この記事を書いている管理人は、両耳とも感音性難聴で聴力100dBの聴覚障害者です。
近年では7~8月になると35度を超えるのが普通で、ところによっては40度を超えることもあります。本当に暑いですよね……。
もはや必須になったエアコンですが、購入するには販売店や業者とのコミュニケーションが欠かせません。しかし、われわれ聴覚障害者は、耳が聞こえないことからコミュニケーションに困難を抱えています。
人によっては耳の状態がかなり悪く、コミュニケーションが困難でエアコンの契約が厳しい方もいらっしゃるでしょう。その場合は、エアコンを諦めるしかないのでしょうか?
いえ、諦めなくてもエアコンの代用として「窓用エアコン」を使えば解決しますよ!
窓用エアコンは配線工事が必要なく自分で設置できる
窓用エアコンとはどんなものなのか、こちらでご紹介しますね。
窓用エアコンとは?
普通のエアコンは冷風が出る本体と、外に設置する室外機の2つから出来ていますよね。窓用エアコンは、窓に設置できるように本体と室外機を合体させた家電です。
最大のメリットは室外機と一体化しているので、配線の工事が必要ない事。配線工事が必要ないことから、自分で簡単に設置できます。
つまり、業者と話す必要はないので、コミュニケーションが難しい方でも設置できるんです。
冷却能力はエアコンよりは下ですが、扇風機はもちろんスポットクーラーや冷風扇より上という位置付け。
価格は3~4万円ほどで、冷房だけでなく暖房もできたり人感センサーなどが付いたりした高級モデルでも6万円台と手ごろです。
窓用エアコンはスポットクーラーより冷える!
窓用エアコンと同じ仕組みの家電に、スポットクーラーがあります。スポットクーラーも、本体と室外機が一体化したもの。でも設置場所が異なるため、窓用エアコンの方がスポットクーラーよりもかなり冷えるんですよ。
スポットクーラーは部屋の中に置いて使うのですが、排熱は機体の後ろ側から行われています。そのため、スポットクーラーの前面は冷えるものの、排熱によって部屋を暖めてしまうので室温はそこまで冷えません。スポットクーラーを検索してみると「スポットクーラー 冷えない」といったキーワードが見えますが、排熱の仕組みを見ると納得ですね。
窓用エアコンはその名前のように窓に取り付け、排熱はそのまま外に捨ててしまいます。普通のエアコンと同じ仕組みなので、部屋がしっかりと冷えます!
窓用エアコンのデメリットは?
もちろんデメリットもあり、それは以下の2つとなっています。
- 普通のエアコンより冷却能力が落ちるので8畳以上の広い部屋は無理
- 電気代がエアコンよりも掛かってしまう
当たり前ですが、窓用エアコンは窓に設置できる大きさにしなければいけません。ですから、コンパクトにした分だけ出力も落ちるので、どうしても普通のエアコンより性能は下になります。
そうなると、「コンパクトで出力も下なら、窓用エアコンの方が電気代が掛からないのでは?」と思いますよね。ところが、残念ながら普通のエアコンよりも、窓用エアコンの方が電気代が掛かってしまいます。
普通のエアコンは室温や人の有無などに合わせて細かく冷房を調整するので、思ったよりも電気代が掛かりません。しかし、窓用エアコンはそういった調整機能がなく、常に一定のパワーで冷房してしまうため電気代が余計に掛かってしまいます。
そういう理由から正直に言うと、窓用エアコンは普通のエアコンがどうしても設置できない時に使う代用品です。ですから、普通のエアコンが設置できるなら、そちらを使ってください。
でも、今回のように普通のエアコンが設置できないなら、扇風機やスポットクーラー、冷風扇などよりも冷えるので窓用エアコンを使いましょう!
窓用エアコンはAmazonや楽天などから購入できる
窓用エアコンは、Amazonや楽天といったネットショップから購入することができます。ですので、余計なコミュニケーションが発生せず、配達の方との受け取りの際だけで済みますよ。
もちろん、電気屋でも取り扱いはあります。ただ、窓用エアコンは結構大きいので、自宅まで持ち帰るには車が必要になります。
しかし、Amazonや楽天などで購入すれば、自宅まで配達してくれるので楽ですよ!
窓用エアコンの選び方のコツ
窓用エアコンを販売しているメーカーは少なく、コロナ・コイズミ・ハイアール・トヨトミの4社しかありません。しかし、どのメーカーも2~3モデルほど出しているので、購入時に迷いやすいんですよね。
自宅の窓に設置できるかサイズを見るのは当然として、窓用エアコンを選ぶなら次の3つのポイントも見ると良いでしょう。
- 部屋の広さに合わせたパワーを持っているか?
- 冷房だけでなく暖房も必要か?
- 人感センサーといった機能は必要か?
