あなたが愛用している調理器具で、安全面で問題がないか気になったことはありませんか?特に、最近ではフライパンや鍋にも有害物質が含まれる恐れがあると言われています。
そこで、多数の調理器具を扱ってきた管理人が、今回は人気の高いブランド「カローテ」のフライパンや鍋の安全性を徹底的にチェックしました。
このブランドはおしゃれさから人気になっていますが、実際にはどのような素材が使用されているのか、そして有害物質は含まれていないのか不安になる方も多いことでしょう。
結論から言うと、有害物質は含まれていませんが、コーティングには注意が必要です。詳しい内容については本文でご紹介します。
カローテのフライパンとは?
あまり見かけないブランドですが、それもそのはずでcarote(カローテ)は中国のブランドです。
カローテは中国で1992年に設立されたキッチン用品会社で、コンセプトは「品質が良くコストパフォーマンスに優れる商品を消費者に提供すること」となっています。
公式サイトはなく、Amazonや楽天などの販売者ページくらいしか情報がありません。管理人が色々と疑問を調べて、分かったブランドの基本情報は以下の通りです。
疑問 | 回答 |
カローテのフライパンや鍋はどこで製造している? | 中国で製造している |
カローテの特徴は? | ベージュといった明るいカラーに木目調の美しいデザイン |
カローテの価格帯は? | 2000~3000円と低価格 |
カローテはシリーズがある? | 次の4つ。①取っ手の取れるフライパン・鍋シリーズ②COSYシリーズ③ICE CREAM(アイスクリーム)シリーズ④キッチンツール |
カローテのフライパンや鍋は安全か4点から徹底チェック!
ライターとして多数の調理器具を見てきた管理人が、カローテのフライパンや鍋の安全性をチェックします。
①カローテの「フライパンのコーティング」は?
まず、多くの人が気になっているであろうコーティングは、フッ素樹脂を使った「5層のマーブルコート」となっています。
このコーティングはフッ素樹脂を使っているので正常な範囲内での使用なら安全ですが、過剰に加熱すると有毒ガスが発生するためその点だけ気をつける必要があります。
より詳しく解説していくと、マーブルコートはカローテだけではなく他メーカーでも使われていて、フッ素樹脂に大理石の粉を混ぜて強度を上げるコーティング方法です。
ちなみに、マーブルコートよりコストは上がるもののより強固になるコーティング方法として、ダイヤモンドコートやチタンコートがあります。
素材だけで見ればフッ素樹脂と大理石で、どちらも有害となる成分は含まれていません。ただし、フッ素樹脂は耐熱温度である260度以上になると、ポリマーヒューム熱という現象が発生して有毒ガスが出てきます。
近年、フッ素樹脂製(テフロン加工もフッ素樹脂です)のフライパンが危険だと言われるのは、この一定温度で有毒ガスが出てしまうからですね。
ただ、長時間の空焚きは避け弱火~中火で使えば調理時の温度は180度ほどですので、有毒ガスは発生せず安全に使えます。
もしそれでも不安だという方は、セラミックコーティングのフライパンなら過剰に加熱しても有毒ガスは発生しないので安全ですよ!
②「有害物質」は含まれていないのかチェック
Amazonの販売ページを隅々までチェックし、カローテのフライパンに一般的に有害だと言われている成分が入っていないのか調べました。
するとフライパンに使われる可能性がある以下の成分は、入っていないことが分かりました。
- PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸):自然では分解されにくく長期的に残る。発がん性があるかは不明だが環境への影響が大きく規制されつつある
- PFOA(ペルフルオロオクタン酸):精巣がんや腎臓がんのリスクを増加させるため規制されている
- APEO(アルキルフェノールエトキシレート):アルキルフェノール(AP)という物質に分解され、これが水中の生物に悪影響を与えてしまうので規制されている
- PTFE(ポリテトラフルオロエチレン):フライパンの大半に使われているフッ素樹脂。規制はされておらず発がん性などはないが、260度以上で有毒ガスが出てしまう
カローテのフライパンは、上の4つは使われていません。鉛やカドミウムについては記載がありませんでしたが、こちらも規制されていますので使用されていないと思われます。
徹底的に調査しても有害な物質は含まれていないので、カローテは安全なブランドだと言えるでしょう。
③コーティングでPTFE不使用なら「PFAが使われている」?
