブンも使用可のコスパ良いプロモデル
- クラフトシリーズ:最高級のシンプルで高機能なプロ向けモデル
- パドヴァコレクションシリーズ:新発売のゴージャスなフライパン
- ミニシリーズ:一人暮らしにぴったりな小型のフライパン
- スマートシェイプシリーズ(トライアルシリーズ):手ごろな価格で購入できる入門モデル
- アースカラーコレクションシリーズ:このシリーズだけ、ミントグリーン・クォーツピンク・クォーツグレーの3カラーがある
- ビンテージ ブラウニー ブラック:落ち着いた色合いで何でも合う
- ビンテージ クリーム ホワイト:真っ白なデザインでおしゃれな小型サイズ
- ダイヤモンドコーティングシリーズ:ターコイズカラーでキッチンが明るく(※初期モデルは色が違う)
- スタンダードセラミックシリーズ:初期に販売されたエントリーモデル(※ほとんどが販売終了になっている点に注意)
- ロックスフライパンシリーズ:底面に凸凹加工を施してムラなく焼き上げる(※販売終了になっているものが多数)
比較してみると、グリーンパン7種類グリーンシェフ6種類となっています。だいたい、同じくらいシリーズがありますね。
ただし、グリーンシェフはほとんどが販売終了になっているシリーズも含んでいる点に注意。
例えばスタンダードセラミックシリーズは大半が販売終了となっていて、なぜか26cmのガス火専用のフライパンのみAmazonで販売されています。
そうなると実質グリーンシェフは5シリーズですので、グリーパンの方がシリーズは多いですね。
グリーンパンは各シリーズごとに大きくデザインが違い、価格が安めのエントリーモデルからプロ向けの高級モデルまで様々。
グリーンシェフの方ではデザインが少々似ているものが多く、基本的には全シリーズがエントリーモデルで構成されています。
そのため、細かく選びたいならデザインから機能まで選択肢が多いグリーンパンがおすすめです。
②販売している調理器具の種類
種類とは、フライパンとか鍋といったことです。
- フライパン
- ウォックパン(深さがあるフライパン)
- キャセロール(両手鍋)
- エッグパン(卵焼き器)
- ソースパン(片手鍋)
- ミルクパン(小型の片手鍋)
- フライパン
- ウォックパン(深さがあるフライパン)
- キャセロール(両手鍋)
- エッグパン(卵焼き器)
- ソースパン(片手鍋)
こうしてみると、グリーンパンとグリーンシェフどちらもあまり変わりませんね。
唯一の違いは、ミルクパンはグリーンパンにしかない点です。
このミルクパンとは小型の片手鍋で、サイズ以外はソースパンとほとんど変わりません。ソースパンで代用可能なため、そこまで問題はないでしょう。
③サイズと重さ
各ブランドから代表してフライパンを、それぞれ①サイズのバリエーション②同サイズでの違い③重さを比べてみます。
サイズのバリエーション
ウッドビーシリーズ:20cm・24cm・26cm・28cm
メイフラワーシリーズ:20cm・24cm・26cm・28cm
ヴェニスプロシリーズ: 20cm・24cm・26cm・28cm
クラフトシリーズ:20cm・24cm
パドヴァコレクションシリーズ:20cm・26cm
トライアルシリーズ:20cm・24cm・28cm
アースカラーコレクション:20cm・26cm
ビンテージコレクション ブラウニーブラック:20cm・26cm
ビンテージコレクション クリームホワイト:20cm
ダイヤモンドコーティングシリーズ:20cm・26cm
サイズのバリエーションでは、圧倒的にグリーパンですね。グリーンシェフは、基本的に20cmと26cmの2サイズしかありません。
もし、24cmや28cmといったサイズのフライパンが欲しいなら、グリーンパン一択となります。
同サイズでの大きさ・重さ比較
メイフラワー フライパン 26cm
サイズ:全長44.5x幅26.6x高さ9.7x深さ6cm
重量:840g
ウッドビー フライパン 26cm
サイズ :全長 :44x幅26.7x高さ8x深さ4.7cm
重量:880g
