中途失聴者のコミュニケーション|方法やその周りの人々はどうすれば良いのか?

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
聴覚障害者

この記事を書いている管理人は、中途失聴者です。

今回は中途失聴者のコミュニケーション問題について、自身の体験をもとに本人とその周りの人々へのアドバイスを書いていきます。

ちなみに、管理人は小学生3~4年生くらいまでは聞こえていたのですが、その後に両耳とも感音性難聴になりました。

段々と聴力が下がり始め、中学校に入るくらいには100dBの重度の難聴まで悪化。

今まで普通に聞こえていたのにある日から聞こえなくなるのは、本当に不安で色々と苦労するでしょう。

本人だけでなく周りの人も、どう接すればよいのか分からず苦労します。

だからこそ、この記事を読んで少しでも楽になってくださいね。

中途失聴者になったらコミュニケーションは?方法はどうする?

こちらは、中途失聴者の本人向けにコミュニケーションのコツや方法をお伝えします。管理人もどうすれば良いのか試行錯誤の連続で、苦労してきました。

そこで分かって来たことを下記にまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

まずは耳の状態を隠さずにしっかりと周囲に伝えよう!

中途失聴者になった時に、家族も含め周囲とコミュニケーションをする上で一番大切なことをお伝えします。

それは、今の耳の状態をチェックして、どこまで聞こえるのか隠さずに周囲へしっかりと伝えることです。

耳の状態のチェックとは、例えばオンライン上で無料で受けられる聴力検査をやってみたり、テレビを付けて誰かの声をちゃんと聞き取れているか調べたりすること。

難聴は見た目では判断できない病気なので、はっきりと伝えないと誤解されるなどで適切なコミュニケーションができません。

特に感音性難聴の場合は、補聴器を付けても相手の声が聞き取りにくくなる症状が出て来ます。この感音性難聴に補聴器が会話する上であまり役立たない点は、一般の方はまず知りません。

だから、補聴器をしているなら今まで通り聞こえるはずと思って話しかけても、なぜか聞き取れない…。

人によっては知能に問題があるのではないかと思ったり、ふざけていると思って怒り出したりすることがあります。

管理人も感音性難聴の中途失聴者ですが、症状が悪化してほぼ聞こえなくなったのが中学生の時で周りの子に本当に理解されず苦労しました。

その頃に周りの子から投げかけられた言葉は「こいつ馬鹿だ」「お前はおかしい」でした。中には、補聴器あるのに聞こえないっておかしいだろ!と怒って殴ってくる子も…。

さすがに大人ならそこまでは無いと思いますが、ちゃんと伝えないと関係悪化する可能性は高いでしょう。

感音性難聴を相手に説明するコツは?

とこで、症状が分かりにくい感音性難聴を相手にどう説明すれば良いのでしょうか?