フッ素樹脂コーティングで最も多く使われているのはPTFEですが、これは公式が使っていないと公表しています。
じゃあ、何のフッ素樹脂を使っているのかというと、恐らくですがPTFEと共にフライパンによく使われる「PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)」を使用していると思われます。
このPFAもフッ素樹脂の一種で、耐熱温度はPTFEと同等。特徴はすべり性(くっつきにくさ)はPTFEより下ですが、耐薬品性はPTFEよりも優れており、強酸や強アルカリに強くなっています。
このことから、一般的なPTFEを使ったフッ素樹脂コーティングのフライパンよりも、カローテはくっつきにくさは劣るがより丈夫になっていると考えられます。
なお、PTFEとPFAどちらもフッ素樹脂ですので、260度以上で有毒ガスが出てしまう点は変わりません。この点が気になる場合は、上でもお伝えしたようにセラミックコーティングのフライパンを使用してください。
④本体に使われている「アルミニウム」は問題ない?
フライパンや鍋に使われるアルミニウムが危険だという情報もあり、カローテは本体がアルミニウム製なので気になる方もいらっしゃるかもしれません。
これについて解説すると、「そもそもアルミニウムが危険というのは根拠がなく、カローテがアルミニウム製でも多量に摂取することはないので全く問題ありません」となります。
アルミニウムが危険と言われるようになったのは、次の2つが原因のようです
- 昔、透析治療を受けた人が認知症になり、調べたら脳に多量のアルミニウムが溜まっていた
- 動物実験で多量のアルミニウムを投与したら腎臓や膀胱に悪影響が出た
上の二つは実際にあったことですが、アルミニウムを「大量に」投与されたのが原因です。普段アルミニウム製の鍋やフライパンを使っているからといって、大量のアルミニウムが体に蓄積することはありません。
カローテのフライパンや鍋はフッ素樹脂でコーティングされていますし、普通に使用していれば大量のアルミニウムを取り込むことはありませんので安全です。
カローテのメリット・デメリット
カローテのメリット・デメリットは、以下の通りとなっています
一番のメリットはフッ素樹脂コーティングと言えば内側が黒いのが普通ですが、カローテはグレージュとおしゃれなデザインになっている点です。
正直にお伝えすると、単純なスペックだけならより優れている他メーカーがたくさんあるでしょう。ただ、フッ素樹脂を使っていて、白っぽいグレージュで木目調の持ち手という明るいデザインは他メーカーではあまりなく大きな差別化になっています。
後は値段が安めで、フライパン以外にも揃えやすい点もメリットですね。デザインが良いので、一式で揃えた方が台所が華やかになりますよ!
デメリットは特に見当たりませんでしたが、強いて言えば食洗機で使用できない点です。
カローテの口コミ・評判
こちらでは、カローテの口コミ・評判を高評価と低評価に分けてご紹介します。ちなみに、結構な量がありましたので、この口コミ・評判を見ればカローテはどんな感じなのか正確に分かると思います。
なお、あまりに多いので管理人が内容をチェックし、特に多かったものをベスト3で発表します。
高評価な口コミ・評判ベスト3!
高評価な口コミ・評判では、次の3つが多く見られました。
一番多かった口コミ・評判は、カローテのデザインを褒めるものでした。「おしゃれ」「かわいい」「明るくなる」といった言葉が目立ち、多くの人がデザインを気に入って購入したようです。
1位以下では、マーブルコートにより食品がくっつかず汚れも落としやすい点と、熱伝導率の高さを指摘する点が目立ちました。
低評価な口コミ・評判ベスト3!