まず、どのメーカーも4~6畳向けのスタンダートと4.5~7畳向けのよりパワーがあるものと、2モデルは必ず販売しています。そこで、お部屋の広さから、どちらが良いのか決めましょう。
続いて、冷房だけでなく冬にも暖房として使いたいなら、冷暖房兼用のモデルとなります。この冷暖房兼用モデルは、現在(2021年7月)コロナ社からしか出していません。
最新のモデルではどのメーカーも、おやすみタイマー(メーカーにより名称や仕組みは異なる)という寝ている間に温度を保ってくれる機能など便利な機能が付いています。ただ、人感センサーはトヨトミ社の一部の窓用エアコンにしか付いていません。
人感センサーとは部屋に人がいるかセンサーでチェックし、いなくなったら自動で電源をOFFにする機能。うっかり電源の切り忘れを防げますし、高くなりがちな電気代も節約できるようになるでしょう。
おすすめの窓用エアコン3選
こちらで、おすすめの窓用エアコンをご紹介します。
窓用エアコンで、一番人気のあるメーカーはコロナ社。コロナ社はエアコンも製造していますし、暖房器具もいろいろ出しているのでお世話になったことがあるはず。
CW-1821は、4.5~7畳の最新モデル。もう一つ4~6畳モデルの、CW-1621もあります。自動運転やおやすみ自動運転といった、窓用エアコンの基本的な機能を搭載。低振動設計で、防カビフィルター付きです。何の不足もないですし、基本的にはコロナ社の窓用エアコンで十分でしょう。
窓用エアコンで、唯一の冷暖房兼用モデルです。暖房も使いたいなら、コロナ社の「CWH-A1821」一択になるでしょう。機能は冷房専用モデルと、ほぼ同じ。
注意点として、冷暖房兼用モデルはドレン水が発生する点に気を付けてください。ドレン水とは空気中の水分が水滴になったもので、冬に暖房を入れると寒暖差で窓に付く水滴(結露)と同じです。
冷房専用モデルは蒸発させているので出ませんが、冷暖房兼用モデルは窓から排水します。ですので、窓の下に何かあったり道があったりするなら人や物に掛かる可能性があります。
頻繁に部屋から出る・うっかりスイッチを切り忘れることが多いなら人感センサー付きのトヨトミ「TIW-AS180L」がおすすめです。人感センサーが人の動きを感知し、いなくなったら自動でOFFに。OFFの状態で人の動きを感知すれば、自動的に運転を再開してくれます。
これならスイッチの切り忘れも防げますし、頻繁に部屋から出ることが多いなら電気代の節約にもなりますよ。ただ、部屋にずっといる場合は、人感センサーは必要ありません。
今のところ、人感センサーが付いているのはトヨトミ社だけ。寝ている間に温度を一定に保ってくれるおやすみ機能など、基本的な機能は付いているので人感センサー付きが欲しいならTIW-AS180Lですね。
窓用エアコンへの疑問
本当に自分で設置することが出来ますか?
ネジで固定するだけと簡単なので、大丈夫ですよ!
不安な方は、Youtubeでプロの方が詳しく解説している動画があるのでそちらを見てみてください。窓用エアコンで検索すると、いろいろ出て来ますよ。なお、窓用エアコンは大きく20kgをオーバーしているため、女性の方は2人で作業すると良いでしょう。
窓用エアコンの電源は100Vで大丈夫なんですか?
窓用エアコンは、一般的な100Vコンセントで大丈夫ですよ!
エアコンの場合は、200Vある電源ではないと使えないモデルもあります。しかし、窓用エアコンは、一般的に使われている100V電源で大丈夫です。
窓用エアコンを取り付けた窓は、閉められる?
はい、窓用エアコンを取り付けても窓を閉めることができますよ
窓用エアコンを取り付けても、窓自体を閉めることは可能です。ただ、閉めたまま窓用エアコンを使うと、排熱で窓が暖められて温度差で割れることがあります。そのため、運転する時は、窓を開けてくださいね。
雨が窓用エアコンに掛かっても大丈夫ですか?
弱めの雨なら大丈夫ですが、豪雨や台風の時は中止して窓を閉めてください。
普通の雨なら大丈夫ですが、豪雨や台風の時は窓用エアコンに浸水する可能性があります。そのため、雨が強くなってきたら使用を中止し、窓を閉めてくださいね。
電気代は1日どのくらいになりますか?
コロナ社のCW-1821を例にすると、東日本だと消費電力605Wですので1日8時間の使用で約128.16円です。(※東京電力の場合)
エアコンよりも電気代は掛かりますが、それでも1日8時間使用するとして128円ほどしか掛かりません。もし熱中症で入院ということになれば、一泊二日で5~9万円は掛かります。無理して熱中症になっては元も子もないので、窓用エアコンを使ってくださいね。
まとめ
聴覚障害者でコミュニケーションの問題からエアコンを契約できない方向けに、窓用エアコンをご紹介しました。
もちろん、2階で室外機を置く場所がない!といった理由で設置できない方も、窓用エアコンなら大丈夫です。
近年では本当に暑くなっていて、ところによっては40度を超えるのも普通になっています。これほど暑いと、仕事にも集中できませんね……。
窓用エアコンを設置することで、快適な生活を手に入れましょう!