聴覚障害者の同僚とコミュニケーションに困ったらぜひ読んでみてください

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聴覚障害者

職場に聴覚障害者の同僚がいるけど、コミュニケーションをどう取れば良いか分からない…。

残念ながら学校で障害者についてほとんど教えてくれないので、聴覚障害者と初めて会う場合はコミュニケーションで問題が起きがちです。

管理人も両耳ともに、重度の難聴があります。そのため、実際に体験して思ったことも含め、健聴者側に立ってコミュニケーションのコツをまとめてみました。

難聴の症状と聴力を知るとコミュニケーションが取りやすくなる

よくある勘違いは、聴覚障害があっても補聴器を付ければ健聴者と同じように聞こえるはずという考えです。実は聴覚障害といっても種類があり、種類によっては補聴器を付けても会話は困難になります。

また、聴覚障害者と話すと聴力はいくつと伝えられることもありますが、こちらで見方をご紹介します。これらを知らないために揉めることも多いので、まず理解しておきましょう。

難聴には感音性と伝音性の2種類がある。感音性だと補聴器でも聞き取りにくい

聴覚障害には大きく分けて、感音性難聴と伝音難聴の2種類があります。

伝音性難聴は、鼓膜や鼓膜に音を伝える外耳道というところに異常が出た症状。

途中で音が上手く伝えられなくなっているだけなので、伝音性なら補聴器を付ければ比較的に聞き取れるようになります。

一方、感音性難聴は音を電気信号に変換する蝸牛や、変換された電気信号を脳に伝える聴神経に問題がある症状です。

感音性難聴になると補聴器で音を大きくしても、その後の電気信号への変換に問題があるため脳に上手く伝わらず、具体的には相手が何と言っているのか識別が上手くいかなくなります。

管理人も感音性難聴ですが、補聴器を付けていても会話は聞き取れません。おそらく声だろうという音は聞こえているのですが、何と言っているのかどうやっても判別できないのです。

ただ、「はい」とか「いいえ」といった短い言葉は、口の動きも合わせて理解できることはあります。

たまに「補聴器を付けているのに聞こえないのはおかしい!」と怒る方がいますが、ふざけている訳ではなく単に感音性難聴で補聴器を付けていても聞き取れないだけです。

聴力は大きいほど聞こえが悪くなる。70dB以上は大声でも聞こえない

続いて聴覚障害者の方から「私の聴力は80dB(デシベル)です」と言われて、把握できるように聴力を知っておきましょう。

聴力というのはどの程度の聞こえなのかを数値で表したもので、高くなると聞こえが悪い事になります。

0~25dBまでが健聴者となり、それ以上になると小さい声が聞き取りにくくなります。50dBを超えると大声で話さないと聞こえず、70dB以上では大声でも聞こえないので補聴器が必須です。

もし聴覚障害者の方の聴力が50dB以上だと、かなり症状が重いんだなと理解してくれると助かります。

ちなみに管理人の聴力は左右どちらも100dBで、家の近くに雷が落ちてやっと少し聞こえるぐらいです。

聴覚障害者とのコミュニケーションはどうするべきか?

聴覚障害の症状や聴力について理解したら、次は普段のコミュニケーションについて考えてみましょう。

なお今回は管理人がそうなのもあって、重度難聴でほとんど聞き取れない方に対してコミュニケーションを取るケースを想定しています。

聴覚障害者の全てが手話や口話ができる訳ではない

よく勘違いされやすいのですが、全ての聴覚障害者が手話や口話をできる訳ではありません。理由は、手話の場合は覚えても使う機会がないからです。

管理人のケースで恐縮ですが、家族の誰も手話が使えず、ろう学校ではなくすべて普通の学校に通っていたため、周りに手話が使える方は一人もいませんでした。

一応簡単な単語なら分かりますが、手話も誰かとコミュニケーションを取るための言語ですから、使える人が周りにまったくいないなら覚える動機が弱くなかなか身に付きません。

口話は、相手の口の動きから何と言っているのか把握する技術です。やってみると分かりますがかなり難しく、できない人が大半です。

また、口話ができる人でも、普段からよく話す家族のみ分かるといった制限があります。

そのため、聴覚障害者でも手話や口話ができない方がいても不思議ではありません。

やはり筆談が一番分かりやすい。ちょっとしたこともチャットだと助かる

コミュニケーション方法の中で、ほとんどの聴覚障害者が分かりやすいと感じるのはやはり筆談です。ただ、いちいち手で文字を書くのは時間が掛かってどちらにも負担になるので、普段のコミュニケーションはチャットアプリをおすすめします。

有名なチャットアプリとしては、チャットワークやSlackがあります。チャット方式だと聞き逃す恐れもなく、話の流れもよく分かるので安心します。また、キーボードを打つ方が早いため、伝える方も負担が減ります。

