何度も使えてゴミが出ないサスティナブルな商品として注目を集めているのが、シリーコンゴム製の袋です。
その中でも、有名な一つが「ジップトップ」。
近年では、100均でも類似品が販売されるようになりました。
今回ジップトップとダイソーのシリコーン保存袋が入手できたため、どのような違いがあるのか比較してみます。
実際に使ってみたからこそ分かる点も多数ありましたので、もしご購入を考えているならぜひ一読ください。
ジップトップとシリコーン保存袋のスペック比較
ジップトップ | ダイソーのシリコーン保存袋 | |
種類 | 4つ | 1つ |
ロック方式 | チャック式 | ロックバー式 |
容量 | 474ml・710ml・946ml(ディッシュの場合) | 340ml・680ml・1L |
材質 | シリコーンゴム(プラチナシリコーン) | 本体:シリコーンゴム ロックバー:ポリスチレン |
耐熱・耐寒温度 | 220度・-30度 | 本体:230度・-30度 ロックバー:70度・-20度 |
電子レンジの使用 | 可能 | 可能 |
食洗機の使用 | 可能 | 可能 |
オーブンの使用 | 不可 | 可能 |
細かいスペックを表で並べてみたところ、上記の通りになりました。
正直に言えば、このスペック表だけならあまり変わらないので「安い方でいいのでは」と思うかもしれません。
しかし、①価格差②品質③匂い④立たせられるか⑤密封性⑥使い心地⑦炊飯⑧洗いやすさの8項目で評価してみたところ、そう簡単ではないことが分かりました。
①価格は圧倒的にダイソーのシリコーン保存袋が安い
価格を見てみると、やはりダイソーのシリコーン保存袋が安いですね。
管理人が購入したジップトップは、ディッシュという種類のLサイズです。
ジップトップのディッシュLサイズ946mlは、定価で2970円になります。
それに対して、ダイソーのシリコーン保存袋1Lサイズは何と330円。
容量はほぼ同じですが、ダイソーのシリコーン保存袋ならちょうど9個も買えてしまう値段差です。
ただ、ジップトップの公式ショップでは10%割引が受けられますので、そういった割引を使えばもう少し差は縮まります。
②品質はジップトップの方が良く安心できる
気になる品質について、まず材質から見ていきましょう。
上はジップトップのパッケージで、材質にプラチナシリコーンと書かれていますね。
続いてはダイソーのシリコーン保存袋のパッケージを見ると、材質は本体がシリコーンゴムでロックバーはポリスチレンとなっています。
同じシリコーンゴムですが、ジップトップはプラチナシリコーンとちょっと違いますね。
プラチナシリコーンとは、白金化合物を使って作られたシリコーンゴムのこと。この白金化合物は、主に食品を扱うシリコーンゴムに使われています。
プラチナシリコーンの特徴として、①臭いが残らない②引裂き強度が上がる③成形後に発揮性ガスがほぼなく安全性がより高くなるなどのメリットがあります。
つまり、通常のシリコーンゴムに比べて臭いがせず丈夫で安全性が高い訳ですね。
このプラチナシリコーンはコストがより高くなるデメリットがありますので、ダイソーの方は価格から見て通常のシリコーンゴムでしょう。
ただし、通常のシリコーンゴムも飲み込んでしまっても吸収されず出ていきアレルギー反応も少ないと安全な物質ですので安心してください。
もう一つ品質に関して実際にどちらも購入してよく見てみると、ダイソーのシリコーン保存袋は下記のような黒い粒が見られました。
最初は何かゴミが付着したと思ったのですが、内外からいくらこすっても取れずどうも製造段階で付いたもののようです。
ジップトップは詳しくチェックしても、このような粒はありませんでした。
これらのことから品質では、ジップトップの方がより高く安心ですね。
③匂いはジップトップ=バニラの香りでシリコーン保存袋=消毒液
シリコーンゴムには特有の匂いがあるため、食品に移ってしまわないかと心配になることがあります。
実際にどうなのか、両方の匂いをチェックしたところ以下のようになりました。
- ジップトップ=強いバニラの香り
- ダイソーのシリコーン保存袋=プールのような消毒液の香り
購入してすぐチェックしてみたところ、同じシリコーンゴムでもここまで匂いに違いがあるのかと驚きました。
ちなみに、余ったご飯を入れて冷蔵庫で保管し翌朝食べてみたところ、匂いは移っていませんでしたので安心してください。
④ジップトップのディッシュは立たせた状態で保管できる
上は、底を並べて撮った写真です。
ジップトップのディッシュは、底がかなり広いので問題なく立たせた状態で保管が可能。
ダイソーのシリコーン保存袋も、中身が入った状態ならプラスチックのロックバーが付いた状態でも立てて保管することができます。
ただし、中身が無い状態だとロックバーが重く不安定になるため、倒れてしまいますので注意してください。
⑤密封性はダイソーのシリコーン保存袋の方が高い
水を入れてわざと傾け、漏れるかどうかチェックして密封性を比べてみました。
ジップトップは両端に隙間があるため、口を閉じていても傾けると水が漏れてしまいますね。
この穴は、空気穴の役割や電子レンジで加熱した際に蒸気を逃がすためではないかと思われます。
ジップトップでスープなど液体を保管したい場合は、立てた状態で置かないと漏れてしまうのでご注意ください。
続いてダイソーのシリコーン保存袋は意外と密封性が良く、上の画像のように傾けても水が漏れることはありませんでした。
ただし、強めの力で掴むと端の辺りから少し漏れてしまうのでその点は注意が必要です。
液体を保管したい場合は、ダイソーのシリコーン保存袋の方が適していますね。
⑥ロック機構の使い心地はジップトップが圧倒的に良い!
