特に値段が高いことで知られるPENTA(ペンタ)フライパン。
高い性能と安全性をアピールしていて、いろいろなサイトでもそう書かれていますが結構、間違ったことも書かれてると言ったら驚くでしょうか。
管理人はライターとして10年ほど活動しており、企業から依頼を受けて様々な調理器具・家電などの記事を書いてきました。
だからこそフライパンにも詳しく、読んでいてどう考えても間違ってる情報をいくつか発見しました。
今回はペンタフライパンの「本当の安全性」はどうなのか検証し、口コミや評判なども紹介していきます。
この記事を読めば、ペンタフライパンとは何なのかはっきり分かりますので、ぜひご覧ください。
ペンタフライパンとは?まずは基本情報を解説!
「王様フライパン」というキャッチコピーで、株式会社インフィニが販売しているPENTA(ペンタ)フライパン。
これは、同じメーカーで販売されていたruhru健康フライパンの、「重い」「取っ手が取り外しできない」の2つのデメリットを解消した最新版です。
公式が発表しているペンタフライパンの特徴は、①焦げ付かない・くっつかない②10年保証とリフレッシュサービス③取り外し可能な取っ手④PFOAフリーで安全性が高いの4つになります。
ペンタフライパンは浅型と深型の2種類のみで、サイズはそれぞれ20cm・24cm・28cmの3つ。カラーがシャンパンゴールドとブラックサファイアから、選べるようになっています。
名称・サイズ | 重さ | 素材 | コーティング | 価格 |
20cm浅型:20×5cm(直径×深さ) | 759g | アルミニウム・ステンレス | フッ素コーティング・硬質アルマイト加工 | 11880円 |
20cm深型:20×7cm(直径×深さ) | 816g | アルミニウム・ステンレス | フッ素コーティング・硬質アルマイト加工 | 12980円 |
24cm浅型:24×5.3cm(直径×深さ) | 896g | アルミニウム・ステンレス | フッ素コーティング・硬質アルマイト加工 | 15180円 |
24cm深型:24×7.0cm(直径×深さ) | 1000g | アルミニウム・ステンレス | フッ素コーティング・硬質アルマイト加工 | 16280円 |
28cm浅型:28×5.3cm(直径×深さ) | 1074g | アルミニウム・ステンレス | フッ素コーティング・硬質アルマイト加工 | 18480円 |
28cm深型:28×7.0cm(直径×深さ) | 1230g | アルミニウム・ステンレス | フッ素コーティング・硬質アルマイト加工 | 19580円 |
こうしてみると、一番小さいモデルでも1万円を超え、一番大きなものは2万円近いとかなり高価ですね。
他ブランドではプロ向けの最上位モデルでも1万円を超えるくらいで、2万円近くすることはほぼありません。
次からは安全性と性能について、詳しく検証していきます。
ペンタフライパンの安全性・性能をライターが検証!
ペンタフライパンの安全性と性能を、詳しく解説し評価していきます。特に他サイトでは指摘されていないおかしな点も、しっかり解説しますのでぜひご覧ください。
PFOAフリー→他メーカーも使用していません
ペンタフライパンは、PFOAフリーであることから安全性が高いとアピールしています。
しかし、そもそもPFOAは世界中で禁止されており、日本でも2010年から規制されたため、他メーカーでも使用されていません。
PFOAとはペルフルオロオクタン酸という、有機フッ素化合物(PFAS)のひとつ。精巣がんと腎臓がんのリスクを上げてしまう、発がん性がある危険な物質です。
このPFOAはフライパンのフッ素コーティング(※テフロンも同様)に、助剤として使われてきました。
つまり、PFOAを使っていないのは当たり前であり、PFOAフリーをアピールしても安全であるとはなりませんね。
このことから、他メーカーと比べて特に安全性が高い訳ではなく、普通といったところです。
ペンタフライパンのコーティングを評価!