管理人の経験ですが、スマホやタブレットから感音性難聴を解説したサイトを見せる(印刷した紙でも可)のが一番スムーズで揉めることがありません。

注意点として、見せるのはできるだけ医者が一般向けに説明している専門性の高いサイトを選んでくださいね。

やはり専門家である医者が解説しているので、「ああ、そうなんだ」と皆さん納得してくれますよ。

医療関係者ではない管理人自身が説明しても、「はあ!?」と言われるのがオチです。人は内容よりも誰が言っているのかを重視するので、専門家に解説していただきましょう。

なお、耳の状態を正直に話したら、非難されたり会社を解雇されたりするのではないかと恐れる方もいらっしゃるかもしれませんね。

管理人も、同様でしたのでよく分かります。

しかし、隠したところで周囲とコミュニケーションがうまく行かなくなり、周囲の人も自分自身もイライラするだけでした。

それに、会社の人があなたをサポートしたいと思っていても、正直に伝えなければ適切にできません。

また、会社を解雇されたとしても、それは会社に余裕がなくあなたをサポートできませんというだけのことです。

その時は仕方ないので、諦めて別の会社を探しましょう。

筆談はスマホやタブレットで負担を減らすと周囲も楽になる

耳が聞こえなくなったら、コミュニケーション方法は筆談が中心になります。

中途失聴者だと話せるので、ついついこちらは話して相手は文字を書くような形になるかもしれません。

しかし、自分は話して相手は筆談だと相手ばかり負担になるので、残念ながら長続きしません。

そこで、筆談する時は、できるだけスマホやタブレットの音声入力を使って、相手の負担を減らすようにしましょう。

管理人もコミュニケーション方法は筆談に頼っていますが、やはり書くのは手間なので断られることがあります。

ところが、スマホ・タブレットの音声入力を使うようになってからは、相手が話すそばから文字に変換してくれるので気軽に話せるようになりました。

コミュニケーションは受け身でいても上達しないので、こちらから道具を揃えて積極的にいかないとダメですね。

 

スマホやタブレットでの音声入力は、UDトークというアプリがおすすめです。

大学といった教育機関でも使われていて、ボタンを1回押せば後はどんどん音声を文字にして出力してくれるので重宝しています。

UDトークの細かい使い方や使い心地は下記のリンクから飛べる記事にまとめましたので、ぜひご覧ください。

【聴覚障害者におすすめアプリ】字幕なし動画も分かるようになるUDトークレビュー

もう一つ、耳が聞こえなくなると自身の声も聞こえないことから、どうしても滑舌がどんどん悪くなっていきます。

そうなると、喋っても相手が聞き取れなくなります。このような滑舌の悪さから相手が聞き取れないケースでは、SppeechCanvas(スピーチキャンパス)アプリを使いましょう。

相手は音声入力を使い、こちらは指文字で筆談できるアプリです。

スピーチキャンパスも、下記の記事にまとめてあります。

聴覚障害者と音声入力で話すならSpeechCanvasアプリがおすすめです

このように、近頃では聴覚障害者をサポートしてくれる、便利なアプリがどんどん登場しています。

せっかくあるのですから、コミュニケーションに活用していきましょう。

※2021年8月23日追記スマホやタブレットだと、そもそも個人情報が入っていたり遊んでいると思われたりしてちょっと使いにくい…という場合もあるでしょう。

実はソースネクスト社より、ポケトークmimiやタブレットmimiというAI筆談機というデバイスが販売されています。

このAI筆談機は、相手の声を人工知能が読み取って自動的に文字にしてくれる音声入力専用機です。

AIボイス筆談機「ポケトークmimi」

上のリンクよりソースネクスト社のポケトークmimiのページに飛べるので、ぜひご覧ください。管理人も使用しましたが、変換の精度がなかなか高く実用的でした。

より詳しい使い心地は、下のリンクから行ける記事にまとめています。

ブログ内の別記事「【レビュー記事】ポケトークmimiで聴覚障害者でも雑談が楽しくなった」へ移動する

中途失聴者だと手話の重要度はそこまで高くはない

健聴者の方から、聴覚障害者なら手話を覚えれば良いとよく言われます。

ところが、中途失聴者に限っては手話の優先度は低く、スマホやタブレットを使ったコミュニケーション方法に慣れる方が先です。

なぜ手話の優先度が低いのかは、覚えても手話できる人が周囲にいないのでコミュニケーションに活用できないため。

生まれた時から耳が聞こえない方やかなり幼い時に聞こえなくなった方は、ろう学校で同じ難聴の仲間と話すので手話は重要です。

しかし、中途失聴者は周りに健聴者しかおらず、同じ難聴者がまったくいないという環境なので手話を使う機会がほぼありません。

それに手話を覚えて使いこなすには、英語やドイツ語など外国語を覚えるのと同じくらい時間がかかります。

そこで、手話はよく使う単語だけ本人と家族で覚えて、日常のちょっとしたコミュニケーションに使う方法がおすすめです。

ただ、手話は中途失聴者にとって全くの無駄なのかというとそうではなく、覚えることで手話通訳士のサポートを受けられるメリットがあります。

例えば病院に行くことになった時も、手話通訳者に付き添っていただき通訳してもらうことで医者とのコミュニケーションがスムーズになりますね。

特に独身で一人暮らし方は、手話を覚えておいた方がいざという時も安心できます。

コミュニケーション方法を笑われても気にする必要はない

完璧なコミュニケーションなんてないので、とにかく微妙でもスマホやタブレットなど使える物は使いどんどん周囲と話して上達していきましょう。

人によってはそんな姿を見て、馬鹿にしたり笑ったりする人がいるかもしれません。しかし、中途失聴者にとってコミュニケーションで必要なことなのですから、まったく気にする必要は無いです。