続いて低評価な口コミ・評判ベスト3を発表します。
低評価では「重い」という口コミがたくさん見られましたが、なぜか同時に「軽い」という口コミもそこそこありました。どちらなのかと思い調査してみると、COSYシリーズとICE CREAMシリーズのフライパンでは同サイズでも重さに違いがありました。
COSYシリーズの26cmフライパンは0.83kgあり、ICE CREAMシリーズは26cmで0.67kgとなっています。力に自信が無い方は、ICE CREAMシリーズがおすすめです。
それからサイズが小さいフライパンで、本体よりも取っ手の方が重いためコンロに置くと手前の方に傾いてくる現象が報告されています。うっかり足の上に落とすと怪我しますので、20cmや24cmといった小さいサイズを購入予定の方は注意してください。
最後は使っていくと、どうしても本体のグレージュから茶色くなる点を指摘する口コミが見られました。これについては、どのメーカーでも起きることですので諦めるしかないですね。
カローテのフライパンの選び方・おすすめ
カローテのフライパンを選ぶには、①取っ手の取れるフライパン・鍋②COSYシリーズ③ICE CREAMシリーズの3つがあるのでそれぞれの特徴から選びましょう。
- 取っ手の取れるフライパン・鍋:フライパンと鍋それぞれの取っ手が脱着可能。単品では無くセットで販売されている。
- COSYシリーズ:ガラス蓋が付いていて、重量は重めで普通のフライパン。
- ICE CREAM(アイスクリーム)シリーズ:蓋が付いていない。軽量で深型のフライパン。
ここから、①収納性なら取っ手の取れるフライパン②蓋付きが良いならCOSYシリーズ③軽さ重視ならICE CREAMシリーズとなります。
なお、普通のフライパン以外にも、カローテは珍しい目玉焼きフライパンが販売されているのでおすすめです。
4つ穴タイプで1度に4つ丸い綺麗な目玉焼きが作れるだけでなく、別々のものが焼けるため朝のお弁当作りにぴったりですよ!
カローテのフライパンを長く使うために
カローテに限らず、フッ素樹脂コーティングのフライパンの寿命は約2年だと言われています。しかし、2年どころか早い人で数ヶ月、1年持たないという人が大半ではないでしょうか?
寿命が短すぎるのはメーカーの不具合ではなく、我々がフライパンの寿命を減らしてしまう使い方をしているためです。
フッ素樹脂コーティングのフライパンを出来るだけ長く使うために、以下の事を守って使いましょう。
- 火加減は弱火~中火で使い、強火で使うことは避ける
- 長時間の空焚きは避ける
- 本体が熱い状態で水を掛けて冷やさない
- 金属製のヘラなどで表面をこすらない
- フライパンをまな板の代わりにして、食材を包丁で切らない
- 金たわしや研磨材が入った洗剤で磨かない
- 食品を入れたまま一晩放置しない
強火でガンガン加熱してよいものは、鉄フライパンやコーティングされていない鍋です。フッ素樹脂コーティングがされている場合は、必ず弱火~中火で使用してください。強火で加熱しなくても熱伝導率が良いので、弱火~中火でしっかり食材を加熱できます。
フッ素樹脂コーティングは急激な温度変化に弱いため、本体が熱い状態で水を掛けるとダメージを受けてしまいます。表面は金属よりは柔らかいので、シリコン製のヘラやお玉などを使えば長持ちます。
最後の食品を入れたまま放置しないですが、食材の塩分が浸透してしまい内部を錆びさせるためです。
上で挙げたことを守れば2年は持ち買い替え頻度が減りますので、普段から気を付けて使いましょう。
まとめ:カローテは安全でおしゃれなフライパン!
カローテのフライパンや鍋の安全性を、徹底的にチェックしてきました。安全性についてまとめると、以下のようになります。
- コーティングはフッ素樹脂+大理石の粉を使ったマーブルコートで、これは他メーカーでも使われる安全性の高い方法
- フッ素樹脂自体に毒性はないが、耐熱温度である260度を超えると有毒ガスが発生する。ただし、普通に調理すれば180度前後なため、油すら入れない状態で強火でガンガン加熱しない限りは大丈夫
- PFOS・PFOA・APEOといった規制されている有害物質は使っていないので安全性が高い
- PTFEを使用していないため、恐らくPFAを使っていると思われる。耐熱温度などはほぼ一緒でPTFEの方がくっつきにくいが、PFAは耐薬品性が高く酸やアルカリに強い性質がある。
基本的に安全ではありますが、フッ素樹脂は耐熱温度である260度を超えると有毒ガスが出てしまう性質があります。この有毒ガスで死ぬことはありませんが、小さいお子様がいるご家庭やペットを飼っている方は気を付けた方がよいでしょう。
もし有毒ガスがどうしても気になる場合は、グリーンパンといったセラミックコーティングのフライパンを使ってください。
とは言え、強火にさえ気を付ければ安全ですので、そこまで恐れる必要はありません。カローテのフライパンや鍋は、フッ素樹脂コーティングというくくりで見れば、デザインがおしゃれであるだけで台所が華やかになります。
値段も安めですので、お手頃なフライパンや鍋を探しているならデザインが良いカローテがぴったり。カローテは公式オンラインストアは無いので、Amazonや楽天などのECショップで購入してください。