フライパンのコーティングといえば、使い心地と安全性に関わる大切な要素。①どんなコーティングを使用?②過加熱で有毒ガスの有無③コーティング性能④コーティングの寿命を見ていきます。
①ペンタフライパンはフッ素コーティングを使用
なぜかネットでは、「ペンタフライパンはフッ素を使っていない」と書かれていることがありますが、これは間違いです。
ペンタフライパンは、サファイアコーティングだとしています。
しかし、このサファイアコーティングはフッ素樹脂を使ったものですので、他メーカーと同様にフッ素コーティングに分類されます。
証拠として、公式サイトの「その④証明された安全のPFOAフリー!」という項目で、コーティングは「フッ素」系高分子で作られたことを証明とあります。
間違って紹介している方は、恐らくPFOAをコーティングに使っているフッ素樹脂と勘違いしていると思われます。
コーティングに使われるフッ素樹脂はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は同じ有機フッ素化合物ですが違います。
②過加熱で有毒ガスが出る
コーティングに使われているPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は耐熱温度が230度で、これを超えてしばらくすると有毒ガスが出てきます。
ペンタフライパンもPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を使用しているはずなため、過加熱で有毒ガスが出てしまいます。
このPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、フッ素コーティングになくてはならないものなので無くすことは不可。
とはいえ、普通に調理すればフライパンの温度は180度前後ですので、有毒ガスが発生することはまずないため、安心してください。
有毒ガスが出てしまうのは、フライパンを火に掛けたままうっかり忘れて、煙が出るくらい長い時間加熱してしまったという状況です。
③コーティングの性能は高め
口コミや評判を見る限り、コーティングの性能は高く食品がくっつかない・焦げ付かないと高評価になっています。
一方、油無しではくっつくとの口コミも見られるので、そこまで過信は禁物です。
同じフッ素コーティングでもメーカーによって性能に差がみられるのは、例えばコーティングの厚みだったり均一さだったりが原因になります。
フッ素コーティングが均一でない場合は、薄いところで食品がくっついて・焦げ付いてしまう訳ですね。
ただ、ペンタフライパンはコーティングの異常の口コミもないので、フッ素コーティングの技術は高めになります。
④フッ素コーティングは毎日使うなら約2年前後が寿命
フッ素コーティングの寿命は、毎日使ったとして2年前後で買い替えなため、ペンタフライパンもその辺りでしょう。
もちろん、コーティングの厚みや剥がれにくさはメーカーにより違いがあるので、その辺りが寿命に影響します。
ただし、どんなに気を付けて使っても摩耗するため、どの種類のコーティングでも大体2~3年で買い替えとなります。
もし長持ちさせたいなら、以下の注意点を守って使うことをおすすめします。
- 強火は使用せずに中火~弱火で使う
- 金属製のツールは使わずにシリコン製といった柔らかいものを使う
- 本体が熱い状態で水を掛けて急冷しない
- 洗う際に金たわしといった硬いもので磨かない
特にやりがちなのが、調理後にまだ本体が熱いのに水を掛けてしまうこと。
金属は加熱すると膨張し、冷えると元に戻ります。水を掛けて急冷すると一気に体積が戻りますが、その際にコーティングを引っ張り、剥がしてしまうことが……。
そのため、洗う際はしばらく放置して本体が冷えてからにしてください。
アルミニウム製のため熱伝導率が高い
熱伝導率は使っている金属の性能が大きく、コーティングはあまり影響しません。
そのため、アルミニウムを使っているペンタフライパンは熱伝導率の高く、中火~弱火でもしっかり加熱でき、均一に火を通すことができます。
フライパンに使われている金属で、熱伝導率の高さは高いものから①銅②アルミニウム③鉄④ステンレスの順番です。
ただ、銅フライパンは価格がかなり高く、メンテナンスも大変なため、実用性も考えればアルミニウムが一番おすすめになります。
一般的なフライパンと比べて重め
ペンタフライパンは24cmの浅型でも896gとなっており、これは重めの数値となります。
女性の方なら、大体600g前後が扱いやすい重さ。一般的なフライパンは26cmで600~700gほどで、軽量モデルだと500g以下です。
ただし、熱伝導率や耐久性は基本的に重い方が有利。これは軽いフライパンは、薄く作ることで軽量化しており、重い方は逆に厚みがあるためになります。