例えば外国語が話せないけど、日本語が分からない外国人と話すことになったとしましょう。

自分は外国語が話せないからと、ずっと黙ったままいるでしょうか?

そうではなく、身振り手振りで伝えたり、スマホの翻訳アプリを試してみたりする方が何倍も良いはずです。

われわれ中途失聴者が置かれた状況は、先ほどの外国人と話すことになったと同じです。

どうせ伝わらないだろうとコミュニケーションを拒否するのではなく、間違ってもいいからとにかくやってみましょう!

中途失聴者とコミュニケーションをするコツ

続いては、健聴者の方が中途失聴者とコミュニケーションするコツをまとめました。

学校でも聴覚障害者との接し方なんてまず習わないので、どうすれば良いのかお困りだと思います。しかし、そこまで難しいことではなく、近年ではスマホひとつあれば簡単にできるようになっているので安心してくださいね。

まずどのくらい聞こえるのかは人によって違う事を理解しよう

聴覚障害になると困ること

中途失聴者とコミュニケーションする上で一番重要なことは、その人の耳の状態を理解することです。

というのも、難聴者といっても難聴の種類や聴力によってどのくらい聞こえるのか人によってかなり異なるため。

例えば、感音性難聴という病気は、補聴器を付けても相手の声が聞き取りにくくなる厄介な症状が出ます。

しかし、音の識別能力が落ちることは一般的に知られていないので、補聴器あるのに何で聞こえないの!?と困惑されます…。

音は空気の振動ですが、振動のまま脳に伝わる訳ではありません。途中で聴神経を通れるように、電気信号に変換しています。

この音を電気信号に変換しているのは、耳の奥にある蝸牛という器官です。

感音性難聴はこの蝸牛や聴神経に異常が出ているため、補聴器で音を大きくしてもうまく脳に伝わりません。

その結果、誰でも異様に滑舌が悪く聞こえて、何と言っているのか分からなくなる症状が出ます。

難聴には、他にも補聴器を使えば比較的に聞き取れる伝音性難聴や伝音性と感音性どちらもでる混合性難聴などがあります。

このように色々な難聴があり、聴力も多少落ちるぐらいから雷が鳴っても全く聞こえないレベルまであるので、人によって聞こえが本当に違います。

だから、初めにお伝えした通り、先に中途失聴者の方の耳の状態はどうなのか聞くとコミュニケーションがスムーズに進みますよ。

なお、失聴してすぐの頃はショックによる精神的な混乱もあり、本人も把握できなかったりうまく説明できなかったりするので、落ち着くまで待ってくださいね。

コミュニケーションは基本的に筆談で!

聴覚障害者とコミュニケーションする方法は、基本的に筆談を使いましょう。

と言っても、いちいち文字を書くのは時間も掛かるので大変ですね。そこで、スマホやタブレットの音声入力アプリを使うと、普通に話すだけでどんどん文字にしてくれるので楽ですよ。

おすすめの音声入力アプリは、無料で使えて教育機関でも活用されている聴覚障害者サポートアプリのUDトークです。

【聴覚障害者におすすめアプリ】字幕なし動画も分かるようになるUDトークレビュー

一般的な音声入力アプリは、一文を話すごとにいちいちボタンを押す必要があります。

しかし、UDトークは一度ボタンを押せば、次々と文字に変換してくれます。ちなみに、無料版は一度に30分までの制限がありますが、普通に筆談する分は十分でしょう。

コミュニケーションを円滑にするため補聴器の欠点を知っておこう

補聴器を付ければ比較的に聞き取れる中途失聴者でも、コミュニケーションする際に一点だけ気を付けることがあります。

それは騒がしいところだと、補聴器の欠点も合わさってかなり聞き取りが難しくなること。

補聴器は周りの音を拾って増幅してくれますが、相手の声だけでなく周囲の雑音も大きくしてしまいます。

騒々しい場所では本当に聞き取りが難しくなるので、できるだけ静かな場所で会話しましょう。

もしくはうるさい場所では、聞き取れるか聞いてみて無理そうなら筆談に変更してください。

たまに周囲で起きていることを伝える

 