キーボードを打つのが苦手な場合は、Googleドキュメントに付いている自動文字起こし機能を使うと、音声を手軽に文字にできますよ。

なお、聞き逃してしまうとまずい重要な話は、必ず文字にして伝えてくださいね。

管理人は学校生活の中で聞き取れなかったため、一人だけ明日に小テストがあるのを知らなかったという経験が何度もあります。

大勢の人がいる場所では聞き取りが難しい。会議で重要な決定事は文字で伝える

大勢の方がいて騒がしい所で聞き取るのは、特に大変なことです。というのも、補聴器はすべての音を平等に大きくしてしまうので、雑音も大きくなり聞き取りにくくなるからです。

一応デジタル補聴器といって雑音と声を機械的に判断して、ノイズフィルタリングを施してくれる補聴器もあります。ただ、それでも訓練が必要で、聞こえるかどうかは本人の聴力次第です。

そこで、会議では一人ずつ喋る。会議で何を話すかなど必要な情報は紙に印刷して渡し、重要な決定事項は筆談で伝えておくと良いでしょう。

人の顔が見えない音声放送も聞き取りに苦労する

聴覚障害者は音声が聞き取りにくいため、聞くときはかなり集中して相手の口の動きや身振り手振りもヒントに何と言っているのか把握しようとします。

そのため、人の顔が全く見えずいきなり話し出すアナウンスだと、何と言っているのか分からない時がよくあります。そこで、特に重要な事をアナウンスする場合は、チャットツールを使うか筆談で教えてもらえると大変助かります。

話せるかは聞こえなくなった時期によるので人によって違う

同じ聴覚障害者でも、人によっては話せる人もいれば活舌がかなり悪く何といっているか分からない方もいます。

喋れないのは幼いころ音声言語を習得する際に、耳が聞こえなかったのでお手本が聞こえず習得できなかったためです。

我々が母国語を話せるようになるには、小さい頃に周りの声をお手本として聞いてその通りに話すことで習得します。

ところが、音声言語の獲得時期に耳が聞こえなくなると、お手本が聞こえないので習得ができません。

生まれつき目が見ない方が、赤や青などどんな色なのか分からないのと一緒ですね。

逆に聴覚障害があるにもかかわらず喋れる人は、中途失聴といって習得時期は聞こえたけど後になって何らかの原因で聞こえなくなった方です。

聞こえてないのに聞こえた振りをする場合もある

聴覚障害者の方が返事をしたにも関わらず、実際は聞こえていなかったという場合もあります。これは、聞き返すのが相手に悪いように思ってしたケースが大半。聞き取れていないなら伝達できていないので、仕事で何らかのミスが起きる可能性が高くなります。

これは、予め「もし聞こえていなかったら、遠慮せずに聞き返してください」と伝えておくことで防げます。

聴覚障害者は聞き逃さないように神経をとがらせている

仕事をしていると、聴覚障害者の方がピリピリしていて気になる…。

私も経験がありますが、聞くときはかなり集中しないといけないので、聞き逃さないようにずっと神経を張り詰めた状態でいることがよくあります。

本人は別に怒っている訳ではなく、集中しているだけです。できるだけリラックスしてもらいたい時は、音声による会話を減らし些細な事でもチャットで伝える形にしましょう。

雇用者側へのアドバイス。雇う場合はフォローできるが重要です!

最後に、雇用者側へのアドバイスを書いてみます。

聴覚障害はどうしてもコミュニケーションの部分に影響が出て、努力でもどうにもなりません。それでも近年では気軽にチャットで話せるようになったので、聴覚障害があっても活動しやすくなっています。

ただ、それでも聞き取れず周囲に助けを求めるケースがどうしてもあります。その点が周囲の負担になるので、雇う場合は綺麗事ではなく、フォローができるかどうか社員の方に確認してください。

また、予め感音性難聴だと補聴器を付けても会話が難しい点など、必要な情報を共有しておくとスムーズです。

管理人は感音性難聴という点が理解されず、聞き返すことが周囲の負担になり嫌な顔をされるのが申し訳なくやめました。

障害者にも雇用を与えるのは良い事ではありますが、障害への理解やフォローできる体制が整っていないとやはり雇用側・障害者側のどちらも不幸になってしまいます。

まとめ

職場での聴覚障害者とのコミュニケーション方法を、実体験を踏まえてまとめてみました。

聴覚障害で一番困るのは、コミュニケーションが上手にできなくなることです。ただ、筆談という手段がチャットツールの充実もあって、そこまで気にせず仕事できるようになっています。

ただ周囲の会話が聞こえないため会社の状況が分からないので、たまに筆談で話しかけて会社で起きていることなど雑談でも良いので伝えてもらえると助かります。

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