アースカラーミントグリーン フライパン 26cm
サイズ:全長45x幅26.5x高さ8.1x深さ6.1cm
重量:870g
ビンテージコレクション ブラウニー ブラック フライパン 26cm
サイズ :全長45.3x幅27.0x高さ9.9cm(深さはどこにも記載なく不明)
重量:830g
グリーパンとグリーンシェフの、26cmのフライパンを比較してみました。こうして確認してみると、大きさ・重量ともにあまり変わりませんね。
大きさはあまり差がないので考慮する必要はなく、軽さで選ぶならグリーンシェフの「ビンテージコレクション ブラウニーブラックブラック」かグリーンパンの「メイフラワーシリーズ」がおすすめです。
④コーティングと機能
コーティングと、何か特殊な機能があるかどうか見てみましょう。
- サーモロン・セラミックコーティング
- スクラッチガード加工(ヴェニスプロやパドヴァコレクションなど上位モデルのみ)
- 金属ツールへの対応(ヴェニスプロ・クラフトのみ)
- マグニート加工(IHに対応するための加工)
- リベット無し(メイフラワー・ウッドビーのみ)
- サーモロン・セラミックコーティング
- マグニート加工(IHに対応するための加工)
- ロックス加工(ロックスフライパンのみ)
- リベット無し
こうしてみると、共通するのはサーモロン・セラミックコーティングとマグニート加工ですね。グリーンパンとグリーンシェフどちらも、内側・外側に塗布されています。
とにかくセラミックコーティングのフライパンや鍋を使用してみたいという目的なら、グリーンシェフの方でもOKです。
それ以外ではグリーンパンだと、本体のアルミ素材をより傷や衝撃に強くするスクラッチガード加工が上位モデルに施されています。
金属ツールへの対応も見逃せないポイント。一般的なセラミックコーティングは、傷ついてしまうため金属製のヘラやフライ返しなどは使用できません。
しかし、グリーンパンのヴェニスプロ・クラフトシリーズは、コーティングの強度を高めてあるため金属製ツールも使用可能となっています。
もし金属製のツールを使いたいなら、グリーンパンのヴェニスプロが上位モデルでも価格がそこまで高くないのでおすすめです。
⑤IHへの対応
グリーンパンとグリーンシェフどちらも、一部除きほぼIHに対応しています。
対応していないのは、グリーパンだとミニシリーズの一部とグリーシェフではスタンダードセラミックシリーズのフライパンはガス火専用になっています。
このIHへの対応には、マグニートという特殊な加工による点は見逃せないポイント。
なぜなら、一般的なIH対応よりもマグニート加工は次の3つのメリットがあるからです。
- 金属の板を底に張り付けるのではなく電磁誘導粉末という、粉を埋め込んで軽量化に成功
- 一般的なIH対応方法である底に金属板を貼り付けるは温度差で変形する可能性があるが、マグニート加工は粉末を幅広く設置してあるので底が変形しにくい
- 電磁誘導粉末に銅を加えることで、熱伝導率を高めてある
特に変形しにくいのは、長く使う上で助かりますね。
このマグニート加工は、グリーンパンとグリーンシェフどちらも施されています。
⑥オーブンや食器洗い機への対応
オーブンや食器洗い機への対応ですが、これはグリーパンの一部シリーズのみ対応となります。
対応しているのは、以下の通りです。
グリーンパンでオーブンに対応しているシリーズ
- メイフラワーシリーズのキャセロール(キャセロールのみで、フライパンなどは不可)
- ヴェニスプロシリーズ
- クラフトシリーズ
- パドヴァコレクションシリーズ
グリーンパンで食器洗い機に対応しているシリーズ
- ヴェニスプロシリーズ
- クラフトシリーズ
グリーンシェフは、全てでオーブンや食器洗い機は対応していません。
⑦価格
気になる価格についても、それぞれ比較して違いを明らかにしましょう。
なお、グリーパンは公式ショップの価格を参考にしましたが、グリーンシェフは公式ショップで取り扱いがないためAmazonと楽天の価格を参考としています。