金属は薄いとすぐ冷めてしまいますが、厚みがあると熱が蓄積されるので冷めにくい点からもイメージできますね。
なので、ペンタフライパンは重く扱いにくいデメリットはありますが、逆に耐久性や火力は優れています。
ペンタフライパンの口コミ・評判ベスト3
口コミ・評判を様々なところから一つ一つチェックし、最も多かったものを3位まで紹介します。
なお、具体的にペンタフライパンのどこが良くてどこが駄目だったのかはっきりした口コミ・評判のみ評価しています。
高評価な口コミ・評判ベスト3
- 1位:食品がくっつかない・焦げ付かないので料理が作りやすい
- 2位:熱伝導率が良く、中火や弱火でもしっかり焼ける
- 3位:取っ手が取れるのでオーブンも使え、片付ける際もスペースを取らない
ペンタフライパンをチェックし、一番多く目にしたのが「コーティングのおかげで、食品がくっつかず焦げ付かないので料理が楽」というコメントでした。
また、このコーティングのおかげで汚れもすぐ落ちるため、メンテナンスが簡単という意見も。アルミ製だけあって熱伝導率が高く、火加減が弱めでも火力がしっかりある点もよく指摘されていました。
特にペンタフライパンの前モデルであるruhru健康フライパンと比べて、取っ手が取れる点がより使いやすいと喜ばれています。
なお、ランキング外でしたが、10年保証や軽さ、サイズの大きさといった点も高評価です。
低評価な口コミ・評判ベスト3
- 1位:価格が他メーカーのフライパンよりも高額でびっくり
- 2位:思ったよりくっつく・1年くらいで食品がくっつくようになってしまった
- 3位:蓋のフチに水が溜まってしまう
意外と低評価な口コミ・評判はあまり見かけませんでした。調べる前から予想は付いたものの、やはり一番は値段の高さに不満が集中しています。
そして、コーティングも思ったよりもくっつく、1年や数か月でくっつくようになったと報告があります。ただし、1年経ってもコーティングの性能は変わらないという人もそこそこいました。
この辺りは使用状況にもよるため、どうしても個人差が出ますね。
フライパン本体ではなく、蓋の方への不満もそこそこ見られました。これは、蓋のフチにあるガラスと金属の間に水が溜まってしまうとのこと。
油がその隙間に入ってしまいなかなか取れなかったり、洗った後に水が溜まったりストレスになると報告されています。
ペンタのメリット・デメリット
ペンタフライパンのメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
ペンタフライパンの大きなメリットは、コーティングの良さと10年間もの保証がある点です。
他メーカーでは保証があるとしても1~2年であることが多く、10年もあるのはかなり珍しいメリット。もちろん、10年も保証があるからこそ、価格もそれなりになってしまうデメリットもあります。
フライパンはコーティングの関係で、どうしても途中で買い替えが必要になります。
ペンタフライパンなら10年保証のリフレッシュサービスを使用し、定価より大幅に安い値段で新しいペンタフライパンに交換可能は助かりますね。
ただ、このリフレッシュサービスは定価よりも安いものの、5500円+送料(1000円)と一般的なフライパンよりは高めです。
10年保証とリフレッシュサービスを評価
ペンタフライパンにある、10年保証やリフレッシュサービスとは何か解説しつつ評価していきます。
10年保証の内容は2つ
この10年保証は、①製品保証②リフレッシュサービスの2つからなります。
製品保証は焦げ付き以外で、フライパンに原因がある故障や破損が起きたら交換か修理を無償で受けられます。
ただ、この製品保証は一般的なサービス。他メーカーと同じで、焦げ付きは対応していません。
リフレッシュサービスはペンタ独自のシステムで、コーティングが摩耗や剥がれたりしたら、有償で新品と交換してもらえます。
例えば、一番高価な28cm深型は19580円もしますが、リフレッシュサービスを使えば5500円+送料(1000円)だけで済みます。
なお、リフレッシュサービスを活用するにはフライパンの取っ手と保証書が必要になります。
10年保証は本当にお得か?
お得かどうかを検証すると、確かにペンタフライパンをこの先にずっと使い続けていくつもりならお得なサービスです。
ペンタフライパンは高額なので何度も購入するのは難しいものの、リフレッシュサービスを使えば買い替えが現実的になります。
ただし、ペンタ以外のフライパンも使いたいなら、有償の価格が高いため、そこまで魅力的なサービスではありません。
製品保証については、フライパンそのものに問題があった時のみ無償で交換か修理となります。正直に言って、フライパンに問題があれば最初の1~2年で気づくため10年も必要ないでしょう。
ペンタはどこで買える?どこが安い?