耳が聞こえなくなると雑談も聞こえないので、周囲で何が起きているのか分からなくなりますこれがコミュニケーションに結構な影響があるため、たまにで良いので伝えてあげてください。

なぜコミュニケーションに影響があるのかは、下記の2つの理由になります。

①情報が入って来ないので話題がなく、何を話せば良いのか分からなくなる
②情報が入って来ないので適切な行動が取れない

②について解説すると、例えば親戚のBさんが入院している・職場のCさんは離婚したのが原因で精神的に参っているという事が周囲で起きていたとします。

普通は雑談する中で情報として入ってくるので、Bさんにはお見舞いに行きCさんには離婚については触れず気遣うなどの行動を取ります。

しかし、情報が入ってこないと知らないのでいずれの行動も取らないばかりか、的外れな行動を取って相手を怒らせてしまうかもしれません。

このように雑談が聞こえないことでコミュニケーションにかなりの影響があるため、出来る範囲で伝えてあげてください。

幼い子が中途失聴者になったらコミュニケーションはどうする?

 

幼い子がもし中途失聴者になったら、まずはコミュニケーションのためにどのくらい聞こえるのか聞き出すことが大切です。

ただし、子どもはまだしっかり説明が出来ないことが多い点と難聴の症状が段々と重くなるなど変化がある点に注意しましょう。

聞き出すコツは、決して怒らずに難聴を悪いことだと伝えないこと。

怒ったり難聴を悪いことだと伝えたりすると、非難されると思いこみ正直に伝えてくれません。

管理人は学校の聴力検査で難聴が発覚しましたが、両親はその結果を見てなぜか怒り出したのでなかなか伝えられなかった記憶があります。

耳の状態を把握したら、筆談だけでなく手話も視野に入れてコミュニケーションを取っていきましょう。

この際に、今日はこんなことがあったなど些細なことで良いので、とにかくコミュニケーションを取ることが重要です。

小さい頃のこういった何気ない雑談でもコミュニケーションの基本となるため、何もしないと大人になった時に何を話せば良いのか分からず意思疎通が難しくなるかもしれません。

特に子供は精神的に未熟なので、障害者を馬鹿にしたり悪いことだと捉えて暴力を振るったりする子がいます。

実際に管理人も中学時代の同級生にそういう子が一人いて、殴る蹴るの暴力を何度も振るわれました。

もしお子様がいじめに遭った時に、普段から今日あった事を話していれば異変にすぐ気づいて対処することができます。

耳が聞こえなくなったら、音声で会話が困難になるのは仕方ありません。それなら、筆談や手話など別の手段を使えば良いだけです。

それに、近年では無料で使える音声入力アプリも高性能なものが出てきているので、そういったサポートアイテムを使いながらお子様とコミュニケーションを取っていきましょう。

まとめ

中途失聴者とその周りの人々への、コミュニケーションに関わるアドバイスをそれぞれまとめました。

管理人も中途失聴者なのでよく分かりますが、生まれた時から聞こえない方とはまた違った苦労がありますよね。

特に本文でも述べたように、難聴の種類によっては本当に理解されず暴言を吐かれたり孤立したりする恐れも…。

そうならないためにも、上記で紹介した対策を少しずつで良いので実行してみてください。また、周りに聴覚障害者がいらっしゃる方は、書いた通りなので温かく見守りましょう。

中途失聴者とその周りの方々のコミュニケーションが、少しでもスムーズになるように祈っています。

タイトルとURLをコピーしました