- ウッドビー 26cm フライパン:8800円
- メイフラワー26cm フライパン:8250円
- メイフラワー キャセロール(両手鍋)20cm:9,900円
- ウッドビー キャセロール(両手鍋)20cm:12,100円
- アースカラー フライパン 26cm ミントグリーン:楽天4378円 Amazon3973円
- ダイヤモンド ブラウニー ブラック フライパン 26cm:楽天5390円 Amazon4378円
- ビンテージ ホワイト キャセロール 16cm:楽天4,510円 Amazon3640円
- アースカラー クォーツピンク キャセロール 20cm:楽天5808円 Amazon3769円
※Amazonと楽天の価格は2022年7月12日のものです。
基本的に価格はグリーンシェフの方がかなり安く、グリーンパンは2~3倍ほどの高級品となります。特にキャセロールは、グリーンパンの場合は1万前後と結構しますね。
上でも見たようにサーモロン・セラミックコーティングとマグニート加工はどちらも同じですので、価格を重視するならグリーンシェフがおすすめです。
ただし、プレゼントとして選ぶなら、グリーンシェフだとちょっと安すぎるのでグリーンパンの方が適切でしょう。
⑧販売しているところ
※販売しているところに大きな変化がありましたので、2023年5月4日に書き換えました。
販売している所は、以下のようになっています。
グリーンパンを購入できる所
グリーンパン オフィシャルショップ・Amazonや楽天などネットショップ
グリーンシェフを購入できる所
グリーンパン オフィシャルショップ・Amazonや楽天などネットショップ
何とグリーンパンオフィシャルショップで、グリーンシェフも取り扱い開始されました。そのため、グリーンパンもグリーンシェフも、割引を色々とやっている公式オンラインショップで購入できますよ!
ちなみに、グリーンシェフは公式オンラインショップを開き、左の上辺りにある三本線から出てくるメニューよりブランド→GREENCHEFで表示することが可能です。
結論:セラミックコーティングを試したいだけなら低価格なグリーンシェフでOK
最後にグリーパンとグリーシェフは、それぞれどのような人におすすめなのかまとめます。
グリーンパンは、次のような人におすすめです。
- セラミックコーティングだけでなく、オーブンや食器洗い機への対応も欲しい方
- プレゼント用の調理器具を探している方
- 複数のデザインから好きなものを選びたい方
グリーンシェフがおすすめの方は次の通りです。
- とにかくセラミックコーティングのフライパンや鍋を使用してみたい方
- グリーンパンは値段が高すぎて買えないという方
- 予算低めでフライパンや鍋を揃えたい方
グリーンパンは価格が高めですが、上位モデルはオーブン使用可能だったり金属ツールにも対応と高性能です。
それから、高価な点からプレゼントとしても最適。シリーズが多くそれぞれデザインが異なっているため、好きなデザインが見つかる可能性も高くなります。
グリーンシェフは、低価格さとサーモロン・セラミックコーティングとマグニート加工が施されている点が魅力。特に機能だけなら、グリーパンのウッドビーとメイフラワーシリーズとあまり変わりありません。
フライパンだけでなく鍋なども低価格なため、フライパン・両手鍋・片手鍋と一式揃えても1万円前後で買えてしまいます。
このようにそれぞれ違いがありますので、当てはまる方のブランドを購入した方が後悔しませんよ!
最後に、グリーンパンとグリーンシェフを購入できる公式ショップは以下の通りです。
グリーンパン・グリーンシェフ:グリーンパン オフィシャルショップ
グリーンパンについては、おすすめや安全性についてまとめた別記事がありますので興味がある方はぜひご覧ください。
別記事「【料理歴10年が徹底調査】グリーンパンのフライパンおすすめ計17選!」を開く
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