ペンタフライパンはメーカーが実店舗へ卸していないため、ネットでしか購入することができません。
ただし、ネットでは公式オンラインショップ以外でも、Amazonや楽天などで購入できるため入手しやすくなっています。
どこで買うと安くなるかですが、公式オンラインショップが一番安いのでおすすめ。
Amazonよりも公式オンラインショップの方が、なぜか1000円ほど安く購入できるためです。(※Amazonも出品者は公式です)
- 24cm深型:Amazon16280円(税込) 公式オンラインショップ15180円(税込)
- 28cm深型:Amazon19580円(税込) 公式オンラインショップ18480円(税込)
公式オンラインショップも1万円以上の購入で送料無料になるため、送料については心配がありません。
ペンタフライパンでよくある質問
ペンタフライパンについて、よく見られる質問に回答しました。
Q:ペンタはフッ素加工ですか?
ペンタフライパンはサファイアコーティングとなっていますが、これはフッ素コーティングの一種です。
そのため、過加熱で有毒ガスが出る点は、他メーカーのフッ素コーティングのフライパンと同様。
ただし、強火で煙が出てくるまで加熱しないと出ないので、そこまで心配しなくてOKです。
Q:どこで生産されていますか?
ペンタフライパンは、中国で生産されています。
中国ということで、不安になるかもしれません。しかし、意外と多くのメーカーが中国で生産を行っており、日本でも貝印やサーモスなどがあります。
それに、日本に入る際に品質を詳しくチェックされ、合格したもののみ入っているので安全です。
Q:食洗器で洗うことはできる?
ペンタフライパンは、食洗器は使用不可となっています。
これは、コーティングを破損する可能性があるため。ただし、もともと汚れが落ちやすいので食器用洗剤とスポンジでしっかりきれいになります。
Q:揚げ物やオーブンで調理はできる?
温度が230度を超えないことが条件ですが、揚げ物・オーブンでの調理度どちらもできます。
揚げ物については、高温で190~200度、中度なら170~180度くらいの温度。コーティングの耐熱温度が230度なので、問題がありません。
ただし、強火で過剰に加熱したり、オーブンで230度を超えた設定にしたりすると、コーティングにダメージが入るので注意してください。
Q:リフレッシュサービスとは?
10年保証の一つで、コーティングが駄目になった時に有償で新品に交換してもらえるサービス。
本体5500円と、送料で1000円が掛かります。
なお、リフレッシュサービスを受けるには、フライパンの取っ手と保証書が必要です。付属する保証書は、無くさないように取っておきましょう。
検証結果:ペンタフライパンは個人的にはおすすめしない
もし前作のruhru健康フライパンを使っていて気に入っているなら、デメリットを解消したものなのでおすすめできます。
しかし、ペンタフライパンを検証してきましたが、個人的に言えばおすすめはしません。
理由としては、以下の4つが大きいです。
- 価格が他メーカーよりも、かなり高過ぎる
- 安全性は他メーカーのフッ素コーティングを使ったフライパンとあまり変わらない
- 同じフッ素コーティングで性能が良く3000~4000円で買えるメーカーがある
- リフレッシュサービスで新品に交換できるが、送料も含めると1回6500円と高額
この価格なら、例えば油無しでもくっつかないバッラリーニといった3000~4000円台のフライパンを、買い替えながら使った方が良いのではないかと思います。
コーティングの安全性については、フッ素を使っているので過加熱で有毒ガスが出てしまうのは避けられません。
もし有毒ガスが気になる場合は、フッ素を使っていないセラミックコーティングのフライパンを使うとよいでしょう。セラミックコーティングのフライパンは、デザインと性能が両立しているグリーンパンがおすすめです。
それに、取っ手が取り外し可能なものが欲しいなら、ティファールやアイリスオーヤマ、サーモスなど多数のメーカーから、もっと安い値段で販売されています。
このような理由から、個人的にはペンタフライパンよりも同じフッ素コーティングで性能が高いバッラリーニや、セラミックを使ったより安全なグリーンパンをおすすめします。