密封性はダイソーのシリコーン保存袋の方が上でしたが、使い心地はどちらでしょうか?
結論からお伝えすると、ジップトップの方が圧倒的に使いやすいですね。
なぜかというと、ジップトップは片手でも楽々と開け閉めできるので手間が本当に掛かりません。
逆にシリコーン保存袋は、ロックバーの取り付けになかなか力がいるので結構大変でした……。
このロックバーの取り付けは本体の端からスライドさせていくのですが、途中で摩擦が強く引っかかってなかなか進みません。
特に1Lよりもなぜか680mlの方がロックバーの取り付けが硬くて、結構な力を入れてもなかなか取り付けられず苦戦しました。
シリコーン保存袋は力が必要なので、女性の方だとジップトップの方が使いやすいでしょう。
⑦どちらも炊飯できるがジップトップの方が安心できる
どちらも試してみたところ、炊くことができました。
条件は、水に漬けたお米1合と水180cc。
電子レンジ600Wで10分加熱し、口を閉じて15分蒸らしました。
両方とも、炊飯器で作ったように炊きあがりました!
ちなみに、今回は1合でしたが、2合の場合は水を2倍近くに増やし電子レンジ600Wで12分加熱して15分蒸らしてください。
そして、どちらも使って炊飯してみた感想ですが、ジップトップの方が熱に対して強いので安心して使えますね。
耐熱温度の高さもですが、実際に使ってみるとジップトップの方が分厚く作られているため、掴んだ時に熱さが伝わりにくく安全というメリットもあることが分かりました。
シリコーン保存袋の方はロックバーが70度までしか耐えられないので、蒸らす際には結構熱い蒸気が掛かってしまうため変形しないか少し心配でした。
⑧洗いやすさは断トツでジップトップ
どちらも、食洗機に入れて洗うことが可能です。
もしスポンジを使って手で洗うならジップトップの方が、圧倒的に洗いやすいですね。
購入した当初は口のチャック部分がキレイに洗えるか不安でしたが、かなり大きく作られているためスポンジが入りやすく洗いやすい。
ダイソーのシリコーン保存袋は、プラスチック製のロックバーが本当に洗いにくいので大変です。
写真で見て頂ければ分かると思いますが、中央のロックバーはスポンジが入らないのでもしご飯粒とか入ったら菜箸とかで掻き出さないとと取れません。
ただ、シリコーン保存袋は下の画像のようなフックに掛けられるところが付いているため、洗った後に掛けて干すことが可能です。
この点だけは、ジップトップよりも便利でした。
こんな時どちらが向いている?
