フライパンに使われていた、発がん性のある物質「PFOS(ピーフォス)」
実は誤った情報も多くあり、残念ながら過剰に不安を煽って「うちはPFOSフリーだから安全だ」と言っている企業もありました。
管理人はライターをしており、企業から依頼され多数の調理器具の記事を書いてきた関係で、フライパンにもかなり知識があります。
PFOSは確かに発がん性がある有害な物質ですが、フライパンに限っては正しい情報を知れば恐れる必要はありません。
PFOSについて分かりやすく書いていますので、騙されないためにもぜひ本文をお読みください。
PFOSとは?

近年、ニュースでも見かけることがあるPFOS(ピーフォス)とは、PFASという有機フッ素化合物のグループの中の一つの物質です。
正式名称は「ペルフルオロオクタンスルホン酸」と言い、防水加工や消火剤などに使用されていました。
ところが、分解されにくさから環境汚染の原因になり、発がん性といった有害さも発覚し問題に。
そのため、海外で禁止され、日本でも2006年に規制されています。
PFOSを摂取し身体に蓄積していくと、以下のような有害な影響があります。
- 発がん性
- 肝機能障害
- 免疫機能の低下
- 胎児への影響
- 生殖機能の低下
PFOSが体内から95%排出されるまで、何と約40年かかります。もし規制されてなければ今も摂取し、どんどん蓄積していたと考えると怖いですね。
このような有害な物質ですが、実は「フライパンのコーティングに使われていたことがある」と知ったら驚くでしょうか?
PFOSはかつてフッ素樹脂コーティングの助剤として使用

フライパンには焼いている最中に食材がこびりつかないように、フッ素樹脂(PTFE)で内側をコーティングされているものが大半です。(※テフロン加工もフッ素樹脂を使っているので同様)
このフッ素樹脂(PTFE)をコーティングする際に、PFOSは助剤として使用されていました。
日本では2006年にPFOSは規制されていますので、現在のフライパンには使われていません。ただ、2006年より前の古いフッ素樹脂フライパンだと、使われている可能性があります。
当時は有害性が知られてなく、PFOSを使うことで耐摩耗性や耐久性がアップするなどメリットがあったため。
しかし、PFOSは自然の中でなかなか分解されず、完全に分解するまで何と数千年は掛かります。さらに、一度体内に入ればなかなか排出されず、どんどん蓄積し発がん性もあると危険性が発覚。
そのため、世界規模で規制され、現在は日本でも使用されなくなりました。近年では水道水や土壌にPFAS混入といったニュースがあり、それと共にフライパンのPFOSが話題になっています。
PFOSは使用されていないが今度はPTFEの問題が話題に

PFOSは同じグループのPFOAと共に規制されており、現在は全く使用されていません。
一方で同じPFASのグループである、PTFEは現在もフライパンのコーティングに使用されています。
このPTFEはフッ素樹脂のことで、発がん性はなし。もし食べてしまっても、吸収されずそのまま排出されるので安全とされているためです。
しかし、耐熱温度は260度で、それを超えてしまうと有毒ガスが出てくる問題があります。
一般的な調理温度は180度前後のため心配ありませんが、強火で空焚きすると260度を超えてしまうことが……。
この有毒ガスは吸っても死ぬことはないものの、インフルエンザのような症状が出ることが知られています。
大人ならともかく、小さい子供やペットが吸い込むとより強く症状が出てしまう可能性があります。

こういった事情があるので、安全性のためにフッ素樹脂を使ったフライパンを避ける方も出てきています。
町草ブログ記事:フッ素加工フライパンの有害性を解説!安心して使うためのポイントとは?
PTFEフリーなフライパンは?
フッ素樹脂コーティングやテフロン加工のフライパンは、どちらもPTFEを使用しています。なら、PTFEを使用していないフライパンは、どんなものがあるのでしょうか。
有名なものはコーティング無しの鉄フライパン!

PTFEを使用していないフライパンとして、コーティングされていない鉄フライパンが有名です。
そのままだと食材がくっついてしまい調理しにくいですが、油を使い自分でコーティングできるので心配はありません。
- 鉄フライパンを強火で空焚きし、煙が出てくるまで加熱する(初めて使う場合は、塗装されているさび止めを焼き切り、冷めてからタワシやスチールウールで洗う)
- 油を大さじ2杯分ほど入れて、内側全体にキッチンペーパーで馴染ませる
- もし鉄臭さが気になる場合は、調理前に野菜くずを炒めることで緩和可能です
- 使い終わったら洗剤は使わずにお湯とタワシで洗う
- 水気を切ったら錆防止に油を塗っておく
ただし鉄フライパンは、以下のデメリットもあるので注意してください。
- いちいち油を塗らないといけないので手間がかかる
- 重い鉄製で厚みもあるため、1kgを超えるのが普通で扱いにくい
こういったデメリットがあるため、一般的には下で紹介するセラミックフライパンがおすすめです。
PTFEフリーならセラミックフライパンがおすすめ