ここでは実際に様々なケースで使ってみて、どちらが向いているかまとめました。もしある用途で使うことを想定しているなら、ここ見てどちらが向いているかチェックしてみてください。
電子レンジを使用した調理はジップトップの方が向いている
電子レンジで加熱するなら、断然ジップトップの方がおすすめになります。
なぜなら、次の2つの理由からです。
- 口を半分だけ閉じて、蒸気で加熱といった使い方が可能
- 分厚く作られているので、熱が伝わりにくく持ちやすい
ダイソーのシリコーン保存袋は口を閉じるためにプラスチック製のロックバーを取り付けますが、このロックバーは耐熱温度が70度しかないので電子レンジでは使えません。
それに炊いたご飯を蒸らすといったことも一応できますが、実際にやってみると耐熱温度が70度だと熱で変形の可能性があるため不安でした。
ですから、もし電子レンジで調理をするために購入するならより安全なジップトップを選びましょう。
下の画像は、ジップトップで炊いたご飯です。
ポテトサラダも作ってみました。
こんな感じに電子レンジだけで色々と作れるので、普段の食事に一品増やすことも可能です。
野菜の保管なら空気穴があるジップトップが向く
料理をしていると、にんじんや玉ねぎなど半分だけ使って後は保管ということがよくありますね。
こういった余った野菜を保管するなら、ジップトップの方が向いています。
ジップトップは、口をとじても両端に小さい隙間がありますのでここが空気穴に。
野菜は収穫後も呼吸をしていますので、完全に密封するよりジップトップのような空気穴が付いている方が長持ちしますよ。
また、密封状態では蒸気が逃げず水滴が発生して野菜を痛めてしまうことがありますが、これも防ぐことができます。
こういう理由から、野菜の保管ならジップトップの方が向いているでしょう。
唐揚げやスペアリブといった漬け込みはシリコーン保存袋向き
ダイソーのシリコーン保存袋のメリットは、密封性が高く液体も保管できること。
これを活かして、唐揚げやスペアリブといった漬け込むタイプのお料理にぴったりですよ。
写真は唐揚げの下味付けの最中で、醤油・酒・にんにく・しょうがに鶏肉を漬けているところになります。
ジップトップだと傾いたときに漏れてしまう可能性がありますが、シリコーン保存袋なら漏れないので安心して冷蔵庫で保管できますね。
さらに、以前はポリ袋を使っていたので漬けるたびにゴミが出ていましたが、シリコーン保存袋ならゴミが出ません。
なお、味を染み込ませようとシリコーン保存袋に入れたままもみ込んだところ、端の方から少々噴き出てしまいました。
あまり力を入れて押すと漏れてしまうのでご注意ください。
水が掛かると困るスマホや財布の保管ならシリコーン保存袋がぴったり!
ダイソーのシリコーン保存袋は食品ではなく、水が掛かってしまうと困る物の保管にも使えます。
例えば、海水浴で財布やスマホなど入れておく。雨が降った時も、シリコーン保存袋に入れて密封しておけばまず濡れません。
1Lサイズなら結構大きいのでスマホや充電器、財布まで入るためためおすすめです。
ジップトップやシリコーン保存袋を使う際の注意点
ジップトップやシリコーン保存袋といった、シリコーンゴム製の袋を使う際の注意点をまとめました。
- 鋭利なもので穴が空く可能性があるので、千枚通しや包丁などは近づけない
- カレーといった油分が多い食品を過剰に加熱すると、油が原因で耐熱温度を超えてしまう可能性あり
- 食品によっては色移りやにおい移りが起きる
なお、色移りやにおい移りが起きた場合は、薄めた台所用漂白剤に漬け込むか重曹+水でこすり洗いしてから4時間ほど漬け込むで対処できます。
ジップトップやシリコーン保存袋はどこで買える?
ジップトップは、公式ショップの他にAmazonや楽天、Yahooショッピングなど各ECサイトでも購入できます。
ただ、ECショップはほぼ定価であまり割引が無いのでおすすめしません。
ジップトップ公式ショップは10%割引と3000円以上で送料無料があるため、上手に活用すれば安く購入できるのでおすすめですよ!
ダイソーのシリコーン保存袋については、ダイソーのお店か公式オンラインショップで購入することができます。
売り場については、管理人が購入した時はチャック付きポリ袋などが売っているコーナーの端の方にありました。
ただし、店舗によって異なる可能性がありますので、なければ店員の方に尋ねてみてください。
ちなみに、2022年の9月上旬に購入しましたが結構残っていたので、以前よりは入手しやすくなっていると思います。
まとめ:電子レンジならジップトップ。液体の保管ならシリコーン保存袋!
ジップトップとダイソーのシリコーン保存袋を、実際に入手して比較してみました。
結論として、電子レンジで加熱する用途ならジップトップで、液体状の食品の保管ならシリコーン保存袋がおすすめです。
ダイソーの方は220~330円でしたが、低価格にも関わらず結構しっかり作られていてびっくり。
ただ、実際に使ってみると価格相応な点があり、例えばロックバーが硬く開け閉めに時間が掛かるところや黒い粒のようなものがシリコーンゴムに混入しているなどが見られました。
ジップトップについては品質はさすがに良く、そういった黒い粒などは見られないので安心して食品にも使えますね。
とは言え、結構高いのでジップトップとシリコーン保存袋を合わせて使うことをおすすめします。
少し足りない時にジップトップを使い電子レンジで手軽にご飯を炊き、余った料理をシリコーン保存袋に放り込んで冷蔵庫で保管と使い分けが可能。
ご紹介したように色々と使えて便利な上に洗って何度でも使え、ポリ袋やラップといったゴミも出ず環境にも優しいのでぜひ使ってみてください!
ジップトップをより詳しく知りたいなら
もしジップトップをより詳しく知りたいなら、当ブログ記事に詳細なレビュー記事がありますので以下のリンクより是非ご覧ください。