有毒ガスが出てくるならPTFEのフライパンは使いたくありません
もしそうなら、「セラミックフライパン」をおすすめします。
セラミックフライパンとは、フッ素樹脂ではなくセラミックでコーティングしてあるフライパン。
セラミックは鉱物や砂から作られており、二酸化ケイ素や珪藻土などが使用されています。
二酸化ケイ素は、実は食品の乾燥剤として使われているシリカゲルの原料。
海苔や煎餅などに入っており、「毒性無し&もし食べても消化吸収されず排出」と安全性がかなり高いので食品に触れてもOKです。
珪藻土も同様に安全性が高く、食品向けの容器に使われています。
セラミックの耐熱温度は300度以上で、これを超えて加熱しても有毒ガスは出ません。
もちろん性能も良く、食品がこびりつかない・焦げ付かないので安全で使いやすいフライパンですよ!
セラミックフライパンならグリーンパンを使おう!
セラミックフライパンは、複数のメーカーから出ています。
その中でも、管理人は以下の3つの理由からグリーンパンをおすすめしています。
①内側・外側の全部セラミックコーティングで安全性が高い

グリーンパンは、全シリーズで内側・外側どちらもセラミックコーティングになっており、高い安全性になっています。
他メーカーでは、たまにセラミックフライパンと紹介されているのに、内側は確かにセラミックなのですが外側はフッ素樹脂を使用しているものも。
これだと過加熱してしまったときに、外側のフッ素樹脂(PTFE)から有毒ガスが出てしまいます。

グリーンパンは内側・外側どちらもセラミックコーティングとなっているので、有毒ガスを完全に防げます!
人間どうしてもうっかりはありますし、たまたまあなた以外の人間が調理して過加熱してしまう場合もあります。
そういうときも、全てセラミックコーティングなら有毒ガスを防げるのでより安全になりますよ。
それに外側もしっかりセラミックコーティングされていることで汚れが落ちやすく、メンテナンスが楽になるメリットもあります。
町草ブログ記事:グリーンパンって本当に安全なのか徹底的に調べてみました!
②デザインが良く数シリーズあるので好みのものを選べる

グリーンパンは高性能なだけでなく、デザインの良さでも人気。
さらに、複数のシリーズがありそれぞれデザインが異なるため、好みによって選べるメリットも見逃せません。
落ち着いた・可愛らしい・エレガント・シンプル・重厚感のあるものなど、デザインが多数あります。
だから、デザインにこだわりたい人や料理するのを楽しくしたい人、台所を自分好みにしたい人はグリーンパンが特におすすめ。
他メーカーではデザインは1~2種類しかないものが多いので、たくさんの中から選べるのは大きなメリットです。
好きなデザインのフライパンを使うと、台所が華やかになり料理するのが楽しくなりますよね。
③リーズナブルなシリーズもあり購入しやすい

グリーンパンと言えばブランド物なので、「高価だからちょっと……」と敬遠する方もいらっしゃいます。
確かにプロ向け最上位モデルなら1万円を超えますが、一般向けなら3000円からとリーズナブルなシリーズもありますよ!
例えば、グリーンパンにはグリーンシェフというブランドがあり、こちらはカラーバリエーションが豊富で1つ3000円台。
しかも、管理人が検証したところ、性能はグリーンパンの5000~6000円辺りのモデルとほぼ同じでした。
セラミックフライパンはフッ素樹脂よりもコーティングにコストが掛かるため、どうしても価格が高くなりがちです。
グリーンパンなら、高性能でデザインが良いものがコスパ良く購入できるので満足感があります。
町草ブログ記事:グリーンパンとグリーンシェフの違いは?どちらがおすすめか徹底的に調査!
まとめ
PFOSは確かに発がん性のある危険な物質ですが、現在は日本でも規制されているので使用されていません。
そのため、「フライパンからPFOSを摂取しているかも……」と心配しないでください。
ちなみに、PFOSフリーだからうちは安全とアピールしている企業もあるものの、あれはそもそも禁止され他メーカーでも使用していない物質を使っていないと改めて言っているだけです。
一方、フライパンのコーティングとして幅広く使われるフッ素樹脂(PTFE)は過加熱で有毒ガスが出てしまう心配があります。
もし不安なら、グリーンパンといったセラミックフライパンを使いましょう。
グリーンパンは内側・外側すべてセラミックコーティングとなっており、安全性が高いフライパンになっています。
さらに、価格も手ごろなシリーズがあり、デザインも豊富ですのでぜひ公式サイトでどんなフライパンがあるのかチェックしてみてください!